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熊本・島原・長崎旅行(1):熊本へ

2022年11月17日から21日にかけての5日間、短期休暇を取って久しぶりに旅行へ行ってきました。近場の旅はあちこち行っていましたが、飛行機を利用するような遠出は、それこそ前回熊本~大分の温泉巡りをした2016年以来。なによりここ3年間の流行り病による閉塞感は、インドア派の自分にとってもなかなかのストレスだったようで、いざ腰を上げて計画を立て始めると遠くへ行きたい欲はすぐに高まってきました。

今回の旅の目的は、何を置いても今年5月に長崎県は島原へ移住した友人に会いに行くこと。観光というよりも、そもそも見ず知らずの土地、どんな町でどんな暮らしがあるのかを覗いてみたかった。そしてまた、まだ行ったことがなかった熊本の市街地や長崎市内を船や電車で順に回ってみることで、九州西北部の風景をグラデーションとして体感してみたかったというのがあります。

旅程としては、前半はソロ旅で熊本に1泊、翌日フェリーで島原港から上陸して島原で2泊、その途中で東京から来る友人グループと合流して長崎でもう1泊、その夜には長崎空港から羽田へというルートです。

例の「全国旅行支援」が利用できそうだったので、宿に関してはその前提で個別に予約していました。利用に必要なのは予約時の宿への確認と、当日チェックイン時の申請書類・接種証明(アプリ)・身分証明書の3点の提示。じゃらんや楽天トラベルなどの国内OTAは混雑によりかえって手間になりそうで、今回は利用しませんでした。なので航空券はまた別で、ANAのタイムセールのタイミングで羽田~熊本、長崎~羽田と片道ずつ押さえておきました。

このように4泊分の宿と飛行機の準備だけをひと月前くらいまでに済ませておき、行ったらどうするか、どこへ行きたいかは後から考える感じ。それより何より、直前に体調を崩したりしては元も子もないので、不用意な感染リスクを負わないよう慎重に過ごしていました。

羽田から熊本へ

17日、8:15羽田発のANA641便で熊本へ。幸いにして体調もばっちりで、天候も良く、まずまずの出だし。離陸直後に富士山がよく見えました。

乗ってしまえばあっという間で、1時間足らずでもう阿蘇の上空。何度見てもファンタジー映画のようなダイナミックな地形に圧倒される。

10時過ぎには熊本着。6年ぶりの阿蘇くまもと空港、前とずいぶん印象が変わったなと思ったら、現在は仮設の建物で、2023年完成予定の新ターミナルが工事中なのだそう。空港からはバスで市内へ向かいます。

それにしても、平日出発の旅。朝は乗り換えで京急の通勤電車に揉まれていたかと思えば、同じ日の午前中には熊本の畑のなかをバスに揺られているんだからおもしろい。日常と非日常は地続きで、行動を決めてしまえば簡単に境界を踏み出せるんだなと実感できるところが、旅の好きなところです。

昔の仲間に会いに行く

さて、宿のある熊本市内に向かう前にひとつ寄っておきたい場所があって、それがとあるフィットネスクラブの駐車場。そこに出店しているはずのキッチンカーでお昼ごはんを食べたい。陸自の駐屯地にほど近い「自衛隊前」というバス停で空港リムジンを下車し、少し歩きます。

お店の名前は「おっくんガーデン」さん。実は彼は10年以上前に南青山のWeb制作会社で働いていた時代の同僚で、数年前にご実家のある熊本へ移住してキッチンカーを開業されているのでした。以前からInstagramで動向は知っており、行ってみたいなと思っていたら、ちょうど出店スケジュールと今回の旅の旅程が合いそうだったので、急にお邪魔してみました。

自前の畑で取れた無農薬野菜を使ったベーグルサンドや、クラムチャウダーなどを提供しているかわいらしいお店で、地元密着型で精力的に出店されているそう。11時の開店と同時にみたいなタイミングでしたが、ひっきりなしにお客さんが集まってきていました。かつての職場の同年代の仲間が、全然違う業種で頑張っているのを間近に見て、元気をもらうと同時にいろんな生きかたがあるんだな…としみじみしてしまった。

Web業界での経験を活かしてSNSを使ったフットワークの軽い施策や、行き届いたデザインがいい感じのお店です。もちろんベーグルも美味しかった! Instagramにこまめに出店予定を出しているようなので、熊本のお近くの方はチェックしてみてくださいね。

熊本城

ランチも済ませて、まずひとつ目的をクリアしたので、再びバスに乗って市内へ。桜町バスターミナル直結の宿泊予定のホテルにキャリーを預けたあと、熊本城へ行ってみることにします。

