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カプセルホテルに泊まっている友人のソウル・サーチ(自分探し)と、バスケ観戦

#日記

元同僚とハンバーガーを食べる

オランダ人の元同僚がいて、彼はいわゆるサクセスフルな人だったのだけど今年の前半に仕事を辞めてから1年間休むことを決め、世界中を旅をしているるという。30代中盤でそういうことができるって最高だね!羨ましい!と思い見守っていたら今月は日本にいると聞いて、日曜日の昼間に初めてリアルで会ってきた。(3年くらい前に一緒に仕事をしていた時期も、彼は海外ベースだったので、実際に会うのは初めて)

旅をしながらソウル・サーチ(自分探し)をしているというから、「仕事を辞めて旅をしてみて、自分について発見したことってある?」と聞いてみると、しばらく考えてから教えてくれた。「最大の発見は、自分には二つの意識があること。片方は本来の内的な自分でクリエイティブでささやかなな存在。そしてもう片方はエゴ、もしくは見せる用の自分。それで、見せる用の自分の意識で人生についての意思決定を10年以上してきたことで、本来の自分が全く望まない地点に辿り着いてしまっているのに、まるで自分は成功者のようなつもりになっていたことに気がついてしまったんだよ」という。

「今は内的でささやかな方の自分が望んでいることが何なのかを探っていて、年が明ける頃には次に住む場所を決めて、仕事を探そうと思ってる」とのこと。

それは本当に素晴らしすぎる気づき!!

45-50歳くらいでそのこと(他者からの見え方ばかり気にして、自分の心を満たすことを忘れていたぜ!やばい!)に気がついて、でももう住宅ローンや教育費や世間体や配偶者の期待値でがんじがらめで身動き取れなくて65歳の定年まで幽体離脱状態で生きる人も多い中で、30代かつまだ独身の時点でその気づきが得られた彼は祝福されているなと思ったし、彼自身も肩の力が抜けたみたいでリラックスした様子。言葉が溢れてくるかのように、色んな話をした。一緒に働いていた頃には恥ずかしくていえなかった気持ちのことなど。(色恋ではなくて、仕事に対して彼が抱いていた感情など)

カプセルホテル

彼の大切な気づきと話はずれるのだけど、一年休む間、流石に収入がゼロとなると心細いらしく、東京では節約のために昨日から一泊4,000円くらいのカプセルホテルに泊まっているという。彼は裕福な家の育ちなのか、学生時代にバックパッカーをしたこともなければ、ユースホステルにも泊まったことがないのに、中年になってから初めてのカプセルホテル体験らしい。「さぞや寝れなかったんじゃない?」と聞くと、上のユニットのおっさんのイビキや、大学生くらいの若者がにぎやかだったり、ジムの更衣室みたいな匂いやらでもう全く落ち着かなくて泣きそうだったと嘆いていた。

でもその話をする表情はなんだか楽しそう。彼が父親にその話をしたら、「シティ・プリンセスだったお前がカプセルホテルだってよ!!せいぜい頑張れ!!」と大いに笑ってもらえたらしい。お姫様が、庶民の生活を体験しにお城から出てきて市場で買い物をしてみた、みたいな感じもちょっとあるのかもしれない。



バスケ観戦

彼と別れた後は、夕方から家族と合流してバスケの試合へ。渋谷サンロッカーズ対佐賀バルーナーズの対戦。会場は青山学院の体育館で、夫は自由席のチケットを4枚買ってくれていた。到着したのはティップオフ(試合開始)の30分前くらいだったのだけど、自由席はすでにほぼ満席だ。一人だけ座れそうな場所はちらほら、離れたスタンドにある程度。10分ほどうろうろしても全く座席が見つからないので係の人に聞くと「自由席は満席の場合は立ち見になります」と言われてしまった。子供を2時間も立たせておくのは現実的でないし、一体座席数の何倍のチケットを販売すると30分前に満席になるんだ?と思って少し食い下がってみた。

