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「神を敬い、過ちを改める」張道陵が明示した疫病に克つ方法

西晋(265~316)の葛洪(かつこう)が著した『神仙伝』には、100人あまりの神仙の話が載っています。

「修煉を積めば、神仙になれる」

葛洪は、自身が道教の実践者であるとともに、道教というものの理論と方法を著述して後世に遺したという点で、大きな功績があった人物です。神仙思想と煉丹術の理論を集大成した一書『抱朴子(ほうぼくし)』も葛洪の手によるものです。

葛洪の弟子のひとりである滕升が、つい好奇心から、師にこんなことを質問しました。

「先生はいつも、人は修煉を積めば神仙になることができる、不老長寿もかなうのだと仰っています。しかし、古来より本当に道を得て、神仙になれた人物がいたのでしょうか」

葛洪の答えを待つまでもなく、それらは本当に実在したのです。

葛洪の言を借りれば、早くには秦の時代から、記録された仙人は数百人余りいました。前漢の劉向(りゅうきょう)が記した『列仙伝』にも71人が記されています。

葛洪は、正史では神の言葉やそれが起こした奇跡の多くが排斥され、記録されていない現状をふまえて、自身が特に意識してこれらを記録することに努めました。それは彼が、歴代王朝および各時代のなかで修煉を積んだ仙人の故事を収集することで、後世の人々が、神仙の道をよく理解することを願ったのです。

「道教の祖師」はこうして誕生した

葛洪が著した『神仙伝』のなかに、「道教の祖師」とも呼ばれる張天師も、もちろん含まれています。

張天師、字(あざな)は輔漢。本名は張陵ですが、いつ頃からか………

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