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3DCGを用いた課題解決とは

こんにちは!広報担当のさいきです。
envision CREATIVEでは企業や社会の課題解決において、様々な方法とそれに伴うアウトプットをご提案することができます。今回はその中でも3DCGにフォーカスし、CGを用いた課題解決についてお話ししたいと思います。

インタビュイー:株式会社エンビジョン 藤田 隆司
インタビュアー:さいき・ディレクターN


はじめに

さいき:藤田さんがCGに携わるようになったきっかけは何だったんですか?

藤田:もともとはグラフィックデザイナーとして働いていたんですが、その中で自分にもっともっとスキルをつけたいと思っていた時にトイストーリーやファイナルファンタジーの映画を観て強く感動したことを思い出し、ああいったCGアニメーションを作りたいと思ったんです。それからCGの専門学校に入って勉強しました。卒業後に就職した会社でプロダクトCGをはじめ、メーカーの店頭プロモーションや展示会、新製品発表会に伴うあらゆるものをCGで制作してきて今に至ります。

さいき:もともとはグラフィックからスタートしたんですね。3DCGの制作には普段どういったソフトを使っているのでしょうか?

藤田:Maya、3ds Maxが主流ですが最近だとblenderあたりも多くの場面で使われるようになってきてますね。  そこで作ったデータをUnreal EngineやUnityといったゲームエンジンを使って各種コンテンツが作られるようになってきています。

さいき:たくさん種類があるんですね…いまだに新しいソフトが出たりもするんですか?

藤田:そうですね、新しいソフトも出てきますし、既存ソフトもバージョンアップするので、本を買ったりYouTubeを見あさって勉強しています。また、得た知識を試してみることで自分の中に落とし込めると思っているので、テスト制作も勉強のひとつです。


Xでのシミュレーション投稿について

さいき:昨年藤田さんがXに投稿していたこのテスト投稿が個人的に気になっていたのですが、これは何のためのシミュレーションだったのですか?

藤田:これはですね、家電メーカーさんとの打ち合わせの中で、先方の担当者が「洗濯機の中の水の表現がうまくできない」と嘆いてらっしゃって…。自分だったらどうするかな?と考えて、波のCGを作るテストをしてみたんです。

N:3DCGでの水の表現ってすごく難易度が高いって聞いたことあります。そういう点で映画の「ファインディング・ニモ」は当時かなりセンセーショナルだったとか。

藤田:そうなんです、CGでの自然現象の表現は難易度が高いと言われています。普段からちょっとしたことでもシミュレーションしたり少しずつスキルを蓄えていくことで、いざ課題が出てきたときに解決方法をスムーズに導くことができ、幅広い提案が可能になると考えています。


課題解決における3DCGの有用性

N:今回の記事は「3DCGでの課題解決」というテーマですが、私はファッションアパレルのクライアントを担当しており毎月モデルや商品の撮影をしています。常に新しい表現に挑戦しようと、スタジオの数がそこまで多くはない関西ではありますが、限られたリソースの中で工夫しながら毎回の撮影に挑んでいます。
3DCGを使えばもっと表現のバリエーションが増える可能性があると感じているのですが、藤田さんはどうですか?

藤田:まさに今そういったことができないかといろいろ試している最中です。ドラマでもとられている手法なのですが、グリーンバックの背景の前で演者が動き、リアルタイムで合成しながら確認する、ということがエンビジョンの撮影においてもできないかと思っていて、フォトグラファーたちと相談しながら試行錯誤しています。

VFX
引用元:THE VIRTUAL PRODUCTION FIELD GUIDE


さいき:背景を合成しながらモデルに動いてもらっている中でシャッターを切る、ということも可能ということですよね…?

藤田:そうですね、動画の撮影画質によっては可能です。

N:ロケだと天候に左右されることが多いのですが、こういった手法が採用できれば、いつでも快晴の日のような光感の写真を撮影することが可能ということですね!

さいき:今までにCGを使って解決してきた課題は他にありますか?

藤田:製品開発ではCGを作ることが多かったです。例えば自動車の開発では先行してCGでシミュレーションを行い、GOサインが出たものを実際に生産していきます。
あとは、ある機械メーカーさんからは機械の無人運転を叶えるためのAIを育てるデータを作ってほしいという依頼がありました。地形データを何百パターンも組んで、そのデータをUnityもしくはUnrealに読み込み、シミュレーションした結果をAIに教える、ということをやっていました。

N:AIとはいえ教育が必要なんですね…。人の手でそういったシミュレーションをしようとすると膨大な時間がかかりますが、それをCGでやることで時間の短縮がはかれるということですね。

藤田:時間の短縮ももちろんそうですし、例えば無人運転中に急に人間が前に飛び出してきてしまった場合など、実際にテストしようとするとかなり危険が伴うシチュエーションでもCG上でのテストであれば安全です。もちろん、すべてCGテストのみで終わりというわけにはいかないですが、仮想的にシミュレーションを行うことである程度の実証はできると考えています。

N:安全・安心という観点でも3DCGでの仮想テストは有用なんですね。


今後の展望

さいき:藤田さんがこれから挑戦したいことはなんですか?

藤田:私がenvisionに入社した理由のひとつに、グラフィックが得意なデザイナーがいる、ということがあります。エンビジョンのデザイナーはそれぞれ個性があり、クォリティも高く、有名コンペで受賞経験のあるデザイナーも在籍しています。

そういったグラフィックと3DCGを掛け合わせることで、表現可能になることが増え、課題の解決にもつなげやすくできると感じています。

例えばこちらのCanonさんの複合機紹介動画は、CGチームにグラフィックデザイナーを加えて制作されたものです。

これについてのインタビュー記事の中で、キヤノン株式会社 総合デザインセンター 岡田篤史氏は以下のように語っています。

「3DCG 表現の中にグラフィック要素を効果的にいれることで、今までにない映像表現が生まれ、アウトプットのクオリティアップとチームへの刺激になると期待した」

グラフィックデザイナー+ 3DCG で企業と顧客をつなげるコンテンツをつくる キヤノン株式会社 総合デザインセンター事例

そして実際、モーションタイポグラフィの採用やフォント、レイアウト、色彩設計などにより映像全体の完成度が上がった、とも述べられています。

このように「3DCG」と「グラフィック」という手法を掛け合わせることでアウトプットのクォリティが上がり、選択肢の幅も広がりますし、それによって課題の解決につなげやすくなるのではないかと考えています。そして、エンビジョンではそのようなクリエイティブが可能です。これからもメンバーとの相乗効果を高めて新たな課題の解決にチャレンジしていきたいと考えています。


当社では課題のヒアリングから、適切な解決方法のご提案、アウトプットのクォリティ担保まで一貫して行っています。是非こちらからお問い合わせください。


●執筆:さいきまい
●インタビュイー:藤田隆司
エンビジョン公式X


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