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【学校創り日誌】学校創りに踏み出したわけ:市民として編

(2023.07.28追記:Vol.3ではなくVol.4ですね)

今回は、冒頭は秦野の宣伝がメイン・・・かな(笑)
後半にもうちょっと社会貢献的な話をします。


秦野が好き

「どうして秦野に?」と聞かれたら、
「だって秦野が好きだから」と答えると思います。

正直な話、子どもの頃は秦野なんか【大っ嫌い】でした。
地元に縛られるのがとにかく嫌で、早く出ていきたいと思っていました。
当時、高校受験の学区が撤廃されたのは運命だったと思います。
母の勧めを振り切り、ご縁を感じた横浜の高校へ進学しました。

でも、私はいつでも「秦野の子」でした。
秦野弁は隠さないし、秦野は胸を張れる田舎だと実は思っていたし、
行くところ住むところ、どこに行っても私は「秦野って結局いいところだな」と思い知らされるのでした。

山に囲まれ生きる安心感

それを顕著に感じたのは、大学院生時代に日本語教師の教育実習としてシドニーに滞在した時でした。
自然に溢れ、多様性がうずまくシドニー。
大好きな土地だし、安心できる場所だと感じましたが、
ある日、地元の先輩がドライブに連れて行ってくれたビーチを見て、違和感を感じたのです。

見渡す限りの平らな土地。
まっすぐに伸びる水平線。
雄大さを感じるはずなのに、何かが足りない。安心できない。

そして、私が頭に思い浮かべたのは丹沢の山脈でした。

もしこの景色に、あの山々があったら。
なんてエネルギーに満ちた、どっしりとした安心感のある景色になるだろう。
海の街にそんなことはあり得ないのですが、そんな風に考えたのです。

私が一番好きな景色は、渋沢駅の北口を出てすぐの、丹沢山脈が出迎えてくれる景色です。
今は、目の前にビルができたりして踊り場に出ても山が削られてしまうのですが、駅から山々に向かって真っすぐ伸びる道を自転車で走るのが大好きです。(住んでる地域ばれるー笑)
なぜなら、山々が「おかえり」って言ってくれてる気がするから。
なんか、やばいヤツっぽい(笑)
でも、秦野の住民(特に渋沢駅エリアに住んでいる/住んでた人)はみんなそう思ってるんじゃないかな!?(え!?違う!?)

山々に守られている秦野盆地。
私たちも、その山々に守られている感覚って育まれてきたんだと思います。

東京・横浜まで「1時間半」の良さ

もう1つ、お気に入りのポイントは「1時間半あればどこへでも行ける」ところです。

これは、私が高校生の頃から「秦野って(笑)」という人々に説いてきたことです。

まず、通勤で考えてみましょう。
「通勤1時間半」って、文字面だけで見たらかなりしんどい…
でも、もしその1時間半、ほとんどの時間を電車で座ってられる時間だとしたら?
その1時間半を電車内で「朝活」「夕活」に充てられるとしたら?
案外、無理な時間じゃないと考えられませんかね?
(これは人によって「やっぱ無理!」と怒られます(笑))

毎日はしんどくても、もし在宅ワーク可能で週に1~2回の出勤なら案外いけるんじゃないでしょうか。
移住する際にぜひ検討してみてほしいです。
(ちなみに私は通学・通勤1時間半を経験しましたが、何かに没頭したりするのにちょうどいいくらいでした。今は2時間かかっていますが、そうなるとさすがに体力がしんどいです…笑)

次に、観光で考えてみましょう。
秦野からなら、箱根に1時間弱で行けます。(ドヤリ)
新宿にも電車一本で1時間半で行けます。
乗り換えあるけど、横浜にも1時間ちょっとで行けます。
なんなら、車使えばディズニーランドにも1時間半で行けます。
山梨のキャンプ場?1時間半で行けます。
伊豆?地域によるけど1時間半~3時間で行けます。頑張れば日帰り可です。

ちょっと現実逃避したい時に、片道1時間~1時間半使えば現実逃避できる観光地がたくさんある。
これって、子育て世代には結構大事なポイントだと思うんですが、いかがでしょうか…。

まあ、戸川公園とか山とか行けばそれだけで現実逃避できるんだけどね(笑)
海が遠いのだけが難点だけど、川があるから…!

秦野の多文化共生

秦野の外国籍住民

秦野市の人口について調べてみました。
秦野市の報告によると、2023年4月の段階で全人口は161,279人。
外国籍住民に関する統計データは神奈川県のデータを参考にして、2023年は4,050人。
全体の約24%が外国籍住民だそうです。

コロナ禍で外国籍住民の数は一時減ったりしたようですが、近隣の他の地域を含めは数十~数百人程度の増、秦野も300人程度の増となっています。

体感としても、街を歩いていて外国籍っぽい人増えたな~という感じ。
データには数えない、必ずしも外国籍ではない人、外国につながる子どもたちも、その分増えているのではないかと考えています。

秦野の多文化共生

秦野は多文化共生に関する活動団体がいくつか存在しています。
たとえば、上智短期大学と連携して行われている日本語学習支援もその一つです。(数年後に閉校になってしまうのが残念・・・)
地域住民のための日本語教室もポツポツありますね。(連絡してみようかな…)

でも、なんとなく盛り上がりに欠けるような…。
正直、意識して見なければ、だれが、どこで活動してるの?という感じです。
(学生時代に秦野の国際交流協会に登録もしていたのですが、音沙汰無くなってしまったので再度登録し直してみようかなと思います)

