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愛を込めて弁当を

私が料理人として働き初めて2年が経とうとしていた頃、

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楽しいと思えるまでの道のり

一度北海道を離れ、東京に出る決意を固めました。


管理栄養士を辞め、調理師学校も通わずいきなり料理の世界に飛び込んだ私は、基礎がまるで無く
「気合いでとうにかなるのはここまでか…」と気付いてしまったのです。丁度(念願の…!!)心強い後輩も育って来た頃でした。

日々の仕事に追われながら、独学で勉強(&実践)するのはなかなかにハード。
ならば思いきって''仕事''としてではなく''学ぶ''事に専念しようと、フランス料理の専門学校である''Le Cordon Bleu東京校''への入学を決めました。


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コルドンブルーは、午前中にシェフのデモンストレーションと座学を学び、午後(※午前午後は逆の場合も)には調理実習というスタイル。

贅沢なことに、食材はもちろん調理台、調理器具等が一人ひとつずつ与えられ、最初から最後まで自分一人で仕上げます。
食材も、仔羊に牛ヒレ、フォアグラ、トリュフなどなど……

「こりゃぁ…入学金が高いわけだ。」と心から納得しました。


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当時わたしが住んでいたのは、東横線・緑が丘駅から歩いてすぐ、築40数年のボロアパート。
大学時代の同級生で同じく管理栄養士の資格を持ちながら、建築士になるために上京していた''さくちゃん''の家に転がり込みました。

二人とも、下積み時代真っ只中。
お互い色々と苦労は多いながらも、6畳1Kシングルベッドで身を寄せ合いながら、夜な夜な夢を語り合ったあの頃を今でも忘れられません。
彼女がいたから、東京でも頑張れたのだと思います。

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学校では毎日調理実習がある上に、一人一品かなりのボリュームを作るため、流石に一人では食べきれず。
次の日少しだけ手を加えて、さくちゃんに愛妻?弁当を作ることにしました。



何故かくまもん。



食べやすさよりインパクトを優先した結果↓

鶏まるまる。


後にも先にも、こんな贅沢な愛妻弁当は作れないだろうなぁ。。
誰かのために愛情を込めて料理を作る喜びを、この時改めて感じられた気がしました。
おいしいものは、作る方も食べる方も幸せに出来る。


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その後わたしは北海道へ戻り、さくちゃんも晴れて一級建築士となり今も大活躍。
あの頃のように頻繁に会うことは出来ないけれど、夢を語り合ったり、お互いを応援する気持ちは今でも変わりません。



winemanにはさくちゃんを始め、家族や沢山の友達が食べに来てくれます。
中には、「絵里子がいなければフランス料理なんて食べに行こうと思わなかった」と言う人も。

私という存在を通して、「フランス料理っておいしい!楽しい!」と思ってもらえたなら、これほど料理人冥利に尽きることはありません。

料理を通して関わってきた全ての人達への感謝を忘れず、これからも料理を通して愛を届けていきたいと思います。

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