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障害者雇用で1ヶ月①おしごと概要

今の企業には障害者雇用で採用された。

業務内容はいたってシンプルで、シュレッダーに溜まった紙くずの廃棄とか社内ウェブ掲示板の内容を部内に一斉メールで送信するとか配送室に社内便を取りに行くとかコピー用紙の補充とか、とにかくなんの資格も経験も必要ない業務である。

最初見たときは社会人生活に慣れるためのリハビリなのかと思ったくらいその簡易さに驚いたのだが、やってみると実に簡単で、おかげで脳みそは全然疲れることなく日々を過ごすことができた。


ただ、身体は疲れた。

勤務時間中ずっと肩ひじ張り過ぎていたからか、肩が重く首を回すとゴキゴキ音が鳴っていた。

帰宅するや否やどっと疲れが出て、お風呂も億劫になるほどだった。

それでもなんとかシャワーを浴びてご飯を食べたらもう眠気に襲われ、毎日21時には就寝するという、いたって規則正しい健康的な生活を送ることができたのだった。


服装は自由だ。「初日の服装はスーツで来てください」と採用通知のメールに書かれていたのでその日はさすがにスーツで行ったのだが、翌日からはいわゆるオフィスカジュアルな格好で通勤した。

服装もそれぞれの好みが出ていて、スーツの人もいればTシャツにジーンズにスニーカーという人もいた。さまざまだった。


配属された人事部には障害者が私のほかに2名いて、業務を手取り足取り教えてくださった。そのうちの1人は就労移行支援事業所も同じだったことが判明したため、「〇〇さん怖かったですよね~」などと打ち解けることも早く、ざっくばらんに業務を話してくださったほか、ことあるごとに「慣れましたか?」などと声をかけてくださった。


どうやら今の会社はこれまで障害者を何人も雇っていて、法定雇用率も基準を上回っているほど障害者雇用に積極的なようだった。
障害者はまずは人事部で面倒をみて、様子をみてほかの部署に配属される(私はこれを「巣立つ」と解釈している)システムのようだった。

そんな中で人事部にいる障害者2名は3年以上いらっしゃる方々で、私に対する指導や指示などは全部その方々に一任されていたし、私からの質問をまず受けるのもその障害者の方々だったということから、社員さんから彼らが熱い信頼を受けていることが見て取れた。(私はこれを「重宝される」と解釈している)

「巣立つ」と「重宝される」

私はどちらになるのだろう。とぼんやり考えながら業務にとりかかったのが、最初のスタートだった。


ーーー続く


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