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大学生が勉強するようになる大学改革

今私は、世界のトップの大学から出てきた人たちと仕事をしていますし、そういった大学から毎年面接にやってきます。MITやStanford, Gergia Tech, University of California, KembridgeやOxford, 清華大学やNational University of Singaporeなどです。彼らの話を聞いていると、大学生の間は学部生であろうが院生であろうが、「必死になって勉強してきた」のです。

一方、日本の大学生は勉強しない。私もその一人でした。そして、サボり始めてそのままズルズルと留年し、最終的には中退するといった落ちこぼれが多い。ちなみに、中退は全てが悪いわけではありません。目的を持って中退し、活躍している人はいくらでもいます。

なぜ日本の大学生は勉強しないのでしょうか。

大学に入学した新入生は、広いキャンパスにひとりぼっちになります。小学校から高校までのような「担任の先生」がいないからです。特に研究室に配属されるまでの最初の三年間は、一般教養の講義を受講するばかりで、勉学の友を作ることは難しい。だから悩み事や勉学の苦しみの相談に乗ってもらえるような人間同士のつながりを築く相手もいない。サボっていても誰も心配してくれない。友達といえばクラブ活動を通してばかりとなってしまう。

どんな強い人間だって、人と人とのつながり、特に大学という組織側の人(教員や大学院生)とのつながりが欠けていれば、「荒野にひとりぼっち」という感覚になってしまいがちです。人間は「どこかに所属しているという安心感」が必要です。今の大学のシステムは、研究室に配属されるまでは、クラブ活動がその役割を果たしているのです。これはおかしいですね。学問をする場所としてなっていません。これが大学生がモーチベーションを維持できない、あるいは最悪落ちこぼれる原因の一つであると思います。

では先に挙げた世界の優秀な大学では、なぜ皆が必死になって勉強しつづけられるのでしょうか?

欧米の大学はどこでもBuddy SystemやMentoring System、TuitionさらにはPeer Tuition Systemなどもあります。これらが落ちこぼれを無くし、全員が勉学に励むことができる要因であると思います。一つづつ見ていきましょう。

Buddies System / Mentoring System:どちらも新入生全員に、学部生や院生の先輩、あるいは教員がマンツーマンの相談相手として割り当てられます。目的は、私生活や勉強のことで困ったことなどを気軽に相談できる相手になることです。こういう人がいれば、勉強しようと思いつづけられますよね。苦しくても努力することができるし、難しい勉強を教えてもらうこともできる。

Tuitionは文字通り家庭教師のようなもので、これも先輩が担当者としてつきます。Buddies Systmなどの延長ですが、勉強を教えることに比重が置かれたシステムです。大学によってはPeer Tuitionといって同じ学年の学生通しで教え合うシステムを作っているところもあります。成績優秀な人がtutorとして登録するようです。

日本の大学生は、受験までに大変な苦労をしてきた。大学でも学問に励み続ける人を増やすには、これらシステムが不可欠です。そしてこれは簡単に実行できますし、お金もかかりません。ぜひ全ての大学ですぐにでも初めてもらいたいと思います。これによって日本の底力は格段に上がるはずです。

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