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2024年4月末 投資見通し整理、AIブーム序盤の調整局面


大局

  • 今後予想される展開

    • ブーム(前菜)→低迷(休止)→本番(メインディッシュ)

    • それぞれ95〜2000年のドットコムバブル期、2000〜2002年のドットコム冬の時代、2002年〜インターネットの時代に対応する

現在はそのうちブーム(前菜)初め、初動を終えてブーム入り前の調整と振り落としにある。これが数カ月〜半年続くかもしれない。

関連記事:

2023年暮れ イノベーションとバブル、生成AIバブルについてhttps://note.com/epicurus/n/na68582bcef34
2024年4月 今からの未曾有のバブルが起きるかーーイノベーションの歴史からAI時代を展望する
https://note.com/epicurus/n/n6e5eaf2d7767
Nvidia相場はどこまで続くかーーポイントはスケーリング則だ(投資の観点で整理するGPU需給)
https://note.com/epicurus/n/nc6b441bafbed

方針

ここから起きる調整局面は向こう数年で数少ない買い場になるだろう。どうやって買うか、それが一番重要な問題だろう。

  • 戦略1:買い下がり

  • 戦略2:上抜け狙い

これを組み合わせるのが良いだろう。
投資対象について

  • ブームにおいてはAIの本体よりもAIのハコが重要

    • GPU、サーバー、データセンター、データベースなどは確度が高い

    • Nasdaq積立が一番楽

    • 関連個別株も面白いが、メモリーだろうと電力だろうと基本GPU駆動になる。中途半端に半導体個別銘柄を仕込んでも結局Nvidiaに勝てない可能性が高いので、余力あればやるのが良さそう


  • AI本命銘柄はむしろまだ苦しいだろう

    • 計算量(GPU)が充分に手に入らないAI企業は、道ができていない状況の運輸業者みたいなもの

      • モデルが充分安くなることが必要。むしろNvidiaの時代が終わるところに本当のAIの時代が始まる可能性もある(かつてシスコの時代が終わってから本格的にITの時代が来たように)

    • AI開発・AIプロダクトはまだ不確定要因が大きい

      • モデルの進化1つで全部ひっくり返ることがまだ多い。企業としてはまだ戦い方が定まっていない段階

      • ワープ付きマラソンのようなもの


  • テスラ

    • テスラは現時点で最も確実なAI本命銘柄

      • 当面EV発売台数低迷で株価キビシイ

      • ロボタクシーによる変化を待つステージ

      • もしかするとデータセンターの電力消費関連で流れが変わるかもだが、小さい

関連テーマ:
(そのうち書きたい)「AI事業はワープ付きマラソン」


市場

状況:調整

ネガティブ要因

  • インフレ収まらない

  • 原油リスク

    • 前回放出して助かった戦略備蓄原油がもうない

    • 原油在庫が低水準

    • 何らかの理由でシェールオイル生産増が遅れると一気に高騰する可能性も

  • 不動産リスク

  • 高金利によるストレス


展望・予想

  • キャシーウッドさんが指摘した通り、AI半導体銘柄への買いは短期勢によるものが多く。彼らは特にAIの将来性を理解して保有しているわけではなく、何かがあると一目散に逃げる。インフレ懸念と利確売りなどでここからは短期勢の振り落としが起きるだろう。それが通常数カ月続く。

  • 中長期的にはAIが経済を押し上げるだろう。主に次の二つのポイントが明らかになると反発・上を抜けてくるだろう

    • 米国大企業が潤沢なキャッシュを使った怒涛のAI投資効果

    • AIによる生産性と利益の向上

  • 当面4月〜5月決算期はおそらく着地好調だが、見通し不透明でいったん足踏みか低迷すると見ている。その次の決算期くらいで状況が変わるではないか

    • グーグルマイクロソフトの決算は予想外の好感、AI関連好調だが、投資に関してはまだ控えめという印象

      • 特にグーグルの自社株買と配当はまだ勝負に出ていない感じ(これにはグーグルは唯一Nvidiaに匹敵する自社AIチップを生産できる点で割引して考える余地あり)

