【仕事/雑記】お客様は十人十色 その2 フォロワー数が俺の価値
様々な現場で出会ったお客様、何年経っても記憶に残る印象深いお客様をご紹介。
今回は、予想外の角度からマウントを取られてしまった件。
バルーンアート、歌舞伎町の男女席にて
2019年9月から4年半ほど、東京に住んでいた。
福岡でのバルーンアートがマンネリ化していたため、東京での活動に挑戦してみることにしたのだ。
(と言っても半年でコロナ禍になり、4年半のうちバルーンアートの活動ができたのは1年半程度にはなってしまったが。)
その期間中は東京のあちこちの街で活動していたのだが、その中のひとつに「歌舞伎町のれん街」という場所があった。
歌舞伎町だけあって他の街より客層が非常に濃いのだが、ある日の男女のテーブルで事件は起こった。
女性は20代、男性は30代半ばというところだろうか。
導入の「バルーンアート、いかがでしょうか」の後、女性の反応は上々。
男性側にも改めてOKを貰おうと目を合わせると、これまでのパフォーマー人生でも言われたことのないセリフが飛んできた。
「んー君、Twitterのフォロワーって何人?」
フォ、フォロワー数??
え、それって今関係ある??
ていうか、開口一番がそれ??
想定外の質問に困惑していると、男性はセリフを続けた。
「俺のフォロワーより多かったら見てやってもいいよ」(ドヤァ
ほぉん???
ドウシテソウナッタ???
お連れの女性を見ると、私と同じく鳩が豆鉄砲を食らったようなお顔に。
いつか見た表情だなぁと思いつつ、放置するわけにもいかないので自身のフォロワー数を確認する。
あまりSNSには力を入れていなかったため、当時のフォロワー数は600人ちょっとといったところだったと思う。
「600人ちょっとですねぇ。どうでしょう?」
「ふーん、俺5,000人なんだ。だからナシで!」
男性は満足げに満面の笑み。
そして、一方的にNGとなってしまった。
せっかく乗り気になっていた女性は相変わらずの鳩豆顔。
うん、この流れ見たことあるぞ。
ただ以前と決定的に違うのは、男性が完全にマウントを取りにきて、そして勝ち誇っているということだ。
しかもその内容が、今の状況と何一つ関係ないTwitterのフォロワー数。
彼にとっては、きっと誇るべき数字なのだろう。
私に向けたドヤ顔からもそれは伝わってくる。
だがここは言わせて欲しい。
600人の私が言うのもなんだが、たかだか5,000人でなぜそこまでドヤれるのだろうか。
これが3万人とかであれば、納得はできないが理解はできる。
でも5,000て。
SNS基準だと少々知り合いが多い程度だし、そのくらいであれば無差別フォローやちょっとバズるくらいで到達する数字だ。
私の周りにも1万超えの人は多々いるが、それを自慢げに語る者はいない。
男性の自信満々な表情に反して、私と女性からの評価は下落する一方である。
「そうですか、それは残念です。ではまたの機会があれば、その時はぜひ!」
と、笑顔を(主に女性に)向け、速やかにその場を去ることにした。
これは食い下がっても不毛な時間にしかならない。
思うところは色々とあったが、男性にはそのままの自分でいてもらうとしよう。
その後のテーブルには近づいていないので、どんな状況になったかはわからない。
ただ以前の若い彼氏さんと違い、この男性には何かあったとしても知ったこっちゃあない。
価値観は人それぞれだが、それを他人に押し付けるような真似はしないようにしようと改めて思うのであった。
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