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ひとり客向けバスツアーで美術館に行く体験談



今回は『ミュージアムで会いましょう』の番外編として、ひとり客向けバスツアーで美術館に行ってみた感想を記しておく。
この記事も『ミュージアムに会いましょう』に収録する予定だったのだが、ミュージアムがほとんど関係ない内容になってしまったため、『ミュージアムで会いましょう』シリーズではなくお出かけ記録として書いた。

ひとり客向けバスツアーに行ってみたきっかけ


まず、私が、なぜひとり客向けバスツアーに参加したのか述べる。バスツアーに参加しようと思ったらちょうどいい日程がひとり客向けだったという単純な理由である。
ミュージアムにまつわる同人誌を製作していたため、美術館を目指すツアーに参加したかった。ツアー行程に食べ放題が含まれていると、ひとりでは盛り上がらなくて寂しいため、食べ放題が含まれないツアーがよかった。
該当するクラブツーリズムのウェブサイトから申し込み、クレジットカード決済をした。
「ひとり客向け」という部分を深く考えて申し込んだわけではなかったのだが、ツアー催行のお知らせや、日程表に細かく「ひとりでお越しください」と書かれていたので驚いた。
ひとり旅同士でバスツアーに行きたい、という需要はそれなりにあるのだなあ。
と同時に、これだけ旅行会社がしつこく「ひとりでお越しください」と書くということは、「ひとり旅としてのツアーにふたり以上で行っちゃえ~」という人が存在するのであろう。おそらくその人はひとりで旅をしたい人の気持ちを理解していない。

余談ではあるが、私もどこでもひとりで行くタイプなので、ひとりでバスツアーに参加したことがある。うどんが好きなので、香川のうどんツアーに行ってみた。
すると同乗した女性グループから気を遣われ、あれこれ話しかけられた。私は、複数人で来ている人と、私を比べて寂しいと思うことはないのだが……。何かやむを得ない事情でひとりで参加したと思われたのかもしれない。
これはあるあるの話のようで、私と同じくひとりでどこへでも行く知り合いは、ひとりでバスツアーに参加するとよく話しかけられるのだそうだ。
こうなってくると、ひとり旅に理解がないというより、価値観が違うというのが正しい。人間がひとりで行動しているだけで寂しいと思う人はいるのだ。

準備


バスツアーに参加するのは久しぶりなので、持っていくものを用意した。
ひとつは酔い止めだ。私は子供ころから三半規管が弱く、長距離移動のときは必ず乗り物酔いする。
あとは、移動中の暇を潰すもの。スマホ画面を見ていると酔うし消耗するので、音声のものが望ましい。
青空文庫の朗読音源、ポッドキャストなどをダウンロードしておいた。
YouTubeプレミアムのオフライン機能も使おうかと思ったが、ダウンロードデータが大きすぎたので断念した。

着る服は、動きやすく、ある程度きっちりしたものにしたい。
細身のシルエットのTシャツに、レーヨン生地の薄手のシャツを羽織って腕まくりをした。
下は暑さに備えてロングスカートである。
日よけのサングラスも用意した。

駅への集合


当日、大阪某所の駅に集合した。
ひとり旅向けのプランなのに、その場で仲良くなって話しているおばさま方がいて、コミュ力……となった。
私はいかにも人見知りそうなオーラが出ているからか話しかけられなかった。よかったような、悲しいような。
みんな集合が早かったようで、バスは早めに出発した。

ひとり客向けのプランであるゆえに、2列ずつ並んでいる座席をひとりで使える。荷物を置いたり、寝転んだりできる。



道中寄ったサービスエリアで鹿ジャーキーを食べた。
にんにくのきいた、がっつり系の味だけどほのかに野性味がある。80calと低カロリーなのでそこもありがたい。

城崎温泉でご飯を食べる

城崎温泉でご飯を食べた。「さんぽう西村屋」というところ。
公式サイトによると、江戸時代から160年以上続く城崎温泉の宿らしい。「さんぽう」は商いの倫理としてよく出てくる「三方よし」から取っている。
レストランは、但馬牛や地元の野菜を使った料理を武器としている。
しかし公式サイトの文章が、エモーショナルな方へ降りきれていて読みづらい。沿革、会社の基本方針をきっちり分けて書いてほしい。




