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#26 お便り送っとけます

好きなダンサーさんのとある動画投稿をもう一度見たくて、instagramの「保存済み」コレクションを遡っていたら昼休みが終わった。

  この時期はK-POPよく聴いてたなあ。
  コンペで映えるメイク頑張って研究してたな。
  買おうか迷ってた服、懐かしっ。
  新しいタトゥーのデザイン
  考えるのワクワクしたなあ。
  粗品、若っ。

SNSでいつものタイムラインではなく「保存済み」欄を見返すのは、思い出を自らの外に求める行為だ。
すべてが他人事であるはずの投稿群からは、かつての私の興味や好意の残り香がそれでも確かに感じられた。
その時々でグラデーションを変化させながら、ダンスやお笑いやファッションに対する一途な憧れが、それぞれを煮詰めて固め直したかのような濃厚さで正方形に切り取られ、所狭しと並んでいるのだった。

たくさんの寄り道の末、ようやく探していた動画にたどり着く。
数年前に初めて見たとき”魔法みたいだ”と思って保存した動画は、今では解像度がずいぶんと上がって見えて、”なるほどこういう重心移動で...”
”ここでヒット入れて緩急付けてんのか〜、洒落てるわ”といった具合に身体の使い方がなんとなく想像できるようになっていた。
(再現できるとまでは言えないけれど)

気まぐれに自分のinstagramのインサイトを開くと、これまでの色々な投稿で栞のマークが数字をたずさえて黒く灯っていた。
それはかつての私もまた誰かの記憶の1欠片として刻まれているかもしれないことを示唆していて、実際に、きっとすごく丁寧にことばを選んでくださったお手紙やダイレクトメッセージを頂戴したことも少なくなかった。
手垢のついた喩えだけれど、このSNSの海の中で私を見つけてくれて、見つめていてくれる人がいることに感謝の念が絶えない。

最終的には誰からも忘れられたいと思っているけど、これからもあなたをがっかりさせないといいなと思います。

誰かの言う「特別になりなさい」「個性を売りにしなさい」「誰もやっていないことをしなさい」…そういう種類の言葉に胸の鼓動が早くなる時、どうか一度「本当にそうかな?」と胸の奥で聞き返してください。

きっとみんな、特別になりたいという気持ちを持っている。
だけど、その欲望だけに踊らされたら、それ以外のあなたのたくさんのいいところがかわいそうだ。毎日会社にちゃんと行けるとか、満員電車を耐え抜いているとか、平凡なツイートをたまにしていることとか、それに別に誰からも反応がなかったこととか、冗談がうまく言えないとか、そういうの全部、SNSのネタになんかならなくていい、ただ単純にめちゃくちゃ良いところだと思う。今日のその目に映る世界は今日のあなたしか見ていない世界、それだけでなんて綺麗なんだろう。
だから、そういう少しずつの、一見地味な素敵さを、重ねて世界はちゃんと回っている。知っていてほしい。

戸田真琴 / 「SNSで死なないで」

さて、ちょうど1年くらい気の赴くまま適当に使ってきたnoteにここですこし味変を試みようと思っています。

以下のフォームから私にお便りを送れるようにしてみました。

聞きたいこと、逆に聞いてほしいこと、ご相談など
お答えできる範囲のことで何かあれば
(どうぞお手柔らかに!)送っといてください。
いただいたお便りは何らかの形で打ち返せるようにしたいと思います。
全然集まんなかったら最近見たダンスとかお笑いのことを書きます。
味変なし秘伝のタレ継ぎ足しで。

あとは私は調子がいいと週に20本以上ラジオを聴いてるくらいに音声コンテンツが昔から身近にあったもので、自分で録って配信してみるのもアリなのかなぁとかもぼやぼや考えています。

ともあれダンサー/インストラクター以外にも色々と動いているので、もしかして頻度は落ちてしまうかもですがこのnoteもダラダラ書いては置いていく予定です。

生意気を言うようですが、気長に更新お待ちいただけたら幸いです。


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