見出し画像

なぜ今レインボープライドなのか?レインボーの向こうに見える世界とは?

先日4月24日にレインボープライドに参加してきました。レインボープライドはLGBTQ等セクなぜ今レインボープライドなのか?レインボーの向こうに見える世界とは?
シュアル・マイノリティの存在を社会に広め、”性”と”生”のダイバーシティーを訴えるするイベントで、特定非営利活動法人 東京レインボープライドが開催しています。今回はエリックゼミの学生と一緒に初めての参加になりました。

東京レインボープライド2022にて

ハッピー・プライドの意味

街中をパレードで歩いていると、沿道から” ハッピー・プライド”と優しい声をかけられます。このプライドってどういう意味なのでしょうか?

ここでのプライドは、いわゆる直訳の”誇り”の意味だけではなく、”セクシュアル・マイノリティのパレード”そのものを指します。広く国際的に認知されていますので覚えてください。つまり” ハッピー・プライド”はセクシュアル・マイノリティのパレードを祝福している訳です。欧米諸国をはじめ世界の主要な都市では、このプライドと称されるセクシュアル・マイノリティのパレードイベントが恒例行事として、毎年開催されています。東京でも1994年に日本初となるプライドパレードが開催され、これが現在のレインボープライドの源流となっています。

サンパウロのプライドパレードは、2006年にはギネスブックによって世界最大のプライドパレードとして認定されています。参加人数は300万人にもなるそうです。

雨の中でのレインボーパレード

きっかけは、ストーンウォール事件

1969年6月28日ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ地区にあるストーンウォール・イン(Stonewall Inn)というゲイバーに警察の手入れが入った際、その場に居合わせたゲイたちがそれに抵抗し、暴動を起こしたのでした。当時のニューヨークでは、差別的に警察によるゲイバーへの踏み込み捜査が定期的に行わ、我慢できなくなった感情が暴徒化し、負傷者や逮捕者を出す暴動に発展したのでした。

事件の翌年1970年6月、ストーンウォール事件の1周年を記念するデモ行進が、ニューヨークをはじめアメリカ各地で行われ、それがその後、毎年恒例となり、現在まで続く「プライドパレードにつながっていきました。

ストーンウォール事件への2つの流れ

長い歴史の中、キリスト教の性倫理が影響力を持ち、夫婦の性行為は神聖とみなされ、快楽を得るのは罪とされました。プロテスタントの性倫理はさらに厳しく禁欲的な面が強調されていました。そういう流れのなかで、ドイツのベアーテ・ウーゼは、避妊解説書と性教則本とコンドームをセットにした商品を開発し性の新しい考え方を提示しました。1962年、フレンスブルクで世界初のアダルトグッズショップを1962年に開店。当然ながら警察は、公序良俗に反するとして、営業を妨害しましたが、この性の禁欲から解放の流れは性的マイノリティーの世界にも波及していったのです。

もう一人、ストーンウォール事件への流れで忘れてはいけない人物がいます。“オズの魔法使い”(1939年)のドロシー役でスターになった女優ジュディ・ガーランドです。彼女自身がバイセクシュアルでもあることをカミングアウトし堂々と生きたその生き様は、ゲイ・アイコンの代表的存在としてリスペクトされ続けています。そのジュディが亡くなったのがストーンウォール事件直前の6月22日。27日にはストーンウォール・イン近くの教会で葬儀が行われ翌日にNY警察の手入れがストーンウォール・インに入ったのです。彼女の死がストーンウォール事件のきっかけの一つだったことは間違いないでしょう。ちなみに、プライドパレードでは欠かせないシンボルソングである虹の彼方に(Over the Rainbow)はジュディの代表曲であり、レインボーのマークが多用されるのもジュディの影響が色濃く出ているのです。

ミュージカル映画 “オズの魔法使い”

エリックゼミが目指すダイバースな世界

レインボーパレードで渋谷を皆で歩いていると、沿道からたくさんの”ハッピー・プライド♪”の声援をいただきました。気になったのは、深く帽子を被り、サングラスで顔を隠しながら一生懸命に声援を送る人を多く見かけたことです。パレードにはメディアもいます。きっと、顔を出せない事情があるのだと。すごく悲しい気持ちになりました。ダイバーシティーの時代と言われる今、性的指向も自由であるべき。なのになぜ、人はまだ差別をするのでしょうか?LGBTQを支援する動きが活発になる中、私等は、性的マイノリティーの人達に対して安易に理解しようという名目で、どこか上から目線になっていないでしょうか?

まずは、アクションのスタートとしてエリックゼミは、LGBTQを含むセクシュアル・マイノリティ当事者の学生支援を入口とし、全ての学生や教職員が能力を発揮できる場となることを目指す全国の大学の関係者によるネットワーク「UDA(大学ダイバーシティ・アライアンス)」に、青山学院大学の教授である私が加盟、ゼミ全体で情報共有し活動していきます。目線を合わせ、LGBTQの人たちの居場所をつくり向き合うこと。そのためには、性的マイノリティを理解するためにゼミで勉強会を開催し、LGBTQの歴史や先行事例を学び、ゼミ内はもちろんのこと、様々な人と議論しながら小さくてもアクションを起こし続けることを目指します。そしてTwitterにて「青学エリックゼミLGBTQ+Ally ”beyond the rainbow”」を立ち上げ、微力ながら居場所を共に創っていきたいと思います。

エリックゼミ

Peace out,

Eric

青山学院大学エリックゼミ生たちと


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?