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モノローグ穴の会を覗けば

静岡市で定期的に行われてる「モノローグ穴の会」
脚本家の渋谷悠さんによる「モノローグ集」のテキストを使って、参加者が思い思いの演技を見せるという試み。

伽藍博物堂の佐藤剛史さんが、コロナ渦でいろいろな制限がかかった中、何かできることはないかと考えてたどり着いたミニスケールのイベントです。

各エピソードは2分~15分くらいのものまで様々。舞台装置はシンプル、派手な効果も無いし、ダイナミックな演技もほとんどない。
そもそものコンセプトが「書かないと消えそうなもの」ということなので、日常の一部なんじゃないかと思うようなシチュエーションがつづられています。

シンプルであるほど演じる側の力量が試される。ところが、実際に公演に臨んでいる役者さんたちは、変に力むこともなく伸び伸びと舞台に生きている。何度目かに観てようやくフラットな気持ちで観られる自分になってるなと思いました。

それはたぶん、今回のラインナップと役者さんがすごくマッチしていたことや、回数を重ねて「穴の会」がホームだと思えてる人が増えているためなんじゃないかなと思います。「帰ってこられる場所」として落とし込めるのは、生活の中でもとても大事な感覚です。僕は、帰ってくる場所を提供する側の立場なので、たとえ同じ団体じゃなかったとしても、関わってくれた人にその感覚を持たせることが、できるのだろうか。

そんなことを考えた観劇でした。
一番目の演目で、たまたま演者さんと目が合う瞬間があって、その時のセリフが

「あなたは仕事ができない」



ちなみに、観劇した中ではどれもよかったんですが、強いて言うなら「批評
」と「ソクバッキー」がお気に入り。あ、あとお葬式のやつもめっちゃよかったし、調律師のやつも雰囲気が好きだし、圧迫マニアの話もぶっ飛んでるし(しかもその後が「束縛」て)、引っ越しの準備の荷物が辛いものばっかりだったのもツボだったし(意図的なのか…?)、魔法少女はずるいし。

前々から、浜松でもやりたいねと声をいただいてはいますが、なんとかなりませんかね、佐藤さん。

ちなみに、モノローグ集「穴」、「ハザマ」はアマゾンでも買えます!


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