5月23日(土)

※2日遅れで書いています

起きたら昼だった。
普段に比べれば早寝したので、そこそこ長く寝たことになる。
その割には、目が覚めてもまだ眠くて、1時間ほど二度寝した。
起きてご飯を食べようにも、カレーも冷凍うどんも気分ではなかったので、お金を振り込むついでにコンビニに行った。

コンビニで買った冷凍パスタを解凍して食べ、勉強を始める。
とりあえずこれまでの課題は無視して、代数から始めた。
内容はまだ春休みに自習していた範囲だったので、少し助かった。
机の前に座って勉強していると、どうしても身体が痛くなってくる。
特に背中から肩、頭にかけて痛くて、座っているのが苦痛になる。

どうにも集中出来なくなって、ベッドに寝転んで読書をすることにした(寝転んで本を読むのもなかなか大変だが)。
読むのは『ドーナツを穴だけのこして食べる方法』だ。
本はまえがきからくまなく読んでいく派(彼は表紙の細部に至るまでくまなく読んでいく)なので、まずは、どういった経緯でこの本が企画、出版されたのかを読んだ。
要約して言ってしまえば、ドーナツを穴だけのこして食べるという、いっけん常識的には不可能で馬鹿らしくさえ思える問いを、様々な学問の視点から考えることで、学問とは何かを知ってもらおうと、大阪大学の学生や教職員、出版会が協力して世に出した本らしい。
私に言わせてもらえば、ドーナツの穴をのこして食べる方法を考えることが常識的に不可能であるとか、馬鹿らしいとかまったく思わないし、むしろ面白くてワクワクしてしまう。
題名を忘れてしまったが、野矢茂樹さんの著書で、ドーナツを回転させたときその穴も回転しているのかという問いがあり、なんとなくそれを思い出していた。
数学科の人たちは、やはりこういう話が大好きなので、友達にこの問いを話したら、「まずは穴の定義から始めなきゃだよね。」と返ってきた。
大好きだ、数学科。
浪人時代、集中力が切れると、名古屋駅の三省堂書店で哲学書コーナーをよくうろうろしていたが、特に野矢さんの著書はよく眺めていた。
なぜ野矢さんを知ったのかというと、高3のときの英語の先生の影響だ。
その先生はフランス文学科出身で、哲学から自然科学まで幅広く知識を持ち、私たちに英語よりもむしろこの世界の面白さを教えてくれた。
学校に行くのに苦戦しながら卒業した私に、生き方の新しい視点も与えてくれた。
その先生が、ある日の授業中に、数学が好きな人はぜひ野矢茂樹さんの『無限論の教室』を読んでほしいと言っていたのだ。
当時、私は数学がさほど得意ではなかったが、好きではあったので、いつか読んでみようと思ってよく覚えていた。
その先生、さらにすごいことに数学がとても得意で計算も速く、クレペリン検査は最後までいってしまうらしい。
卒業後に話したときに、私が、文理選択はどっちも興味があったのでとても迷ったと話すと、先生もそうだったようで、理系だったら数学科だと思っていたと言っていた。
なんだか、私の学問に対する興味は、その先生の影響を強く受けている気がする。
高3のときに講演会に来てくださったロシア語学科出身で『新カラマーゾフの兄弟』の作者、亀山郁夫さんは、その先生の知り合いであった。
私は、昨年度はロシア語、今年度はフランス語を履修している。
もちろん英語は大好きだし、哲学も大好きだ。
数学大好きな数学科の学生であり、『無限論の教室』も読んだ。
(ちなみに彼も野矢さん大好きで『無限論の教室』も読んでいる。彼と初めて話したときに、好きな本としてこの本を挙げると、彼も読んだと言っていたので、すぐに意気投合した。)
無限については考えさせられる問題がたくさんあるし、有限とは違い、直感に反するような振る舞いもあって興味深い。
この『無限論の教室』に関しても記事を書くつもりである。
自分の学問に対する思いを再確認させてくれる『ドーナツを穴だけのこして食べる方法』、面白そうで続きが楽しみだ。

夜ご飯はやはり、コンビニの冷凍食品を解凍して食べ、数学に戻った。
今度は幾何だ。
幾何は春休みにノータッチだったので、なかなか骨が折れるが、楽しい。
LINEの着信音で、スマホを見てみると、彼が音楽と言語学と数学を融合させた分野をつくる!と言っていた。
とりあえず全部好きなので、楽しそう!と返す。
どうしたら融合させられるだろうか、と考えてみた。
言語と数学はすでに広く研究されているし、音楽と数学が関わりが深いこともよく知られているだろう。
しかし、3つ組み合わせるとなるとなかなか難しい。
音楽も数学も世界共通の言語であるのだから、どうにかうまい方法はないだろうか。
組み合わせられないにしても、それぞれの学問をしっかり追究していきたいなと思う。
こういうことを一緒に楽しんでくれる彼氏がいて、本当にありがたい。

明日も学問に対して誠実に、楽しみながら向き合おうと思いベッドに入った。
課題のことを置いておけば、こんなに穏やかになれるのかと思った。
どうやら私は、追われる勉強はあまり向いていないようだ(浪人時代の臨床心理士さんにも言われたが)。

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