2023年の気候変動と自然保護における9つの進展

参考記事: 2023年に見過ごされたかもしれない気候と自然に関する9つのブレークスルー

1. クリーンエネルギーへの大きな支援

アメリカでは、インフレ抑制法(IRA)によりクリーンエネルギーへの移行が進みました。この法律は、温室効果ガスの排出を減らし、クリーンエネルギーの普及を支援するために多額の資金を投じています。2023年には、IRAのクリーンエネルギー投資が170,000以上の新しいクリーンエネルギー雇用を生み出し、今後10年間で150万の雇用を創出する可能性があります。

具体例: 電気自動車(EV)や太陽光パネルの製造が進み、消費者は新しいクリーン車両の購入で最大7,500ドルの税額控除を受けることができます。

専門用語の説明

  • インフレ抑制法 (IRA): クリーンエネルギー技術の普及を目指すアメリカの法律。主に温室効果ガス排出削減とエネルギー効率向上を目的とする。

2. 電力部門の排出量が減少

2023年、世界の電力部門からの排出量がピークを迎えた年になると予測されています。風力や太陽光などの再生可能エネルギーが普及し、排出量が減少に転じる見込みです。

具体例: 再生可能エネルギーの増加により、電力需要の増加を上回るペースで成長しています。

専門用語の説明

  • 再生可能エネルギー: 自然環境から無限に供給されるエネルギー(例: 風力、太陽光、水力)。

3. プラスチック汚染に対する訴訟の増加

使い捨てプラスチックに対する反発が強まり、プラスチックメーカーに対する訴訟が増えています。例えば、ペプシコは水質汚染で訴えられています。

具体例: ダノンが環境団体から訴えられた事例もあります。

専門用語の説明

  • 使い捨てプラスチック: 一度使用した後に廃棄されるプラスチック製品(例: ペットボトル、ビニール袋)。

4. アメリカ最大のダム撤去

オレゴン州とカリフォルニア州を流れるクラマス川では、サケの生息地を回復するためにダムが撤去されました。これはアメリカ史上最大のダム撤去プロジェクトです。

具体例: サケなどの生物が戻り、川の生態系が回復します。

専門用語の説明

  • ダム撤去: ダムを取り壊して川の流れを自然の状態に戻すこと。

5. 公海保護条約

国際的な協議の結果、各国は国の管轄外の海域を保護する条約に合意しました。これにより、2030年までに世界の海の30%が保護される見込みです。

具体例: 海洋生物の保護と海の健康が向上します。

専門用語の説明

  • 公海: 各国の管轄外にある海域。国際法に基づき、全ての国が利用できる。

6. 森林に配慮したEUの取り組み

EUは、森林破壊につながる商品や製品の輸入を停止することを決定しました。これにより、輸入業者は商品が森林破壊に関与していないことを証明しなければなりません。

具体例: 森林破壊が減少し、地球の緑が守られます。

専門用語の説明

  • 森林破壊: 森林を切り開き、土地を他の用途に転換すること。これにより生態系が破壊される。

7. アマゾンの森林破壊のペースが鈍化

ブラジルでは、新たな政権が違法伐採を監視する措置を講じた結果、アマゾン熱帯雨林の森林破壊のペースが大幅に低下しました。

具体例: アマゾンの多様な生物が守られます。

専門用語の説明

  • 違法伐採: 法律に反して行われる木材の伐採。環境破壊や生態系の損失につながる。

8. ブラジルにおける先住民の権利の擁護

ブラジルでは、先住民の伝統的な土地に対する権利が認められる画期的な判決が出ました。これにより、他の先住民グループの土地権利も保護される可能性があります。

具体例: 先住民の生活と文化が守られます。

専門用語の説明

  • 先住民: その地域に元々住んでいる民族。彼らの権利は国際的にも保護されています。

9. 脆弱な国々への気候変動対策資金

2023年は、干ばつや洪水などの被害を受けやすい国々に対する支援が増加しました。COP28では、気候変動による損失と損害に対する基金の設立が合意されました。

具体例: 干ばつや洪水などに対処するための資金が提供されます。

専門用語の説明

  • COP28: 気候変動に関する国際会議。気候変動対策のための国際的な協力を促進する。


(関連情報)

インフレ抑制法(IRA)によるクリーンエネルギー投資

経済産業省の公式ウェブサイトによると、2024年4月18日に齋藤経済産業大臣がワシントンDCでポデスタ米国大統領上級顧問と会談し、米国のインフレ削減法(IRA)と日本のGX推進戦略のシナジー効果について政策対話を行いました。この対話では、クリーンエネルギー分野での協力強化と相互の政策を活用した投資促進が議論されました。ソース:https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240419003/20240419003.html

公海保護条約

外務省の「海洋生物多様性条約(BBNJ協定)に関する政府間会議の結果」によると、2023年2月20日から3月3日まで、ニューヨークの国連本部で開催された第5回再開会合において、「国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)」の条文案が採択されました。この条約は、公海上に海洋保護区域の設置や、海洋での商業活動に対する環境影響評価のルール化などを含んでいます。ソース:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/gic/page25_002017.html



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