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芸人のネタが資本になる世界

このnoteは2020年4月24日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

おはようございます。
ギリシア神話や日本神話を読み漁っているうちに、「神々は基本、空気を読まない」という結論に至ったキングコング西野です。
#アイツらはすぐに怒る

さて。
今日は昨日投稿した記事「芸人のネタ(単独ライブ)が資本になる世界」の延長戦です。

昨日の記事を読まれていない方は、先に読んできてくださーい。

ネタ(単独ライブ)をギフトにする

前半は、実現性の高い話をします。

これは、あらゆるサービスに言えることなので、ご自身のサービスとも照らし合わせていただきたいのですが、多くのサービス提供者は、「利用者=購入者」という考えで固定されていますが、たとえば、現在、僕がおこなっているクラウドファンディングでは、映画『えんとつ町のプペル』を「利用者≠購入者」にしています。

これまで映画というものは「観たい人」がお金を払っていたのですが、ここでは「観せたい人」がお金を払っています。

これを僕は『ランドセル型ビジネス』と呼んでいますが、利用者と購入者が別なんです。
要するに『ギフト(贈り物)』ですね。

貧富の差が激しくなればなるほど、ここの需要は高まるので、「自分の商品×ランドセル型ビジネス」という考えは持っておいた方がいいと思います。

芸人の単独ライブもまったく同じで、今のところ「利用者(単独ライブを観たい人)」にしか、単独ライブを販売していません。

ところが世の中には、「この芸人のネタ、観てぇ~、超ウケるww」といった調子で、「観せたい人」がいます。

僕自身、「これ、超オモロイから!」と言って、立川志の輔師匠の落語のYouTubeのリンクを貼り付けて、友人にLINEで送ることがあります。

ところが、そこで僕の友人がYouTubeを一回再生したところで、立川志の輔師匠のもとには、0.3~0.5円ほどしか入りません。

僕は友達に観てほしいし、立川志の輔師匠のことが好きで好きですたまらないので、300円払ってでも、立川志の輔師匠の落語を友達に観せたいんですね。

せっかく、ここの需要があるにも関わらず、芸人のネタ(単独ライブ)というのは『観せたい人』から1円も取れていないんです。

LINEスタンプが「使いたい人」と「使ってもらいたい人」の両方に販売しているように、芸人のネタ(単独ライブ)も「観たい人」と「観せたい人」の両方に販売できるようにして、購入したネタ(単独ライブ)をサクッと贈れるようにしてみては? という提案をKDDIさんに提案してみました。

ここまでは、実現性の高い話です。

「価値の変動」を利用して、利益を作る

ここからが「実現性は高くないけど、面白い話」です。
(※明日から普通の投稿に戻りますので、今日は西野の妄想にお付き合いください)

まず、僕らが受け止めなければいけないことは、「大量消費型のビジネスはチョイ厳しい」という現実です。

世の中はモノで溢れ、趣味は細分化し、なにより、こと日本においては人口(お客さん)が減っています。

こうなってくると、大量に刷って、たくさんの人に売る『浮世絵』のビジネスはなかなかハマりません。(買う人の人数が少ないので、売り上げに繋がりません)

今、僕らがヒントにしなくちゃいけないのは、一人のお金持ちに売る『ヨーロッパの絵画』で、となってくると「点数(作品数)を減らして、価値を生む」という作業が必要です。

(めげないで!頑張って話を聞いてください!)

KDDIさんとの打ち合わせの時に「動画のコピーガード(複製防止)って、どのぐらいの精度でやれますか?」と訊いたところ、「思っている以上にやれます」と返ってきました。

ならば……

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