エネルギー雑談「カタール、LNGを大増産。」に思う。

「カタール、LNGを大増産」という記事が掲載されている。

世界が天然ガスの争奪戦となり、カタールがノースフィールドのガス田の開発を進め、米国はシェールガス由来のLNGを輸出する…こうした状況はダニエル・ヤーギン著"QUEST"、中でも"THE NATURAL GAS REVOLUTION"を始めかなりの紙幅を割いて描かれている。本書は中古で購入したので、MAY2013という印字が押されている。2010年代初頭はまだシェールガス革命黎明期だったと思う。本書出版時に、将来を冷徹に見通したヤーギンの知性には驚かされる。

カタールのLNG大増産計画は、数年前から海外メディアや一部の日本のメディアは報じていた。昨年(2023年)の7月、総理や政府関係者が中東を歴訪していた際も、この記事に書かれているような情報など幾らでもあったと想像する。

しかしながら、以下の記事などから、LNGの輸出入にまつわる日本政府の姿勢は産油国にあまり良く思われていないという印象を感じる。日本のエネルギー政策に疑念が持たれた一幕だと思う。

ここ数年、メディアは脱炭素一色で、実現性の怪しい技術の太鼓持ちのような報道を行ってきた。そうこうしているうちに昨年秋から裏金問題が勃発、さらに令和6年能登半島地震が発生し、完全に政治的空白が生じてしまった。認めたくは無いが、国力の低下は事実だと思う。

中東の国は日本に比べて決断までの時間軸が長い(のんびりとしている)と言われがちである。しかし、冒頭の記事で挙げた、アグレッシブな投資を続けるカタールは現下の日本よりも遥かにスピード感と高い国際感覚を持っているという印象を持つ。

それにしても、急速に斜陽化していく政府・自民党、さらに日に日に混乱を深めていく国際情勢を見ていると、何とも心もとない。

参考文献)
1)Daniel Yergin, "THE QUEST Energy, Security, and tehe remaking of the Modern World"

以上。

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