苦しみ学のススメ 2
『幸福学✕経営学』(内外出版社)から2年。
苦しみについて考えてみたい。
なぜなら、苦しみがあるから。
苦しみから逃れることなく、
ごまかすことなく、
苦しみと向き合ったとき何があるのか。
そう、苦しみの意味を深めてみたい。
苦しみの恩恵を探ってみたい。
メタファーは、干し柿!
渋さがあるから、甘くなる♪
もちろん、皆で苦しみましょうという運動ではないです。
2600年前、仏陀は、
人生は苦だらけだと喝破した。
でも、苦だらけだと言っただけじゃなくて、
なんで苦だらけなの?(why)
どうやったら苦から離れられるの?(how)
も示してくれた。
いわゆる、四諦八正道というやつです。
これは、仏陀が悟った後にはじめて行った説法で、
仏教の一番の骨格といっていい。
仏陀の説き方の本質は対機説法であり、
相手や状況に応じて、
悟りを開いた後45年間の活動の中で、
四諦を、繰り返し述べている。
「苦=dukkha」は、苦しみと訳されるが、
わたしたちが使っている苦しみとは、
違う側面に焦点があたっていることは重要である。
例えどれだけ裕福で満たされているように見えても、
そこに存在する不平不満。
核心は思い通りにならないということであり、
あえて日本語にするならば、「不満足」が近いだろう。
密教についてご指導いただいている清風学園校長の平岡宏一先生から、
ダライ・ラマのエピソードとして次のようなお話を伺った。
ダライ・ラマが初めてアメリカに滞在するときに宿泊させてくれた家は立派なお屋敷でとても裕福であった。朝歯を磨こうと洗面台に行くと、ふと目に止まったのは精神安定剤だった。これほど裕福でも心に苦しみを抱えているのだと驚いたという。
平岡先生は続けて解説くださった。
衣食足りていない人に憐れみ、
衣食足りている人に嫉妬というのは、
苦について分かっていない証拠だ。
すべての人に苦があるのだ。
そして苦には3つの種類がある。
苦苦、壊苦、行苦である。
苦苦とは傷ついたり、病気になったり、動物でも分かる苦しみ。
壊苦とは、変化することで喜びの原因が苦しみの原因にもなるということ。例えば新車が手に入った時は嬉しいが、傷ついた途端にがっかりするということがあろう。運命の人と思える出会いもやがては終りが来る。
行苦とは、老いさらばえていくこの肉体をもってしか行ができないという苦しみ。業の結果人間に生まれていることであり、輪廻から脱することができないこと。
大概の人が追い求めている幸福は「壊苦」であることは、
しっかりと心に留めておくべきである。
そして、とっても大切なことは、
苦とは何かを分からないと、
「慈悲心」を育むことはできないということ。
慈悲については、こちらに書いた。
https://note.com/ensou_biz/n/nb88ec43ead5c
そして、
苦しみが何か分かることで「慈悲」に入ることができる。
苦しみの探究は続く♪
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