㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画
昨年11月に封切られたマル秘展、タイミングを伺っているうちに美術館がクローズしてしまった。そうして観られなかった展示がいくつかあった。マル秘展、観たかったな・・・と思っていると、なんと嬉しい会期延長の知らせ。事前予約制ということもあって混んでいるところを飛ばしても戻ってこられるので、じっくり観られて満足度も高かった。気付いたら二時間経っていました(本当は、最大90分程度を目安にとアナウンスされています)。
私たちの身の回りにあるものは全て完成形なわけで。そのうちデザイン段階の裏側を垣間見ることのできる本展、とっても刺激的でした。自分が特に好きだなと思った展示物は写真におさめてきたので記録しておく。
川上元美(デザイナー)
ミニチュア・モデル 1/5
ただただ、ミニチュアが好きです。
松永真(グラフィックデザイナー)
ベネッセコーポレーション
子どものころの思い出、進研ゼミ。なぜか昔からベネッセのロゴマークが苦手です(笑)
紀文素材缶
中身がパッとわかる明快な感じがいいな。1970年後半のものでややレトロな印象があるけど、今店頭に並んでいても違和感はなさそう。
写真右手に見切れているタバコのパッケージも好きでした。
伊藤隆道(造形家)
まち針で出来たケセランパサランみたいでかわいかった。
内藤廣(建築家)
25673 3.11のオマージュ
自然災害やパンデミック、戦争や紛争の犠牲者数をあらわす数について。ドットを打つことで、一人ひとりに想いを馳せることに一歩近づけるのかもしれない。
糸満の、平和の礎のようなものは必要なのだ。さらにはひめゆり平和祈念資料館の顔写真のような。各自が生きていたことの証。
デザインの領域の再構成
こういう整理が私はとても苦手なので、少しでも見習いたいと思った。
面出薫(照明デザイナー)
スケッチの数々。こういうのを見ると憧れが募ってしまう。さらっとスケッチできたら、私の字だらけの旅ノートや手帳も楽しくなるのにな。
東京駅丸の内駅舎
東京駅の駅舎、本当に好きなんです。
須藤玲子(テキスタイルデザイナー)
折り紙織
紙を折った時のパッキリした直線を布に転じることのみずみずしさ。
織物って途方もなくて着られないんだけど美しくて尊い。
これは赤いリボンをオーガンジーでサンドして、リボン上を縫い留めているテキスタイルだった。ずっと見ていられる。
須藤さんの展示物からは、アイディアの具現化と試行錯誤、何より素材への信頼を感じた。熱して造形する素材とかあって、この発想に絶対敵わないと思った。
佐藤卓(グラフィックデザイナー)
ある一日の予定。綿密というかただただマメな性格を垣間見た。私もまたほぼ日手帳が使いたくなった。来年の手帳、5年ぶりにほぼ日にしようかな。というのはどうでもよくて、佐藤卓さんのデザインには繊細さもダイナミックさもあるけど意外なくらいコチョコチョとやってるんだなと思ったら楽しくなってしまった。
A6?B6?よく覚えていないけど、小さくカットした裏紙の束も展示されていた。佐藤さんの展示が一番親近感あったかも。すごい人なのに。
原研哉(グラフィックデザイナー)
アートポスターのためのスケッチ
竹尾ペーパーショウは会社に入ってから欠かさず観に行っている。また資材の仕事したいな。
山中俊治(デザインエンジニア)
Cyclops
Twitterで話題になっていたこともありいちばんの目当てだった。山中さんのスケッチは美しすぎていつまででも眺めていられる。
大学時代からの友人に山中ファンが多く、私もすっかり影響を受けている。
INSETTO
スケッチの動画も公開されてます。
新見隆(キュレーター)
このスペース、わくわくが止まらなかった。展示会のチケットや飛行機の機内でもらうプラスチックのカトラリー(航空会社のロゴが入っているもの)、ビーズの指輪や謎の人形、割り箸の袋などなど私が集めてしまうものとおんなじ。
平野敬子(デザイナー)
小沢健二との仕事。レコードやCDジャケット、ポスター、各種印刷物は見ているだけで楽しい。紙ものがいいと手元におきたくなる。
ペーパーレスの現代、こうバインダーに綴じられインデックスを貼られているのを見ると、感慨が。なるほど、時代が変わろうとやっぱり紙なのですね。
以上、私が惹かれた展示物紹介でした。ミッドタウンのHERBSでメロンのショートケーキ食べて帰ってきた。友人にも久々にリアル対面できて嬉しい一日だった。
ケーキもまた造形美ですね。