目の前に見えており、徒歩で行ける

前回訪問時は震災の直後で、それこそ復興割を使って行ったくらいのことなので、当然お城のなかには入れず遠巻きに見学しただけだったのだけど、2021年から正式に「熊本城特別公開」として、天守閣を含めた予約不要の一般公開が再開されている。

といっても、復旧工事は依然道半ばで、特に主だった櫓などを含めて大きく崩れてしまった石垣の工事は今もまだ進行しているところです。なので、そうした工事の様子も含めて見学できるような観覧コースが新たに設置されています。たいへんな大工事だ。

崩れた石垣にはひとつひとつ番号を振って、往時の資料を基に可能な限り正確に復元していくのだそう。そもそもが高度な技術で一片のズレもなく緻密に組み上げられた石垣。無地のジグソーパズルの世界!

お城の内部はいわば熊本城資料館になっており、階を上っていくごとに、「隈本城」と表記されていた時代から加藤清正による大改築を経て現在に近い形となり、また西南戦争において初めて経験する実戦においていかに強固な守りを誇ったかなどについて、順序立てて解説されている。

しかしそれより驚くのは、決して直近の2016年4月の熊本地震が熊本城にとって初めての大きな地震だったわけではなく、過去に何度も地震だの火事だのの被害に遭っており、その度に蘇っているという点です。考えてみれば火山の多い九州のこと、地震被害は宿命であって、それでもこの城に愛着を持ち、この外観の維持にこだわる熊本市民の執念を感じる。

だから外観はあんなでも、内部は超いかつい耐震構造の鉄骨組みかつゴリゴリの最新バリアフリー設計に置換されていて、実際見学してみるとそういうギャップにエキサイトしてしまう。正直、お城そんなに興味なかったけれど歴史を知ればめちゃめちゃ面白いよ熊本城。

天守閣より、先ほど下から見上げた空中回廊が見える

KOKO HOTEL Premier 熊本

熊本城を見学したあと、アーケードのあるあたりをぶらぶら歩きながらホテルへ戻る。2019年開業のバスターミナル併設商業施設「サクラマチクマモト」内に今年オープンしたばかりのKOKO HOTEL Premier 熊本というビジネスホテル。

サクラマチクマモト全景

新しいのもそうなんだけど、何を置いてもバスターミナルと一体化していることによるアクセスの良さがポイントです。空港直通なのはもちろんのこと、翌日行く予定の熊本港のフェリー乗り場へもバスが出ているし、大抵のところはバスで行ける。市電(路面電車)の停留所も目の前だし、熊本城へは歩いて行ける。

部屋はこんなモダンな感じ。シャワーとバスタブも分かれているし、こんな快適ならもう何泊かしてもよかったな。素泊まりで1泊1万円はビジホにしては高めだけれど、今回は旅行支援の40%オフで6,000円で泊まれたうえ、熊本で翌日いっぱい使えるクーポンが3,000円分ついてくる。バグみたいな安さ。めちゃめちゃありがたい。

さっそく1枚使ってサクラマチの地下の和菓子屋さんで熊本の郷土菓子「いきなり団子」とわらび餅を買ってきて、いきなりティータイム。あとで熊本城を展望できる場所へ行こうと思っていたのに、12階の部屋から見えているからもういいか…となった。とても良かったです。

焼肉館 彩炉

夕飯は熊本ラーメンとどっちか迷って、Twitterのリプライでお勧めいただいた熊本ローカルの焼肉屋さんへ歩いていくことに。せっかくクーポンあるし、普段まったくしないひとり焼肉をしてみたい。

途中、お城のライトアップを見ながら。お城のない町に住んでいるので、こういう風景が日常の熊本市民はいいなと思いました。

お店はこんな。豪勢に行きたい気分はありつつも、もともとそんなに食べるほうじゃないし、まだ旅の初日なので定食で軽めに。画面に写っていませんがサラダバーが充実しており、だいぶお得感がありました。美味しかった。

熊本の夜

夜の街をのんびり歩きながらサクラマチまで戻る。熊本、ふつうに大都会で地元の都市部と特に変わらないなという印象を受けました。ただ前回訪問時に見られたブルーシート屋根の痛々しい震災の痕跡はもはや見られず、代わりに真新しいビルや住宅がボンボン建っている。

下界を睥睨する巨大くまモン

今回は翌日には島原へ向かうので、ほんとに通り過ぎるだけみたいな感じになってしまったけれど、次に熊本に来るときはバスなどを使ってもう少し郊外にも足を運んでみようかな。また温泉地巡りをしたい。

2日目へ続きます。


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