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#3 面接で「自然体でいる」とはどういうことか

横溝エリカ(@HengGou_JinXia)です。
「1日1記事」3日目。
今日のテーマは「面接で『自然体でいる』とはどういうことか」です。
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 2月も下旬に入り、3月の背中が見えてきた。もうすぐ、就活が解禁される。多くの大学3年生にとって重要な時期だ。
 企業説明会に参加して、SPIを受けて、OB訪問して、グループディスカッションとかやって、そうこうしているうちにすぐ採用面接が始まる。

 私自身は院進学を中心に据えていたので、就活に力を入れていたわけではないが、それでもいくつかの選考に参加し、面接試験を受けた。
 私もそれなりに面接対策を考えていて、大学の面接練習に参加したり、先輩に助言を求めたりしていた。そして、誰もが口を揃えて言うのが、「自然体で臨めばいい」という言葉。
 ネットの就活情報サイトでも同じように指導されている。例えば、逆求人型就活サイト「OfferBox」の就活コラム「気合を入れすぎた就活生がやりがちなダメな面接対策」から引用する。

<面接において一番大切なことは自然体で話すこと>
面接において一番大切なことはズバリ「自然体で話すこと」です。
なぜなら面接官は選考に受けに来てくれた学生の本心、いわゆる「素」の部分が知りたいからです。入社後は一日の約1/3の時間を会社で過ごします。作った人格が崩れるのも時間の問題で、「素」の姿で結果を出せるのか、「素」の性格が自社の方針とあっているか、また、入社後活躍してくれるかどうかを判断しようとしています。 

 素の姿を認めてくれる職場で働くのが一番だから、面接でも素の姿―自然体―で過ごすべき、という意見は正しいと思う。
 しかし、私は、どうすれば自然体でいられるのか全く分からなかった。面接なのだから多少緊張するのは当然だが、緊張しながらも自然体を保つとは一体どういう状況なんだろうか。自然体とは、具体的に、どんな態度のことで、どんな発言をすることなんだろうか。
 私は、そんな違和感を抱え、就活時期を過ごしていた。自分と面接官の間に透明な壁があって、自分の言葉が届いていないような気がした。何より、自分の発する言葉が、自分の心から生まれた言葉ではなかった。自然体でいることが出来なかった。

 でも今では、面接で自然体でいることがどういうことか、少し掴めた気がする。きっかけは、ゼミの後輩との会話の中にあった。
 私はある大学院を受験し、無事合格した。大学院入試は、たいてい1次試験は筆記、2次試験は面接が課される。面接では、予め提出した研究計画書(研究テーマや研究の意義や動機、どう進めていくか等を書くもの)をもとに、先生方がいろいろ質問する。
 面接でどういう話をしたのか、その後輩に教えたところ、こんな言葉が返ってきた。

「ちゃんと対話になってますよね」

 ああ、そうだ。あの面接は、「面接」というより「対話」だった。
 先生方は、私が話した内容に、きちんと耳を傾けてくれて、言葉を返してくれていた。例えば、私の認識が甘い点に対して、ただ指摘するだけでなく、「もっとこうしたら良いのでは」と助言してくれた。また、私の研究計画書内容についてフィードバックをくれた。ちゃんと私の言葉が届いていると感じた。

 面接で自然体でいられるかどうかの違いは、自分と面接官との間に「コミュニケーション」が成立しているかどうかの違いだと思った。院試の面接でも、就活の面接でも、このことは共通しているはずだ。

 コミュニケーションが成立すれば、自然体でいられるのは当然だ。コミュニケーションはいつもやっていることだから。反対に、成立していない面接においては、こちらが一方的にボールを投げているだけのような感覚に陥る。社会性という人間の本質的特性から外れた行動をしているのだから、雰囲気に慣れることができず、自然体でいられないのも当然ではないか。

 ところで、コミュニケーションが成立しやすい、すなわち、自然体で臨める面接の決定要因はなんだろうか。
 私は、ずばり「相性」だと思う。
 身もふたもない答えかもしれない。しかし、結局は相性が良いかどうかによって、面接結果は最初から決まっているような気がする。

 では、相性の合う相手をどう探すか?大学院に限って言えば、私は説明会に行くのが一番良いと思う(なぜ大学院に限るのかは後述する)。
 私自身、合格した大学院を受験するに至った決め手は、説明会で感じ取った研究科の雰囲気だった。
 実は、私は他学部から受験した。大学院によっては他学部や他大学の人間を受け入れたがらないところもあるらしいが、この研究科ではむしろ歓迎しているように思えた。だから、「ここなら私を受け入れていくれるのではないか」となかば確信していた。実際、面接でも、受け入れられている、と感じることができた。要するに、相性があったのだと思う。

 もっとも、私が説明会だけで相性が良いと判断できたのは、大学院の説明会だったからだ。研究科の先生がほぼ全員参加する上、のちに同期となるであろう学生側も数十人程度しかいない。だから、入学後の雰囲気を大方推し測ることができる。
 一方、就活では同じように行かない。説明会に来ている社員はほんの一部に過ぎないし、何百人も選考を受ける中で、隣の参加者が同期になるとは限らない。説明会だけで決めるのは早すぎる。しかし、就活には説明会以外にも、会社を知る機会が多く用意されている。色んな機会を活用してはどうだろうか。

春から大学院に進学します。皆さまのご支援は、noteで発信を続けていくための資料や息抜きティータイムに使わせていただきます!