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中村佳穂のLIVEWIRE配信、とてつもなかった

※※※配信ライブの内容を書くので、見たくない方はご注意ください。※※※


中村佳穂ちゃんが本日9月12日に配信したLIVEWIREでのライブ配信を観た。タイトルにも書いたけど、もう本当にとてつもなかった。


自分はもともと3月に行われるはずだったヒューリックホール東京でのワンマンライブに行く予定で、楽しみにしていたんだけどそれが見合わせになってしまって、とてもがっかりしていた。でも今日の配信はそのマイナスの気持ちを一気に吹き飛ばしてくれるような、本当に目覚ましいものだった。


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では、内容を。今回の配信は映像監督の林響太朗さんが手掛けていて、最初から最後までワンカットで撮影。アンティークな家具と色とりどりの草花に囲まれ、朝日や西日のような暖かいライティングに照らされた部屋で、彼女は1時間程度のライブを繰り広げた。

序盤はピアノの前に座り弾き語る佳穂ちゃんの表情や手の動きを、彼女の左側からカメラで追っていく。柔らかな手つきから生まれる、リズムもメロディも大胆にアレンジされたサウンド。時に笑いが零れながら、時に誰かに話しかけるように歌われるメロディ。ピアノを弾きながら椅子の上に足を置いたり、両膝を胸に引きつけて体育座りをするような格好になったりする、身体的な動き。もう、ありとあらゆるところから“自由”が溢れている。ワンカットかつずっとヨリだからかこちらも息つく暇がなくて、意識がどんどん画面に吸い込まれていった。彼女のライブはアレンジがその時々によって違う気がするからまさに“一期一会”だな、と思っていたけれど、今回の配信もそうだった。

それから、中盤の「忘れっぽい天使」からの「You may they」の流れも良かった。糸を引くようなファルセットでしっとりとした余韻を残した後、突如口で高速ビートを刻み、それに合わせてハイテンポで伴奏を繰り出すというこの2曲のギャップには、「さすがは中村佳穂……」と絶句してしまうくらいの衝撃を受けた。またここのカメラワークも素晴らしくて、「忘れっぽい天使」終わりではかなりのヒキで彼女を映し、高速伴奏が始まると同時にゆっくりヨリに戻して、この場面のドラマティックさを引き立たせていた。

……それにしても「You may they」、力のこもった速弾きと半ば感情的な発声で、かなりエネルギッシュに聴こえたなぁ。個人的にはとても好きなアレンジでした。この配信ライブのハイライトの一つです。


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ハイライトといえば、後半のハンドマイクでの歌唱もそう。立ち上がったと思ったら急にしゃがみこんで足元にある飾りを手にとったり、絵本に目を通したり、メモに何かを書いたりしながら繊細な歌声を響かせる。流麗な弦楽器や性急なドラムなどが入り混じった厳かなサウンドが流れる中、笑い声をあげつつカメラと戯れるように歩き回る姿も印象的だった。

加えて驚きだったのが、彼女の移動に沿うように登場する独楽の演出。おそらく電動だと思うんだけど、メモ書きをしている彼女にギリギリまで近づいたり、手の動きに合わせて左右に走ったりして、ある種の“怪しさ”、不思議さのようなものを醸し出していた。サウンドも相まってか、もう本当に異空間のようだった。佳穂ちゃんは気ままに徘徊しているように見えたけど、実は入念な打ち合わせやリハが行われていたんだろうな、と終演後に思った。

次々に押し寄せてくる驚嘆の波にポカーンとしているいち視聴者を差し置き、佳穂ちゃんはいつもの「love you!」でにこやかにライブを締めた。全体的にとても芸術的で、まるで一つの長編MV、いや長編映画、いや長編劇?を見せられているかのような気分になる配信だった。個人的に、今まで観た配信ライブの中でこれは一二を争う。



アーカイブが10日間くらいあるので何度だって観返してやろうと思います。いやー、本当に良い配信ライブだったな。中村佳穂ちゃん、今後も楽しみにしています。



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