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あなたは、スーパーのチラシのデザインをどう思いますか?

もうすぐ50歳Pです。

新年明けましておめでとうございます。

今までが精神的な?考え方だったので、より具体的な話を一つ。


まず質問です。

「あなたは、スーパーのチラシのデザインをどう思いますか?」

どう思いますか?と言われても。という方も多いと思います。

例えば、イケているデザインだと思うのか?

あれを見ると商品を買いたい気がするのか?など、いろんな視点があると思います。


今日の話は、「型」を知って、「型を崩す」という話です。

私は長い間、映画の仕事をしてきました。

皆さんも、映画のポスターをたくさん見られたことがあるかと思いますが、なんとなく、どれも似てるような気がしますよね。

なんだか、下の方にキャストの名前やスタッフの名前があって。

真ん中に主役の顔があって、、、などなど。

自分だったら、もっと斬新な面白いポスターが作れるのに、、、、と思ったことはないでしょうか?

私も昔そう思ったことがあります。

実際、キャストの大きく顔が出ていないものや、凝ったもの、いろいろ作ったことがあります。

そこでわかったことが、、、

ああ、映画のポスターというのは、スーパーのチラシなんだ。販促物なんだ。ということです。


どういうことか。

スーパーのチラシのデザイン。

多分、デザインを学んだ人からすると、シンプルにイケてないデザインだと思います。

商品カットの並べ方もごちゃごちゃして、色使いもどぎつく。

そして、安い値段が、ドーンと。

でも、スーパーの販促のお仕事をしている人たちが、長年の歴史の中で、あの形が一番生活者の購買欲をそそる。そして実際、結果が出ているから、ああなっている。それを見逃してはいけないということです。

そして、生活者もそれに慣れてしまっている。ということです。


映画のポスターも同じです。

過去に、何度か、あのビリング(キャスト、監督、原作、ETCの文字)を真ん中の下でなく、別の場所においたり。

ビジュアルをかなり凝ったりしてみたことがあります。

すると。。

不思議なことに、見えないんです。

映画のポスターに。

※お時間のある方は試しにやってみてください。

そうなんです。

あまりにも、今までのデザインに外れすぎると、映画のポスターに見えないんです。

そして、キャストを真ん中に大き目に置かない場合、ど単館の映画にポスターに見えたり、業界の評判はよくても映画館でのチラシのはけはよくなかったりします。

映画にとって、キャストの要素がいかに大きいのか。ということを物語っていると思います。


間違ってほしくないのは、今回の話は、なので今まで通り、前例通り、宣伝物をつくるべき。

という話ではありません。

当たり前ですが、新しいものを提示してゆかないと、ユーザーは振り向いてくれません。


ただ、今までそうなっているにはそれなりの理由があり、それをきちんと分析した上で、今の時代にどうアレンジしてゆくのか?という、過去に対する分析やリスペクトがないと、大失敗しますよ。という話です。

実際、映画業界以外からの人が、なんだよ、あのイケてないデザイン。自分ならもっといい感じのがつくれるよ。と言ってつくったものも見てきました。

実際、デザインはイケてたかもしれません。

でも、機能はしませんでした。

あくまで、ポスターは、映画の「宣伝物」なんです。

作品ではありません。(→「販促」を突き詰めることで作品にもなるという逆説もありますが。)

新しく機能するものをつくるのであれば、過去の宣伝物を研究し、その上でどこまでずらせば新しく見えるのか、一歩だと、やりすぎかもしれない。半歩、いや1/4歩ずらずことが重要なのかも。と自問自答してみてください。


例外的に、超大作や超話題作は、全く上記の考え方に乗っ取る必要はありません。そもそも話題になることはわかっているので。1歩、いや2歩ずらしても問題ありません。

エヴァンゲリオンの宣伝などは、そういう意味では自由度が高いと思います。


どんなことでも、時代に合わせた改善、改革は必要です。

でも、今はイケてないものでも、今までの経緯、理由が必ずあるはずです。

その歴史をすっとばしてしまうと、2度手間になりますので、気を付けてくださいね。





















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