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『語彙力を鍛える』

わたしたちの学習指導において、大切にしているものの一つとして「語彙学習」があります。

語彙力を鍛える。

英単語の学習はもちろんですが、今回ここでお話したいのは、国語における語彙学習の大切さについてです。

受験生を含む小中学生の国語をずっと教えてきた中で、

「語彙を意識的に強化する」

という感覚は、ほとんどの場合、自発的に芽生えてくるものではないという実感があります。もちろん中には、自ら取り組む生徒もいますが、レアなケースです。

英語だと知らない単語に遭遇した場合、辞書等で意味を調べるのは当然の感覚として誰もが持っていますが、国語に関しては、そういう言葉に遭遇しても、意味を調べようとすることは少ない気がします。

だから、指導する側が語彙強化の大切さを説き、生徒を導く必要があると。

実際問題として、 語彙が不足しているために、入試で躓いてしまうことが、 起こり得るわけですから。

例えば、「世界のジモクがイラクに集中するなか…」と続く文章で、「ジモク」を漢字で書かせる問題が、以前ある学校で出題されました。

これは文脈から「注目を集めている」という意味を読み取り、そこから「耳目」という語を引き出せるかという問題です。

たかが漢字の問題ですが、ほとんどの生徒が不正解だったことを記憶しています。

また、 「がんぜない」などの意味そのものを問うような問題も毎年必ず出題されています。ちなみに、中学生で「がんぜない」の意味を的確に答えられる人はどれくらいいるでしょうか。

「1〜2点のことだから捨ててよくない?」

という意見も聞こえてきそうですが、1点、2点の差で合否が左右されるのが入試です。1点のロスで何十位と順位が入れ替わることもある。

だから、やれば必ず力になる語彙の問題は確実に取っていきたいところです。

また、文章をより深く、正確に読み解いていくためには、当然豊富な語彙が必要です。つまり、語彙の問題が解ける解けない以前に、語彙力は読解力を構成する最重要要素なのです。

語彙力は何かを「理解」する際の根幹をなすも、その意味で「語彙力」の重要性は明白です。これ、国語に限った話でもありません。

そして、そのことを生徒が肌感覚で理解している必要があると思っています。だから、国語の先生は「語彙力強化を習慣づける」ことをちゃんと伝えていくという、非常に大きな責任を負っているんですよ。