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わたしは普通自動車免許を取る

夢で、昔からときどき見るタイプの悪夢というのがあって…持ち物を忘れて学校へ行ってしまうとか、大事な発表の日に必要な準備を全然していないとかいうのがまあ、あるあるなわけですが、わたしの場合その一つに「免許もないのに車を運転するハメになる」というのがありました。

不定期にみるこの夢のなかでの自分の焦りようといったらなくて、何しろどっちがアクセルでブレーキかもわからないし、ヨロヨロと進んではぶつかりそうになり、みたいなレベルで険しい山道を行かなければならないシチュエーション。朝目覚めるたび、運転したこともないのになぜあんな夢をみるのだろうと思っていました。

そんなわたしが今日、いよいよ普通自動車免許(AT限定)を取ろうと思い立ち、自動車教習所の入校手続きを済ませてきた。仕事をしながら今週末から通い、年内くらいを目処に取得する予定でいます。

なぜ今まで取らなかったの

18歳になったら法的には取れるはずの車の免許を、40代の今に至るまで取ろうとも思わなかった。その理由は第一に、差し迫った必要がなかったから。地方ならまだしも、首都圏の鉄道沿線暮らしの身としては通勤通学には基本電車で、どこへ遊びに行くにも電車。昔の人のように18になったら当然取らなきゃいけないものという認識もなかったし、同じく免許を持たない友人知人も少なくなかった。青年期に強く影響を受けた伊集院さんやみうらさんが無免許主義だった受け売りもあったかも。

唯一弱ったのが、夜中にクラブに遊びに行くときのIDチェック。大学を出てからは学生証の代わりになるものが必要になり、23歳のときに渋々原付免許だけは取りました。今ならこれすらマイナンバーカードで済むけれども、その後もこの免許で原付に乗ることは一度もなく、身分証明書としてのみ使ってきました。

そしてまた、必要なかったというのもそうだし、車の運転に対する憧れもなかったんですね。小さいころから子供ながらに自動車って画一的なデザインで面白くないなと思っていて、宙に浮くとか、タイヤが100個あるとか、これ絶対乗りたいという車があったらまた違ったのかもしれない。男の子が好きになりがちなマシンへの興味という意味では、シンセや電子楽器のほうに情熱を注ぎすぎたということもある…。

それでも、学生のころにはレースゲーム好きが高じてフジテレビのF1中継のファンになり、人並みにF1マシンに夢中になっていたこともあった。今考えれば、あのころ自分でハンドルを握りたいと思っていてもおかしくなかったけれど、なぜだかそうはならなかった。

大人になってからは、もっぱら友人の車に乗せてもらってばかり。必要なときに乗っけてくれる友人がいるというのも価値ある大事な生きかただと思うし、自分はまあそれでいいかな、と思っていました。

だけども、今年になって免許を取ってみたくなった。というより、取れるのであれば、取らないよりも取っておいたほうがいいなと思った。

なぜ今さら取ろうと思ったの

ひとつには生活環境のこと。わたしは実家暮らしで、両親は共に生活のために日常的に運転するんだけど、世間でこれだけ高齢者の免許返納が話題になるなか、例えば70を過ぎた父があと何年続けるかどうかわからない。今でもわたしが怪我や病気をするたび病院まで車で送ってもらっており、あるとき「これってもう"逆"であってしかるべきなんだろうな」と感じたことがあった。いくら電車通勤圏とはいえ、買い出しだの通院だの、生活の足はまだまだ自家用車によるところが大きいのです。おそらく今後、自分が運転できることが家族の役に立つ場面が必ず出てくるはず。

加えて、自分自身の年齢的なこともある。子供のころのように、いつか乗ってみたい車が出たら取ってもいいかな、みたいな悠長なことは言っておれず、この先、車の運転のような習慣的な身体動作を新たに習得するのはどんどん難しくなっていくだろうし、視聴覚も鈍くなりこそすれ、向上することはないわけです(サイバネ化でもしない限りは)。