      • マイクロソフトもメタやテスラほど前のめりではない

        • AI設備投資に言明せず、見えている推論需要が若干供給を上回る

      • どこかで成功ストーリーが広がると追随する動きが出れば今後さらに上ブレの余地はある

気になること

  • 不動産

    • 売りが11%増

関連テーマ:
(そのうち書きたい)「95年に何が起きたか」

AIの状況

  • GPT5は延期、コストの問題 → B100が出れば改善するかな

  • GPT4層の台頭:様々なプレーヤーからGPT4並みのモデルが発表される

    • Claude、Command+R、llama3

    • OSS LLMが躍進

      • 量子化技術によってエッジデバイスへの搭載が早まるか

    • しかしAPI使用の制約がまだ大きい

  • コンテキスト長が伸びる

基本基調としてGPUの数が増える・GPUの性能向上が依然としてAIの価値向上の最大の要因であるため、今はまだハードウェアやインフラ(Nvidiaやクラウド)の時代であり、ソフトウェアやプロダクトの時代がまだ先だろう。

米国大企業による怒涛のAI投資が予想される。例えばGithub Copilotはすでに成功したキラーアプリと言って良い。プロダクト自身も利益を生み出せる状況だし、すでにIT業界の生産性を大きく向上させている。そのことに関してはもはや疑う余地がない。ただgithubがマイクロソフト所有であるため、マイクロソフト既存の収益からみればインパクトが小さく、株価への影響も小さい。しかしプロダクトの成功とその価値を最もよく理解しているのは他でもないGAFAMである。彼らがこれを一生一度くらいの勝負とみてAI投資にフリーキャッシュを全てをつぎ込んできてもまったく不思議ではないだろう。その投資が新しいフリーキャッシュを生み出し、それが再度投資に回ると大きな熱狂を生むかもしれない。

メモ(米国企業のフリーキャッシュフロー):
マイクロソフト:600億
アマゾン:300億
アルファベット:700億
アップル:1000億
メタ:400億
合計:3000億

メモ(3大クラウドの売上高):
azureの2023年10〜12月売上高:前年同期比24%増となる337億ドル
https://japan.zdnet.com/article/35214676/
AWSは2023年第4四半期(10月~12月)前年比13%増の242億400万ドル
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2402/02/news122.html
GCPは2023年第4四半期(10月~12月)前年同期比26%増の91億9200万ドル。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/00144/
四半期合計:650億
年間概算:2600億

メモ(3大クラウドの設備投資):
https://youtu.be/9OA-piS_fy8?t=1311

メモ(決算):

  • メタ:AI投資加速、市場は懐疑的(つまりバブル序盤)、新しい収益が構想段階だが芽は多そう。「AI本命は苦しい」ことが浮き彫り

    • https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-24/SCGQVRT0AFB400

    • 1-3月(第1四半期)決算は堅調で、売上高は前年同期比27%強増加し365億ドル。利益は2倍余りの124億ドルに拡大した。

    • 4-6月(第2四半期)売上高については、365億-390億ドルの見通しを示し、レンジ中央値ではアナリスト予想平均に届かなかった。

    • 通期の支出見通しを上方修正し、350億-400億ドル(約5兆4300億-6兆2100億円)の設備投資を見込む。従来は、サーバーやAIハードウエア、データセンターなどに関連する費用が300億-370億ドルになると見積もっていた。

    • https://jp.reuters.com/markets/world-indices/SWBZFPZIGVKUJOAL7MC4JW3UWA-2024-04-24/

    • ザッカーバーグ氏は、ビジネスメッセージやカスタマーサポートなどに利用するAIチャットボットに関する収益化プランについても言及


ニュース・出来事

  • テスラ自動運転の更新・改善著しい、ついにニューヨークの鬼交通状況も走り抜けた

    • 場所ごとに運転スタイルを変えている

    • もう人間平均を超えていると言って良いだろう

    • おそらくロボタクシーは技術的に問題ない。後は法規制と展開の仕方

  • LLM知識の理解が進む

  • Stable Diffusion 3 Turbo、画像編集のプロンプト性能が大幅向上、画像生成が新しいステージに入った感がある

  • ASML受注大幅減

  • TSMC、CPU関連低調、GPU関連絶好調

    • スマホ向け回復弱い

    • AI半導体強い

      • 割合が小さい、単価が高く、利益が大きいのが特徴

    • 3nmが減っている、Iphoneと新macPC弱い

    • 5nm強い

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