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49歳 異国でひとり暮らしを始める

私は現在49歳です。この”note”にいろいろと書き綴ることで、自分の今までのことを振り返ったり、自分と向き合ったりしています。

以前の記事でも書きましたが、この春から海外への転勤が決まり、異国でのひとり暮らしが始まりました。
こちらへ来てから、職場の方々にいろいろなことを教えていただき、なんとか毎日生きている…というレベルですが、日本ではなんでもなかったことの一つ一つが本当にたいへんで、慣れ親しんだ母国のありがたさを身に沁みて感じています。

残念ながら、現地の方との交流はまだほとんどありません。ですが、最近、ほんの小さな、でも嬉しい交流がありました。

休日の朝、部屋でくつろいでいたら、目の前の窓の外で何かが突然動きました。私の住んでいる部屋はかなりの高層階。周りからの視線がないので、恥ずかしながらふだんは裸に近いような格好でのんびりしていることも……その日はたまたまTシャツに短パンくらいな格好でしたが……完全に気を抜いていた私の前に、リフトに乗った作業員の方が二人降りてきたのです。

二人は命綱をつけて窓の桟に登り、窓を拭いたり玄関の外側にある植え込みを手入れしたりしてくれました。私はまだ現地の言葉が話せないので、日本語と身振り手振りで「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねると、笑顔で「OK!」の返事が返ってきました。めずらしいし、窓がキレイになっていくのも嬉しくて、写真を撮ったり、覗き込んで「怖い!」と言ってみたりする私に、笑顔を返してくれる作業員のお二人。

異国に来て、思うようにコミュニケーションがとれないもどかしさを感じていた私にとって、その笑顔は本当に嬉しくて、咄嗟に冷蔵庫にあった小さなジュースを「どうぞ、飲んでください!」と窓の隙間から手渡しました。現地語で「ありがとう!」と言いながら笑顔で手を振り、リフトで下の階へ降りていく二人。ほんの5分ほどの時間でしたが、笑顔で気持ちを通わせる時間がなんだか本当に幸せで、とてもとても嬉しい気持ちになったのでした。

日本にいるときもそうでしたが、生きていて幸せを感じるのは、誰かと気持ちが通じ合ったり、一緒に笑ったり、誰かを笑顔にすることができたりする瞬間。それは、言葉や習慣の違う異国では、さらに際立って感じられる気がします。

この国でも、小さな幸せをひとつひとつ積み重ねて生きていきたい…。



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