#20 売上高377億円 1923年創業老舗百貨店「大和」の事業推移
注目企業を取り上げていきます。
今回は大和です。
会社概要
地方の百貨店はその地域のシンボル的な存在であり、その地域に住む人々にとっての憩いの場であり、この先デジタルが発展しようとなくてはなりません。しかしながら、2020年に山形県老舗百貨店「大沼」の倒産や、徳島県「そごう」の撤退など地方で続々退店が続いており、地方百貨店の存続が危ぶまれています。そのような中、大和も北陸の金沢・香林坊店と富山店の2店舗のみとなっています。以前は新潟、長岡、上越、高岡、小松などでも営業をされていましたが、いづれも閉店しました。そんな大和の事業推移を確認します。
業績推移
売上、営業利益
売上は10年間右肩下がりです。
2021年通期は上期の臨時休業や高岡店閉店により、前年と比べて△22%減少。2022年通期は新型コロナ前の水準まで回復していませんが、対前年増減率11%増の377億円。5年間のCAGRは△4.05%です。5期平均の営業利益率は△0.3%となっています。
店舗別売上高
次に百貨店業における店舗別売上推移です。
22/2月期では香林坊店が200億円、富山店が161億円となっています。
香林坊店においては、19/2月期で前年と比べ2%増加しています。化粧品コーナーの拡充や化粧品新規4ブランドの出店など顧客層の拡大が好調の要因のようです。
商品カテゴリー別売上高
アパレル部門は売上の減少が続いています。13/2月期が179億に対して、22/2月期が88億円とこの10年で約半分になっており、新型コロナの影響も考えられますが、厳しさが増していると言えそうです。一方で、唯一増加したのが雑貨部門です。13/2月期は55億円に対して、22/2月期は64億円と増加傾向にあります。
コスト構造
次にコスト構造を見ていきましょう。
22/2月期の売上原価率は79%、販管費が22%となっています。
財務状況
流動負債、固定負債、純資産を見ていきます。
13/2月期は有利子負債189億円、現金31億円。22/2月期は有利子負債88億円、現金20億円となっています。自己資本比率は11.13%です。2019年2月期に店舗閉鎖損失49億円を特別損失として計上しています。
BS全体を見ていきます。
資産の部からです。
22/2月期の総資産は267億円です。
流動資産が54億円、固定資産が213億円です。流動資産のうち一番多いのが現金で20億円。その次が売掛金で15億円、商品が14億円となっています。有形固定資産は168億円となっています。
次に負債です。
負債の合計は237億円となっており、流動負債が171億円、固定負債が66億円です。
最後に純資産です。
純資産の合計は30億円。そのうち、資本金が34億円、資本剰余金が12億円、利益剰余金が△22億円です。
キャッシュフロー
最後にキャッシュフローです。
13/2月期〜21/2月期において、フリーキャッシュフローはプラスになっています。
以上、大和の事業推移でした。
今回も最後まで読んでいただき大変ありがとうございます。
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