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生きかえる って時

ずっと、お昼の支度が面倒でした。
毎日、ごはんどうしようかなと気になるし。
舅の分をパッパと作れる時はいいんだけど、そんな日ばかりじゃない。
パンでもかじっとけよと捨て台詞を吐きたい日もある、そんな日ばかりだけど。
同居を辛いと思うのは、ほぼ、食事作りから発生しているような気がします。
でも、まぁ、そんな日々も20年越えちゃうと、開き直りも芽生え、おにぎり2個だけおいて、いってきます~という、知らんがな術も身に付くのです。
しかし最近は足腰も弱くなり、舅の楽しみは食べることだけ、あれたべたい、これたべたいとなるんですよね。
特にテレビでみたものを中途半端に覚えてて、それを言うんです。
昨夜は、なます、でした。

なます食べたいわ。
は?大根?
ちゃう魚のなますや。
そんなん、ないわ。
しらす、ちゃう?
そうや、しらす丼ぶりや。

そんなんばっかり。
キッパリ、無視します。
でも、この食べたい物を言い残したままぽっくりいかれたら、しらす見て一生後悔するんもいやなんで、近いうちに現実化するよう努めます、覚えていたら、ですがね。

お昼ごはん問題にもどります。

おもいきって近所にある惣菜屋さんに相談してみました。
お弁当って、配達してもらえますか?
昼間、舅がひとりで、と、恐る恐る尋ねました。

大手のお弁当屋さんには、毎日の契約注文じゃないと宅配はお断りしてます~と、あっさり断られ、ここが最後のとりで。

いいですよ、近いし。
(おばさん一人で切り盛りしているお店)
お昼過ぎる時もあるけど、大丈夫?
(寝てばっかりやし我慢できるやろ、待つように言おう、ぜいたく封印や)
大丈夫です、お願いします。

よかった、快く引き受けてくれた。
もつべきものは、近くの惣菜屋さんやなぁ、と、週三回宅配にしました。

月、水、金。
私の仕事の日にあわせ、お弁当や巻き寿司、きつね丼という変わりメニューもあったり、
(甘辛揚げさんをごはんの上にのせてます)
鯖寿司やら、海鮮いなり寿司なんかも。
舅だけではなく、私のお昼も便乗注文しておいて、仕事から帰ったら食べるのが楽しみになりました。

なんだか、私の気持ちにも余裕がでてきて。
なにより、この味生きかえるんです。
ほんわか、あったかい味がするんです。

ここ最近、なにも食べたくなくて喉が通らなかった日もあったけど、ここのごはんだけは食べれました。

わたしも、いつか、だれかのそんなごはんになれる時がきたらいいなぁと思います。