  • 家族が離れ離れになるのは構わない

  • 大人が立ち見なのも構わない

  • ただ、子供二人はまだ誘拐などのリスクがあるから親が一人はついていたい(2:2か1:3に分かれればいい)

  • もし席がないなら払い戻しをお願いしたい

という主旨のことを若い女性スタッフに伝えると、困り顔で先輩女性を連れてきた。先輩は「払い戻しはできません。満席の場合は立ち見です。購入画面にも書いてあります」ときっぱり。家族と30秒だけ話し合い、それなら帰ろっか、チケット代の数千円は無駄になったけど、立ち見でずっと見るよりはさっさと帰って家のテレビでネット観戦した方が楽しいからそうしようぜ!家にポップコーンあるから作ればいいし!ということになった。それはそれで全然オッケー、というやつだ。安いからといって自由席を買ってはいけないというのは勉強になった。昼間に聞いたカプセルホテルの話と同じだ。

「じゃあ帰りますねー あざーす」と外に出ようとすると、後ろから最初の若い女性スタッフが追っかけてきて「あの・・・払い戻しとか、私たちじゃ決められないんです、できればもう少しだけ待ってください。上の人に伝えるんで」という。会場は爆音で音楽が流れていたり、左右前後からの人通りも多く、人混み恐怖症なワカメ的本音を言うと、もうすでにこの時点でMAX帰りたかったのだけど、追っかけてきてくれるほど彼女が一生懸命で目がキラキラしていたので悪い気がして通路の邪魔にならないところに移動してとどまった。

するともう少し役職がありそうなおじさん二人が出てきて、インカムであちこちに指示を出しながら席を探してくれる。待つこと10分。その間、おじさんは息子にバスケは好きなのか、好きな選手を聞いたり、どのチームのファンなのか、何回試合を見にきたことがあるのか、など質問をして和ませようとしてくれる。横で私は世間話として「これ、払い戻しのボタンみたいなの押すのってそんなに難しいんですか?仕組み的に」なんて聞いてしまったのだけど、おじさんは「いや、そういう問題じゃなくて是非観戦していただきたいんです!せっかく来てくださったわけですから!」と先ほどの女子に続いてキラキラした瞳を見せつける。うわわわわ!MAX帰りたいのに!これじゃますます断れないじゃないか!!

おじさん曰く、去年までは指定席しか販売していなかったのだけど、ノーショーのお客さんが多すぎてガラガラになってしまって問題になったらしい。それで対策として自由席を増やしてチケットを多めに売ることにした最初のシーズン。きっとまだその係数(チケット販売数÷座席数)がこなれていなくてこういう事態になっているのだろう。飛行機のオーバーブッキングと同じだ。この係数の適正値を測るために日々、色々な実験をしているのだろう。良いことだ。ぜひ頑張ってほしい、私のいないところで。

結局、試合開始直前、ありがたいことに端っこの関係者席の中に席を確保してくれて、無事に四人で座って観戦してきた。

対応してくださったスタッフの方には本当に感謝しているし、おかげで子供達も楽しく観戦できた。きっと彼らのキラキラした瞳は多くのファンの観戦を支えるだろう。その願いにちゃんとした人間みたいに応えられなくて申し訳ないのだけど、もうその時点で30分くらい通路で人混みの流れに接したダメージがワカメは大きすぎて、試合が始まってからも頭の中で「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」「早く帰りたい」だけが無限ループしていて、何も頭に入ってこなかった。結局、第3クオーターが終わるところで疲れすぎてギブアップし、家族を残して早退することに。

外に出たら日が暮れていて、青山の空気は新鮮で美味しかった。

この件、法的に言っても、一般常識でも、サンロッカーズが悪いわけじゃない。あえていうなら人混みへの耐性がないのに自由席を買う私たちに問題があったと思う。なんだかしょうもない結論だけど、これからはお金で解決すべきことはお金で解決するか、よほど時間と心に余裕があるのでなければ(一年の休暇中でカプセルホテルも経験!と思える環境じゃなければ)そもそも参加しないかのどっちかにしようと思った自分の許容力を過信してはいけない。


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