「うつわや料理帖」
料理好きだったお義母さんが、古本屋さんで見つけてきて「この本、レシピも使いやすいけど、うつわも素敵なのよ。」と教えてくれた一冊。
本書は「うつわや」さん店主である著者が、お客さまに伺ったレシピを、お客さまとの短いエピソードも交えて、「うつわや」さんでお取り扱いしているすてきな器たちと共に一冊にまとめられている。
ジャンルとしては、レシピ本になると思うけど、お料理が盛りつけられている器たちが、そのお料理にぴったりと合っていて、写真集みたいにも楽しめる。
そして、お料理のレシピも難しくなく、材料も普通のスーパーで手に入るもの(旬のある野菜は除かれるけど)であり、なにより作ってみたら美味しいからリピートできるので、日々の献立に頭を悩ませがちな自分のお助け本になっている。
よく作るのは「鶏つくね煮」で、子どももパクパク食べてくれる。
このレシピのポイントは、鶏のひき肉に固めにゆでたゆで卵を、同じくみじん切りにした玉ねぎと一緒に入れて、パン粉と一緒にねばりが出るまで練ること。
これを、丸めでも平たいお団子状でもいいので、食べやすい大きさにして、表面にさらさら〜と小麦粉をまぶした後にフライパンで表面に焼き色をつけてから、別のお鍋に煮立てておいた煮汁(だし汁、日本酒、みりん、砂糖、しょうゆ)で照りが出るまで煮ると、ふわっとした鶏つくね煮が出来上がる。
本書は、今は亡きお義母さんが集めていたレシピ本の中の一冊なので、自宅に持ち帰ってもいいかお義父さんに聞いて、快く許してもらえたので、今は自宅の台所に大事に置いてある。
本書の著者は、「はじめに」でこんなふうに書いてくれている。
美味しい料理を、さらに美味しく引き立ててくれるような器に盛りつけたら、五感を使って料理を楽しめるような気がするので、毎日慌ただしいけど、ふっと力を抜いて、献立に困ったらこの本を開いてみたいと思う。