甘酒だったり、お造りだったり、鶏肉の焼いたのだったり。
いい感じのご飯……。おいしい。
みそ汁に牛肉が入っている。ぜいたく~。
和食中心だと重たくなくていいなあ。これでも普段の食事よりはだいぶ食べているが……。
店員さんがフレンドリーで、普段高い店に来ない私はビビっていた。しかしお客さんと話し合う姿はほほえましかった。
おしながきを見ながら、こういうところで出てくるのは無農薬の野菜だよなー、逆に農薬使いまくったらどうなるんだろ? とどうでもいいことを考えた。
もちマスの南海太郎朝尊(※私の刀剣乱舞の好きなキャラ。もちマスは俵型のぬいぐるみシリーズ)を出そうと思ってたけど何となく気圧されてやめてしまった。
ご飯食べてからお腹痛くなって大変だった。
食事を終えたあと、ガイドさんに「食事は足りましたか?」と尋ねられた。「足りましたよ。むしろ多いくらいです」と答えた。旅行を企画する側にとって、食べ物が足りるかは大事なのだろう。

城崎温泉を散策する


見た目はいかにもな温泉町で面白い。日本建築の清楚さと、観光地の俗っぽさが交じり合うような町だ。


町の中に川が流れ、何度も橋を渡って移動する。中には柵のない橋もある。酔っぱらっていたら落ちそう。
散策の時間があまりなかったので、お風呂には入れなかった。見るだけだが、温泉施設の建物がどれも独特だ。こういう建物を作るのはお金がかかる。儲かっていた人が立てたのだろうか
12時前後は潔く昼休みを取る店が多いらしく、店に入りたいと思っても入れなかった。観光客もそれほどいなかった。夏休みが終わったからだろうか。
わずかに開いているお土産物屋で水とおかきを買った。
ぶらぶら歩いているだけでも楽しかったからいいのだけれど、観光するなら真昼はは避けた方がいい町だなあ。

美術館に行く

そんなこんなで森の中の家美術館につきました!
えーとね、美術館としてはあまり面白くなかった……。地元民の人すみません。
とはいえ絵に罪はないので、絵はがきを三枚ほど買った。絵はがき1枚110円だった。今どき1枚110円の絵はがきって安くないだろうか。だいたいミュージアムショップに売っているのは150~200円くらいだ。
ちゃんと、水彩紙っぽい質感の紙に水彩画が印刷されている。グッズの細かいこだわりはいいよね。
京都の蓮と、菖浦と、
展示が植物画がテーマだったため、ボタニカルな絵はがきがたくさん。私は植物絵が好きなんだよなあ。
あと併設のレストランでスムージー的なものを飲んだ。660円くらいだったかな?



甘酒とブルーベリーが混ざった飲み物らしい。すごく鮮やかな紫。
おいしいけどがっつり甘いので、長く口の中に甘みが残った。甘酒なのでお酒の味がする。
滞在時間に余裕があったのでだらだらしていた。ぼーっとするにはいいところだなあ。ツアーの他の人も時間を余らせたのか、レストランでコーヒーやジュースを飲んでいた。

バス中でしていたこと
バス移動は乗り換えや乗り過ごしがないので楽な一方、移動中がとても暇である。
私は音楽プロジェクト「ミルグラム」のドラマトラックを聞いていた。
あとは少しずつ文章を書いたり、ネットサーフィンしたり。
次の日に疲れを出すのが嫌なので、なるべく目を閉じてリラックスするようにしていた。


晩ごはんを途中のサービスエリアで取ろうとしたら、テイクアウトの選択肢が少なくってあなご巻を買うしかなかった。980円くらい。
まあ、太巻き好きだからいいか……。
申し訳程度にダカラの野菜ジュースを買う。
そんなこんなで大阪に返ってきた。お疲れさまでした。

まとめの雑感


久しぶりのバスツアーで楽しかった。
やっぱりバスは途中寝ててもいいから楽なんだよな……。
また予定が合ったら行きたい。


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