国際交流に興味がなかったり、働きに出ていて忙しかったり、子育てで忙しかったりする住民にとっては、なかなか目にすることのない情報になってしまっているんじゃないなかという印象ですが、でも、確実に活動している。
熱があるってことです。
こうした地域にインターナショナルスクールという多文化多言語、複文化複言語の環境を持ち込んだらどんな化学反応が生まれるだろう。
そんな興味関心もあります。

学校創立は地方創生に繋がる

保育制度の良いところ

これはあまり言っている人がいないのが意外なのですが、秦野の保育制度について明確に「素敵!」と思うポイントがあります。
それは、保育園選びです。

私は以前横浜の某区に住んでいましたが、いわゆる「保活」が必須で、人気園は待機児童で80人待ち、区役所では「見学に行ってなくても、裏面までとにかく書き出せるだけ書かないとどこにも入れないわよ」とアドバイスされる始末。
幸い、私は認可外保育園でもOKで、新設の園に滑り込めたので息子を予定通り預かることができましたが、保育園の特色を気にする余裕なんてほぼありませんでした。

しかし、秦野は全く逆でした。
保育園の入園希望申請書の園名を書く欄は4つしかない…
なぜなら、「保育園の保育方針をしっかり見極めてから入園してほしいから」でした。
秦野では、入園を希望する園には見学が必須で、必ず先生と面談をしなければなりません。
転園が原則認められていないという事情もありますが、家庭での教育方針と、園での保育方針が一致しない場合はお互いに不満を持ちながら過ごすことになってしまうし、何より子どもにとっていい環境ではないという理由があるそうです。

これは本当に素晴らしい方針だと思いました。

ある保育園では、「うちの園は年中半袖が原則なんですけど、おうちでも一貫してできる方に入園していただいています。おうちと保育園と環境が違っちゃったら、子どもがしんどいじゃないですか。」と明確に伝えてくれました。(とても魅力的な園だったので私は構わなかったのですが、夫が極度の寒がり&新築の家に入れた床暖を使いたかったので断念しました…)

そのため、保育園1つ1つが個性が強く、魅力的な保育園だなと感じました
メモを取りながら5~6園回りましたが、メモがぎっちりになるほど特色があって、入園関係なくてもあちこち見てみたいと思うほどでした。

魅力的な保育園に対する画一的な小学校

でも、こんなに保育園はじっくり選べるのに、小学校はほぼ公立に進学。
特色のある保育を受けても、結局はいっしょくたになってしまうのです。
これはもったいない。
色々な方と話をしているとこれは秦野だけの課題ではないようですが、市内の小学校がもっと個性的になるとか、見学可能とか、多様性を認めるようになってくれたらもっと良いのにと思っています。

秦野に「インターナショナルスクール」の意味

学校が個性的になると何が起こると予想できるか。
わかりやすいところで言えば、「秦野にこんな学校があるらしいよ!」という噂が生まれ、もしニーズに合うなら移住につながります。
子どもを伴う移住なので、秦野の人口問題だけでなく少子化問題にも貢献できる可能性が生まれるでしょう。

地元住民にとっても、「なんか今の学校合わないんだ」と考えている子どもたちや、「こんな雰囲気の学校ならもっと楽しく通えるかも」と思っている保護者の方の選択肢が増えます。

正直なところ、教育の選択肢を増やすという意味では「インターナショナルスクール」は手段の一つにしかなり得ません。
しかし、今のところ「インターナショナルスクール」は明確に市内にある学校とニーズやシステムが異なります。
今は学区内の学校ほぼ一択(お金と時間があれば別)なので、将来的には「インターナショナルスクール」に限らず、もっと色々な種類の学校(あるいは教育を受ける手段)が広まることで、何かが明るくなることがあるんじゃないかなと思います。

今こそ「グローカル人材」

最後に、秦野にUターンをしてきて感じた昔との違いを背景にして、秦野を選ぶ理由についてお話します。

私が子どもの頃に感じていた秦野(の大人)は、もっと閉鎖的で、The田舎!という雰囲気でした。
しかし、SNSの影響もあってか、ここ数年の秦野市民、特に自分の年齢±10歳くらいの方々はなんだか熱いな!と感じます。
「秦野を変えたい!」「秦野を盛り上げたい!」と、行政も市民も、それぞれができることに向き合って取り組んでいる印象を受けています。

そんな街だからこそ、「グローバルな視野をもち、ローカルに貢献する人材」である「グローカル人材」を育成するのにぴったりなんじゃないかと思うのです。
グローバルを意識した学びと、どのように街を盛り上げるかの学びの両方がこの街では期待できるのです。

私が目指すのは、「リーダーの育成」を掲げる学校ではありません。
1人1人が自分の強み、できることを発見し、自分に関わりのある場所やもの、ひとのために何ができるかを考え、行動する。
そのためには、必ずしもリーダーである必要はなく、もしかしたらサポーターかもしれないし、伝達者かもしれないし、記録者かもしれないのです。
自分のできる(できそうな)ロールモデルと社会の中でつながり、自らの道を歩んでいく。
秦野には、そんな子どもたちと繋がれる多様なロールモデルが存在しているように感じます。

おわりに

秦野は、山々が与えてくれる安心感と、多様性にあふれるにぎやかさ、そして地元住民の熱さにあふれる街です。

そんな秦野がより盛り上がるように、そんな秦野で育つ子どもたちが未来を自ら切り開けるように、私にできることを模索して実行していきたいです。

そんな学校ができたらいいな、なんか興味あるなと思う方がいたら、コメントをお待ちしております。

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