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既読に縛られる現代のコミュニケーションとSNSとの付き合い方【不適切にもほどがある!第4話】

第4話も冒頭から飛ばしてましたね、ふてほど(使ってみた)
学生時代と変わらず坊主頭を貫いてる教え子に向かって「何それ受刑者」とかサラッと放り込むのがクドカン節。
そういうの全部、拾っていきたいこのドラマでは。

昭和歌謡の特集を組みたいのに歌詞がコンプラ違反すぎて頭を抱えているっていうのが絶妙にリアルでプロット作りが上手いなぁと感心する。
いきなりの沢田研二に爆笑した人は、もれなく昭和生まれ確定ですよね。

不意打ちすぎた「カサブランカ・ダンディ」
アイドルのトンチキソングとは一線を画す本気な感じ。

ききわけのない女の頬を
ひとつふたつ はりたおして

沢田研二 カサブランカ・ダンディ

ジュリーだめだよこれは。アウトだもの。明確な。
昭和でもダメなやつだから。

アウトすぎる昭和歌謡の世界観とインティマシーと、
第4話も盛りだくさんだったけど本題は「SNSとの向き合い方」

前話でLINE(らしきものだけどここではLINEとして)デビューしたばかりの主人公(年齢88歳の米寿設定)はちょっとしたLINEハイみたいな状態になって、グループLINEで現代としては強引なコミュニケーションを展開してしまう。

・なぜ返信がないのか?
・なぜ勝手にグループから退会するのか?
・なぜ返信が揃いも揃って「承知しました」なのか?

LINEあるあるを言いました、みたいになってしまったけども。
こうしたあるあるにモヤモヤするかしないかは個人の匙加減でもあるけど、全くそんなこと思ったことないって言える人の方が、実は少ないんじゃないかと思うんです。

4話のタイトルでもある「既読スルー」問題については、これまで何度も論じられているテーマの1つとしてあまりにも有名すぎる。
既読スルーされるくらいなら未読スルーの方がマシだとか、なんなら「既読をつけずにLINEを読む方法」が上位サジェストされているくらいには、誰しも一度は「既読」の自分なりの落とし所、ひいてはSNSとの向き合い方について、常日頃から想いを巡らせているのだと思う。

ドラマでもきちんと説明されていたけど、元々はLINEの「既読」機能は、有事の際の安否確認や生存確認の代わりとして実装されたもので、既読がつくということは、メッセージを読むことができていますよ、無事ですよ、ということ。
だからドラマのクライマックスのミュージカルシーン(大好き)でも、「既読 それは生存確認」「返事がないのは良い知らせ」と高らかに歌い上げらていて、そうそう!そうなんだよね!の共感の嵐だったのも頷ける。

個人的には、プライベートの連絡で既読スルーは、気になるタイプ。
知りたいのは安否や生存じゃなくて、待ち合わせの時間と場所だから。
チケットどっちがエントリーする?の意思疎通と意思表示だから。

話が脱線したので戻すけど、SNSとの向き合い方というのは、そのSNSが何のつながりなのか?そこでつながっている人との関係性にも左右されるものだと思う。

ドラマでは「SNSは本気で向き合う場所じゃない」「いちいち真に受けたら疲れちゃう」とも歌い上げられていて、それはもう真理なんですが。
TwitterやInstagramのタイムラインに絶えず流れてくる、知ってる人や知らない人の承認欲求にいちいち付き合わなくても、見なくても、人は健康で文化的な最低限度の生活を営んでいける。

ただ、SNSは今やプライベートだけじゃなく、仕事の場でも利用する現代。
場合によっては、携帯の番号を交換するくらいの気軽さと必至さで業務連絡の方法としてLINEを交換することが暗黙のルールになっている企業も少なくないとも聞く。
仕事の付き合いでも、飲み会の連絡のためだけに使うLINEグループにしか召喚されたことがないのは、今となってはラッキーですらあるのかもしれない。

LINEでもTwitterでもインスタでも、プライベートで利用するSNSを仕事というオフィシャルな場面でも併用するから、疲弊する原因になっている気がするけど、断れないことってあるもんね。

1人1台の携帯を持つのが当たり前になった時代は、連絡がついて当たり前の世界になったとも言われているから、特に仕事では「業務連絡のため」にも、いつでもつながれる・コミュニケーションが取れる手段は、決して無駄ではないのだけど。

こっそり露呈すると、当方は社内SNSとしても活用できるサービスを提供するお仕事に関わっておりまして。
コミュニケーションが取れるということを、もっと強化したいけど、強制にはしたくないという企業の声を聞くたびに、SNSの距離感や向き合い方について最適解がないことを痛感する。

個人的にはプライベートのSNSを共有したり交換するよりも、社内SNSとしてコミュニティを作る方が、例えば業務時間外は見る見ないも自由だとする「つながらない権利」のようなルールも設けやすくて、SNS疲れのようなテンションになることなくコミュニケーションができると思う。

でも最後に1個だけ、言わせて。長くなったけど。
ちょっといきなり変わるけど。
Slackにも既読機能が欲しい時って、ありませんか…?
そもそもメンションに気付いているか不安なとき。
「ご確認いただけましたでしょうか」をキャッチしてくれたのか否か。
タスクの進捗が全くわからないとき、スタンプくらい押して?のとき。
とりあえず「既読」って付いてくれたら、キャッチはしてくれてるんだよねって気を揉まずに済むのに…と。

でもSlackに既読が付いたら付いたで、読んだ=把握した=着手してるはずだ
みたいな無言の圧も生みそうだし、Slackには既読いらないか!とも思うし。

やっぱり、最適解が何なのか、まだ自分の中にも見つからない。
とりあえず基本は即レスで生きています。

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