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『ニンジャオン4』へ行ってきた

6月23日に開催された、ニンジャスレイヤー非公式オンリー即売会イベント『ニンジャオン4』へ参加してきました。場所は東京・千駄木のレンタルスペース「千駄木露地」にて。

『ニンジャオン4』はその名の通り4回目のイベント。しかし過去3回…2020年12月31日の初回から、21年の『2』、22年の『外伝-VR忍殺島』のいずれもがWebサービスを使ったオンライン即売会であったのに対して、今回はシリーズ初の「物理イベント」です。

会場入口

ニンジャスレイヤーオンリーの歴史

そもそも、ファン活動が活発な「ニンジャスレイヤー」ジャンルにおいて、オンリーやプチオンリーにあたる自主的な同人誌即売会イベントは、過去何度も行われてきました。代表的なものを振り返ってみます。

  • ニンジャ文化祭(2013年)

  • ニンジャ万博(2014年、改善2015年、FINAL2016年)

  • ニンジャ収穫祭(2017年、in関西2018年)

  • ニンジャオン4(2024年)

このほかにも、夏・冬のコミックマーケットや、8回を数えた音楽イベント『HMC』などもありましたが、一定規模のオンリー、プチオンリーに限ってはこんな感じ。ある時期まではほぼ毎年行われてきたんですね。2018年以降空いてしまったのは、お察しのとおり、コロナの影響が少なくないと思います。そしてこのブランクを埋めるべく誕生したイベントこそが、オンライン開催の『ニンジャオン』なのでした。

これは地方にお住まいの方の参加の手軽さもあって盛況でしたが、イベントプラットフォームであったpictSQUARE(ピクスク)が2023年に不正アクセスによる情報漏洩を発表したことを受けて中断。仕切り直しでプラットフォームを「とらのあなWEBオンリー」へ移すとともに、なんと今回初めてオンラインイベントと物理イベントが同時開催(!)される運びとなったのです。

イベント規模は物理15サークル、オンライン40サークル弱。わたしは今回はオンライン(Web会場)のほうにサークル参加したうえで、事前購入チケット制の物理会場へ遊びに行くことにしました。

「物理会場」へ

当日はあいにくの雨ながら、せっかくなので近隣の根津神社などにお参りしつつ、午後のゆっくりめの時間に現地着。会場は築90年の古民家をモダンに改装したレンタルスペースで、普段はイタリアンレストランとしても営業しているようなところ。玄関口で受付を済ませると、さっそく様々なお手製の小物たちの展示と、主催スタッフのみりん=サンによるイラストがお出迎え。

ドラゴン・ドージョーの顔出しパネル

1階フロアにテーブルで参加しているサークルが複数、靴を脱いで上がる2階の和室フロアにも所狭しと並ぶ同人誌の数々。今回の古民家というロケーションこそ独特ながら、久しぶりのオンリーイベントの暖かい雰囲気はコロナ前と変わらず、数年越しにお会いするような知り合いの作家さんたちとの物理での再会を祝いました。

帰宅後に並べた戦利品たち
カワイイなグッズもたくさん

わたしは今回ゆんぺす=サンと犯人はヤス=サンのサークルのイビヤモちゃんのご本に1ページゲスト寄稿したのと、のおと=サンのサークルのビールをモチーフにしたカレンダー企画にイラストを1枚提供したので、まずはそちらへご挨拶に。いずれの方々とも2015年の「ニンジャ万博改善」以来のお付き合いになるので、もうじきに10年。環境は変われど、こうして大好きなコンテンツの連載が続いていて、みんな楽しく二次創作できるのは嬉しいこと!

サークル出展スペースのほかに展示コーナー、見本誌コーナー、それにテーブルゲームやお絵描きノートを通して交流できるスペースもあって、いずれもほどよく盛り上がっていました。既にオンラインで知り合っていて、今回ようやく初めてお話できた方も何人か。

Web会場の様子

一方、物理会場に先行して10時にオープンしているWeb会場でも、2DRPG風のドット絵の会場にいろんなサークルが軒を並べて、賑やかにやっていました。「とらのあなWEBオンリー」は、言ってしまえば「pictSQUARE」とほぼ同じようなシステムで、2次元のイベント会場に思い思いのアバターで入場して、各サークルスペースの軒先にインタラクトすることでリンクから新刊情報を閲覧できるという、シンプルな仕組み。

機能的には必要十分なのですが、正直、使いやすいとは言いにくく、今となってはコミュニケーションには他にDiscordなど優れたツールがあることを踏まえると、必ずしもこの形でなくてもいいのかな…とも思います。特にチャットが使いにくい。わたしが体験したオンライン即売会としては「バーチャルマーケット」が理想的すぎるので、どうしても求めてしまいますね。

ただ、前述のとおり地理的条件を乗り越えて気軽にサークル参加できるメリットは他に代えがたく、今回のように物理と併催する意義は大いにあると思います。たぶん、コロナ後の同人界隈においてももはやこうした電子的な即売会のニーズは変わらないはずなので、徐々に最適な形ができていくといいなと思います。

なんにせよ、主催の方々にあっては物理とオンラインの同時進行は(事前の事務的な準備作業を含め)相当に大変だったはずで、本当にご苦労さまでした。

ちなみにわたしは今回、Web会場で「ネオサイタマ」をイメージしたオリジナル音楽作品を発表しました。

後夜祭

さて、物理の即売会は16時にいったん終了で、続く17時からの後夜祭イベントのために一般参加者は一度会場から退出。この機に、あまり馴染みのない千駄木~谷中のあたりをぶらぶら散歩してみました。

雨の日曜夕方にもかかわらず、特に谷中のあたりは外国人観光客などで賑わっていて、目立ったカフェの席なども軒並み埋まっている様子でした。小ぢんまりしたバラエティ豊かなお店が多く、ある意味オープンな中野ブロードウェイのような、小さなお祭りを毎日やっているようなイメージ。いずれまたゆっくり遊びに来てみたい。

少しお茶して会場に戻り、後夜祭イベントの開始。ここではサークル参加・一般参加を問わず参加者のニンジャヘッズのみなさんと歓談しながら、主催の方々が用意してくれた「シックスゲイツビンゴ大会」に挑戦。

年季の入った味のある扉に吊るされた、ニンジャスレイヤーに登場する新旧ソウカイ・シックスゲイツのニンジャたちの名前! このなかから好きにピックアップした名前をビンゴ表に書いていく。強力な幹部から一瞬で爆発四散したサンシタまで、ひと癖もふた癖もあるキャラの名前に、これだけで大盛り上がり。原作であっけなく散った第1部の末期シックスゲイツの面々に限ってしぶとく生き残っていたことが笑いを誘っていました。

このゲームは物理、オンラインの両会場で同時に行われ、初めて両者の垣根を越えた一体感を感じた企画でした。これはとてもいいアイデア。

その後も参加者の方々とお喋りしたあと、一般参加の10人くらいで打ち上げの飲み会へ。参加サークルのなかには遠方からいらっしゃっている方も多く、名残惜しくもありましたが、これもまたワンオフの物理即売会の儚さ。ニンジャスレイヤーというWeb小説を通じて、こんなにも違うコンテクストを持った作家の方々とオフラインで交流できるようになったこと、それが再開できるようになったことを改めて噛みしめる機会になりました。参加者のみなさま、何より主催とスタッフのみなさまに感謝。お疲れさまでした!



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