さよならメランコリー
秋も深まりつつあった10月半ば、職場近くのドラッグストアでこんな表示を見かけた。
見た瞬間、得も言われぬ喪失感に襲われた。
ああ…そうか、廃番になってしまうのか…。
この記事でも熱弁したけれど、私はマジョリカマジョルカのマジョルック(イルミネーター)というアイシャドウに人一倍思い入れがあった。
中学生の頃から大好きで、いつか大人になったら絶対買う!と決めていた憧れのコスメ。
不思議な模様の描かれたクリームベースと、個性の強いカラー3色のシャドウパレットは乙女心(中二心)をくすぐった。パッケージのデザインも繊細でかわいくて。
でも、時代はどんどん移り変わっていく。
そもそもこのアイシャドウの発売は2006年。マジョリカマジョルカはその間にイメージガールもブランドのイメージも変わった。ブランド的に今は単色シャドウ(シャドーカスタマイズ)を押し出しているように思えるのと、次の新作が全く方向性の違うパレットなのもあって入れ替わりで廃番になるのだと思う。
一方イルミネーターの最後の限定色発売は2016年。むしろ16年もの間定番商品だったことがすごい。
それでも、寂しいものは寂しい。
というわけで、廃番になる前に…と2色を購入しました。
私が憧れてやまなかったBL763ブルースはとっくの昔に廃番になっているけれど、当時の女子高生はみんな使っていたであろうメランコリー、友達が憧れていた珍しいピンクのフラワーガール。
早速使ってみる。イエベ寄りニュートラルの自分に青みが強く鮮やかなフラワーガールは似合っているとは言い難かったけれど、すごく可愛らしい。特に右端の紫っぽいピンクはなかなか見たことがない色だ。
メランコリーは昔から持ってたっけ…ってくらいしっくりくる色味だった。どの季節でもちょうど良い明るいブラウン。
ついでに手持ちのマジョルック(イルミネーター)を並べてみた。
上段が今回買った2つ。
下段左は定番のBR799妖艶。グレーがかったブラウンがすごく綺麗。濃いココアみたいな締め色も大好き。正直似合っているかは微妙だったけれど、底見えするくらいによく使っていた。
下段真ん中と右は最後に出た限定色。よく見るとパッケージの柄が少し違っている。ベージュの方がBE700夜のドレス、ピンク系がPK700昼のドレス。名前も色味もとにかくストライクだった。発色は淡め。
秋にやって来た青春との別れ。きっと冬になる頃には明るく華やかな新商品に入れ替えられ、誰かの記憶の片隅にだけ存在するコスメになるんだろう。
この記事は思い出の記録と同時に、誰かが目に留めて買ってくれたら嬉しいななんて思って書きました。ひとりでも多くの人がこのアイシャドウを憶えていてくれたら嬉しいので。
今までもお気に入りコスメが廃番になったりブランドごと消滅したりはあったけれど、このアイシャドウは特別。最後に立ち会えただけむしろ幸せかもしれない。
今年の秋冬はメランコリーを愛用していこうと思います。もちろんフラワーガールも。
さようなら、大好きだったイルミネーター。