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MMM2009-2018:ただいま、MMM(エピローグ)

那珂湊を中心に、一部の関係者にはお伝えしましたが、来年からみなとメディアミュージアムの責任者(名称募集中)として戻ることになりました。2013年以来の復帰ということになります。

現在もスタッフと一緒に毎週オンライン会議をやってます。これまでの代表にタスクが集中する悪しき体質を止めるべく、来年度は(代表だけでなく)複数のスタッフと丁寧に議論しながら進めるスタイルでやろうと考えています。一方で、スタッフがやらなくて良い仕事は地域内外の協力者のみなさまや、外部のサービス、そしてぼく自身が経営している一般社団法人MRSなどの力を頼る方向で考えています。

これまでの「学生団体を大人がサポートする」という体制は少し変えると思います。新しいツールや概念の習熟を考えれば、10代と30代に能力の差はありません。社会の中の一団体として、スタッフと共にMMMを経営し、個人的にはぼくが掲げるコンセプト「芸術によって社会をつくる」を実現していきたいと考えています。

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こんな結論は予想していなかった。

エピローグはスタッフに向けたメッセージにしようと思っていて、どんなメッセージが良いかなあ、なんて考えていた。あるいは完全撤退する可能性も考えたこともない訳ではなく、その場合は「さようならMMM」みたいになっただろう。

こういう結末になったのは、札幌と関東の二拠点居住になったことが大きいと思う。「札幌と関東で活動と成果を二倍に!」と考えていたが、当然、ぼくのキャパシティと時間には限界があった。関東の全ての活動に距離が生まれたことで、これまで潤滑だったコミュニケーションに齟齬が生じたり、全てのタスクに目配せができなくなったりすることが圧倒的に増えた。その中で、自然と「本当に失いたくないものは何か?」を考えるようになった。

また、現在のコミュニティブームやNPO環境の改善なども背景にあると思う。これまでは地域の活動や文化芸術活動は助成金や補助金、そしてブラックな労働環境で支えられていた。それが資金調達はサブスクリプションやマイクロクラウドファウンディングによって容易になり、労働環境はリモートワーク環境の整備やコミュニティ通貨による労働の可視化によって改善できそうだ。非営利団体に特化したサービスも増えた。文化芸術基本法の施行も後押しになる。一方で、それを実現するためには目の前のタスク以外のタスクにリソースを回す必要があった。下手にやれば日々の活動に支障が出る。今まで以上の丁寧なコミュニケーションが必要だった。

そして何より、MMMを理解し、MMMを支えたいと考えてくれる人が増えてきたことが大きい。伸ばせる手があれば、引っ張ってくれることはわかっている。しかし、これまでの関わり方ではそれはできなかった。

では、どうしたら良いのか?

ぼくの結論は「MMMを大事にしたい」という答えだった。

この結論に疑問を持つ人も多いと思う。ぼく自身、札幌にも拠点がある中で、どれだけ関東の仕事に力を割けるかは不安な部分もある。だけど、優先順位がはっきりしていれば、出せる力は全然変わると思う。

最初の春、2009年の春先に緒方君と悪ノリで始めた頃を思い出して、もう一度頑張りたいと思います。

写真は先日の報告会の後、船越さんに撮っていただいた一枚。
2009年の頃と比べたら、さすがに老けたかな?

次の10年に向けて、MMMも、田島も、引き続き宜しくお願いいたします!

fin


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