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2023年暮れ イノベーションとバブル、生成AIバブルについて

注:本文は投資に関して助言やアドバイスをするものではない。投資は自己責任で行ってください。

バブルというと何だかネガティブなイメージがある。確かにバブルが崩壊する度に多くの投資家が資産を失う。できれば近づきたくないと思うのは自然なことだ。

しかしバブルの歴史を調べると意外な事実も浮かび上がる。例えばwikipediaで調べると次のようなバブルがある

1637年、チューリップバブル
1720年、南海バブル
1840年代、鉄道狂時代
1990年代前期 - 2000年代初期、ドットコムバブル
2017年 - 2018年、仮想通貨バブル

これらのバブルはどれも崩壊によって多くの投資家が資産を失ったが、しかしこのうち、例えばドットコムバブル崩壊後にインターネットの時代が来た。もし今からドットコムバブルの時代にタイムスリップして投資をするとしたら、結局最適解はインターネット業界に投資することになる。また南海バブルも、その後がまさに海洋貿易の全盛期だったし、鉄道狂時代のあとに鉄道の時代が来たと言えるでしょう。

事実として、過去にバブルという理由だけでその業界への投資を避ける人は、ものの見事に機会損失を最大化したことになるわけだ(もちろんチューリップバブルのように、バブル過ぎれば惨状しか残らないようなバブルもある。バブルだから飛び乗ればいいというわけではない)。

そもそもバブルは実態の価値以上の評価が生じることで起きる。そしてイノベーションの場合、これからすごいことが起きるんだから、イノベーション前夜なんて実態などないようなもの、一方で期待は当然膨れ上がる。将来の価値を現在でいくらとして評価するかなんて(さまざまな研究はあるものの)価値観によって全然違ってくるし、期待が行き過ぎないことなどあり得るだろうか。

イノベーションがバブルを伴わずに起きることはない、とくらいに考えた方がいいだろう。

逆にイノベーションを探すならバブルに当たるのもいいかもしれない。ただ偽物のバブル(チューリップバブル)はいつ起きていつ崩壊するかは予測できないし、本物のバブル(南海バブル)もいつか起きることは確度が高いけれど、実際にいつ起きるかを予言することが難しい。ただ、本物ならばバブル崩壊後に息の長い大きなチャンスが来ることだけは確度が高いでしょう。

バブルはじっくり見極めて、崩壊を待って行動するのが賢明だろう。何かのブームに遭遇すれば、どうせ崩壊するのでまず急いで乗ることはない。そして乗り遅れることを心配することもない。どうせバブルは崩壊する。崩壊してからが重要だからだ。

本物と偽物、チューリップバブルと南海バブルを分けるものは、結局その元となるその技術やテーマが今後実際に社会に多くの富を生み出していくかどうかでしょう。そう考えるとAIが(バブルになっていくなら)南海バブルである確度が非常に高い。一方で仮想通貨の方は若干確度が下がるように思える。

いや、AIはすでにバブル状態だと考える人もいるかもしれない。確かに関連銘柄がちょっと上がりすぎ感もあるし、一部の小型株ではマネーゲーム化しているけれど、ドットコムバブルと比べればそれほど過熱感はないし、むしろまだ合理的な期待の範囲とも言えそうだ。その将来のインパクトを考えればイノベーションにバブルはつきもの、ならば、短期的にどこかでまた一つ大きなバブルが発生する可能性も十分あるだろう。今のNasdaqの上がり方はその序章かもしれない。

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