わたしの愛したあなた 3
学校からの帰り道。
高校生になって、イヤホンして好きな音楽を聴きながら約1時間の帰路をひとりで歩くのが、少し大人になったようで嬉しかったんだ。
バイトをこっそり始めたから部活には入らなかった。
でも今日はバイトも休み。慣れない日々で心も身体も疲れていた。帰って少し休みたかった。いつもより早足で家に向かってた。
いつも通るコンビニ。通らなきゃ帰れないコンビニ。
そこにあの人はいたんだ。
コンビニを通り過ぎると、いきなり後ろから肩を叩かれた。
「キャッッッ!!!!」
思わず声に出してしまった。そんなに大きくないはず。ちょっとびっくりしただけ。
アキトの手がわたしの口を塞いだ。
「しーーーーー!」
わたしはパニック。
目の前にアキトがいる。しかもなに?わたしに触ってるではないか。なんで?どういうこと?
わたしはもう、耳まで真っ赤になって顔から火が出るかと思ったんだ。
「もう大きい声出さないでね?だめだよ?」
そう言って優しく手を離した。
手を離した時、ちょっぴり心がチクって。触れてもらえたことが嬉しくて、離れるのが寂しかったのかな。