40代というのは初めて自動車免許を取得しようというにはあまりにも遅いけれども、それでも、この先の自分に比べたら今が一番若いのは間違いない。少なくとも、頑なに免許を取らない理由は今のわたしにはなく、この際乗る乗らないは別としても、取れるチャンスがあるなら取っておくのは良いかなと思うようになりました。これは傍目には消極的ながらも、自分なりに前向きな価値観の転換のつもりではあります。

付け加えるならば、趣味で自転車に乗るから、安全のためにも公道を走る車のドライバーの心理は一度きちんと知っておきたい。それに、車が乗れるようになったらレンタカーを借りるなりなんなりして、国内での旅先の行動範囲もぐっと広がるかもしれない。一度決めると、後から後から理由は湧いてくる。

今年、おめがシスターズのレイちゃんがアラサーにして免許を取ると宣言し、4か月ほどでさくっと取り、今バリバリドライブ動画を出していることも後押しになっています。行動力の化身!

VTuberってすごいよね

教習所の検討・手続きのあれこれ

でもまあ、40代で教習所かあ…と思って検索してみると、実は今は全然珍しくもなんともないみたい。noteに限っても、何人かの方が継続的な普通免許取得までの詳細な体験記を公開されていて、とても参考になり、かつ前向きな気分になれました。具体的なイメージができてきた。

でもう、家族や友人に免許取ろうと思ってるんだよねという話をして、地元の教習所にすぐに説明を聞きに行って…というのをやっていたのが今年5月の話。

4か月もずるずると間が空いてしまったのは、まずこの教習所での案内で、例の流行り病のことがあって以降、リモートだのなんだので免許取得需要が爆増した結果、激混みであるとの話を聞いたからでした。例年1~3月の卒業シーズンに集中する繁忙度合いが、ずっと続いているのだそう。

混雑によって特に困難なのが技能講習の予約で、最も基本的なプランだとまずキャンセル待ちが必要で、そのキャンセル待ちのキューに並ぶのに前日のうちにメール抽選に申し込む必要があり…みたいな説明を聞かされてうへえとなってしまい、もうちょい空きそうな夏休み後まで待ってみるか、となったのでした。そうこうしているうちに感染のピークが来て、幸いにしてそれもまた過ぎ去ろうとしており、さすがにこのタイミングを逃したくない。

教習所も、価格や評判などを基準にいくつか比較検討はしてみたけれど、結局のところ通いやすいところしか選択肢がない。自営業だから仕事のスケジュール調整はある程度自由が利くとはいえ、平日の日中は極力無駄にできないし、通うならだらだら続けずに短期間でスパッと取りたい。

なので、初めに相談に行った地元の教習所で、多少のオプション費用は嵩むものの、ほぼ全てスケジュールを組んでもらって短期取得を目指すプランにしました。これなら技能講習の予約キャンセルを待たずして優先的に予約を組んでもらえる。

さっそく、費用の支払いも含めて入校手続きを行いました。写真を撮ったり簡単な視力検査をしたりみたいなことと、週末の初回のオリエンテーションと座学の1時限を含む3時間程度の講習の予約を済ませて、今日はおしまい。

しかしまあ自動車教習所、色々なところがあるだろうけど、行ってみるとアナログで古めかしい部分と、Web予約だのアプリだののトレンドに食らいつこうとする部分のいびつなキメラのような味わいがある。これから通ってみるのが楽しみになってきました。

がんばる

そういうわけで頑張ります。無事に卒業して免許も取って、きっと近い将来に自信をもって運転できるようになったら、もう無免許運転の悪夢はみなくなるかな。いやでも、学生じゃなくなってもテスト前の夢はみるしな…。

日記がてらに時々記事を書いていくつもりなので、ゆくゆくはnote内のマガジンにまとめようかな。ご興味がありましたら引き続き。

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