【詩】伝説の行方/ Whereabouts of the legend

百万本の天へ届く管柱が
透明に涙の水を吸い上げて
時の大地は渇き全て白化する
僕たちはそれをただ見上げ
繰り返された砂漠と密林のアリアを聞いた
君の流した新たな涙が歌となり
極彩色の微笑みの鳥たちが
東から西へと風を描く

これら絵筆に描かれた緑の伝説は
そして再び火に焼かれて黄金となり
百万枚の木の葉のように
君の名前は世界へと散らばっていく
もはや誰も君の真名まなを知らないとしても
僕はそれを集めることはない
彩りの種子から芽が吹いて
惑星は君の祝福に満たされた
青空以外全ては君になったのだから
僕はその中に安らいで眠るだけだ
手の中に永いこと握り締めてきた
錆びついた何もかもを手放して




あとがき

古い思い出を思い出しながら書いてみた、物語の追想。
読む人にも何かの物語が思い出されればいいなと思います。

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