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木漏れ日の瓶詰め
ベッドから手を伸ばし、ノールックで頭の後ろのカーテンを開ける。
掛け布団を数十分こねくり回し、やっと起き上がる。
電源を入れっぱなしのスピーカーで、Men I trustの曲を再生する。
歯磨きをしながら部屋中に掃除機を滑らせる。
観葉植物をベランダに出し、霧吹きで水をかけてやる。
最近買ったスパティフィラムの葉っぱが1枚茶色くパリパリになっていた。左手でそっと撫でる。
根腐れじゃないことを祈る。
今住んでいる部屋は立地も広さもパーフェクトなんだけど、日当たりが良くないのだけが惜しい。
晴天でも部屋は薄暗く、朝から照明をつける。
昼食を食べた後、街へ繰り出した。
三条で降りて、カメラ片手に鴨川沿いを北上。
徒歩で出町柳を目指す。
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京都、たまにパリに見える瞬間があるんだけど私だけ?
草のみずみずしい緑色と、水彩のような淡い空の色が似ている気がする。
鴨川には色んな人がいる。
等間隔に並ぶカップルはもちろん、チャリを停めて日陰でガチ寝している人、大学のよさこいサークル、モルックやペタンクなどマイナースポーツを楽しむ人…多様性。
ピアスバチバチ金髪ギャル2人がピクニックシートを広げ、キャンバスに黙々と絵を描いていたのが良かった。
私は「住めば都」を地で行くタイプで、今まで引っ越したどの街も好きになったし、住む場所への執着もないと思っていた。
でもここに来て初めて「この街になるべく長く住めたらいいな」と感じている。
京都は自分に合っているのだと思う。
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![](https://assets.st-note.com/img/1717295572767-VAaMduhuS0.jpg?width=800)
あっという間に出町柳に到着。
![](https://assets.st-note.com/img/1717304659465-XWfzcMRr8C.jpg?width=800)
お腹が空いたので、Google Mapでピンを立てていたカフェに初潜入。いつも満席と聞いていたのだけど待ち時間なしで座れた。ラッキー。
でも私が入店した直後、続々とお客さんが来る。
ただいま満席で…と店員さんが外で待つようお願いしている。
今日は暑いから、外で長時間待つのはしんどそう。
早く食べて席を空けよう。
入口にも店内にも植物が置かれていて、テーブルに降り注ぐ木漏れ日がとても綺麗だった。
木漏れ日を見ると、これを手でかき集めて瓶に詰めて、天気が悪い日に街へ撒いたり、たまに手のひらに出していい気分になりたいといつも思う。
グリルサーモンサンドを注文する。
大葉がいいアクセントで、貪るように完食。美味しかったな〜。
食事中の人間は本能が剥き出しで無防備だなとつくづく思う。三大欲求の1つに選ばれているのも頷ける。
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少しずつ日が暮れ、空は薄紫色。
帰宅すると、ポストに知らない人宛の郵便物が入っていた。配達員さんが住所を読み間違えたらしい。
とりあえず洗濯機の上に置く。
なんか重要そうな内容だし、明日出しに行こう。
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