見出し画像

誰もが社会に貢献するシチズンシップになるために -「CLEANUP PROJECT IN SHIBUYA」の意味とは?-

“人生における今日は、いつも過ごしてきた過去の集積であり、いつも未来の一片である“とアメリカの画家グランマ・モーゼスは言った。理想的な未来を実現するためには、自律した個人が他人を尊重し、様々な社会課題に向き合う一市民として日々社会に参加しなければならない。これを企業に属する個人が一市民として地域に貢献するべきであるとIBMが宣言したのがコーポレート・シチズンシップの考え方だ。

米国では、当たり前のコーポレート・シチズンシップだが、日本では全く状況は異なり、まだまだコーポレート・シチズンシップの考え方が浸透していない。そもそも日本の教育は、偏差値偏重型の教育が主体であり、学生は社会貢献というマインドセットを持つ機会は極めて少ないのが現状だ。

今回、実施した「CLEANUP PROJECT IN SHIBUYA」は青山学院大学エリックゼミのゼミ生である森 慧太郎が主催する学生サークルHOUKLEAから始まった。サーフィンを楽しむサークルで、海に恩返しをしようと海の掃除を始めた。その範囲が遊びの中心地であり青山学院がある渋谷に広がった。そこに森が所属するエリックゼミが共催として加わり、ゼミとして学びと議論の場の提供と企業への呼びかけが始まった。大規模の掃除をした経験がなかったので、NPO法人のグリーンバードから素晴らしいサポートを受けた。8月に実施した事前確認には50名の学生が集まり、実際にゴミ拾いを行った。

エリックゼミでは、まずコーポレート・シチズンシップの理解を目的として、ブルックリンのコニーアイランドのビーチでごみ拾いしたことをきっかけに、シチズンシップ推進を展開する非営利法人 NY de Volunteerをニューヨークで創立した日野 紀子さん(現在はアバナードのコーポレートシチズンシップのリーダー)を迎えイベントを開催した。「コーポレートシチズンシップ/ 企業は、属する人は、社会においてどのように貢献すべきなのか」と題し、日野さんの経験とコーポレート・シチズンシップについて学びゼミ生と議論した。本場、アメリカとの違いに驚きながら、これから自分たちがどういう姿勢で企業で働き社会に貢献すべきかを考えるきっかけとなった。

もう一つ、環境という視点でゴミを考えるということで、「ゴミはなぜ出る?ゴミはどこへいく?地球の環境問題を考える」と題し、ゼミのEX(Environment Transformation)チームが環境問題についての現状と課題について報告し、議論するイベントを開催した。改めて環境問題をゼミ生全員で認識し、どう対応すべきかを考えた。

「CLEANUP PROJECT IN SHIBUYA」の実施は9月24日(土)の16:00から。台風の影響で天候が気になるところだったが天気予報は15:00から曇りの予報だったので開催に踏み切った。学生は約200人、社会人は、コーポレートシチズンシップに賛同する企業に声をかけ、3連休にも関わらずアバナード、アクセンチュア、マイクロソフト、PARCOの有志が参加し、メディアとしてエスクワイアが取材で同伴してくれた。

残念ながら予報に反し、天候は悪化し、掃除を開始して間もなく土砂降りになってしまった。社会人チームは、雨のなかできる限り掃除を実行した。渋谷のハチ公前から出発し、宮益坂を登るルートは、普段気づかないタバコや空き缶・瓶が節操なく捨てられていた。ゴミを拾い始めると、たとえ雨が激しく降り始めても止めることができなかった。それは同じ一市民として恥ずかしいという気持ちでいっぱいだったからかもしれない。土砂降りの中、宮下パークで皆が集めた雨でびしょびしょになったゴミを集めて処理した。不思議な達成感を覚えた。

今回の「CLEANUP PROJECT IN SHIBUYA」を通して、コーポレートシチズンシップ、環境問題を学び、大学生は就活前にこれから企業人として社会に貢献するマインドセットを、社会人は学生の奮闘を見守りながら行動することの尊さを学んだのではないだろうか。これからもエリックゼミは様々な社会課題に向き合い、学び、議論し、行動し、理想的な未来の実現に貢献していきたいと思う。
 
Peace out,
 
Eric

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?