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地獄に落ちちゃったらどうしたらいいの?

今日はお薬師さまのご縁日。
お薬師さまは四十九日のご本尊でもあります。
亡くなった方はお薬師さまにお会いした後
次の転生でどこに行くかが決まります。

十王信仰では四十九日に会うのは泰山王。
中国の聖地と考えられていた泰山の王であり、
陰陽道などで閻魔さまの側近とされ、延命を祈る
泰山府君はこの方と同体と言われています。

写真、左はもしかしたら薬師如来?薬壺を持っておられるように見えます。

先日の続き。

今でも地獄絵や六道絵は仏名会や盂蘭盆会、施餓鬼会といった
法会で掛けられ、僧侶が絵解きの法話を行なうことが
あります。

小さい頃こういう法会に行って絵が怖くて泣いちゃった、
という思い出をお持ちの方もいらっしゃるかも知れませんが、
大人になってからも地獄を恐れてる人はそこまで多くないでしょう。

とはいえ、そこまで悪いことをしてなくても
もし地獄に行っちゃったらどうしたらいいの?というのは
気になるところ。

以前十界互具ということについて書きました。

これは、六道の地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天に
声聞・縁覚・菩薩・仏の四つを加えた十の境界の
一つ一つが互いに他の九界も備えている
ということ。

仏菩薩の世界にも地獄・餓鬼・畜生などの要素があることが
仏菩薩が六道の衆生を憐れんで救済しようとする原動力となる
と説明されることもあります。

仏菩薩はすでに輪廻を離れ、六道の世界で苦しむことは
もうないのですが、六道の衆生の苦しみを知っているから
あえてその世界にやってきて救済の働きをされます。

中でもお地蔵さまや観音さまは六道のどの世界でも
行くことができるという神通力をお持ちで、
六道の世界を遊行しておられます。

菩薩の働きの中に「代受苦」というのがありますが、
これは苦しみの中にいる人に代わってその苦しみを
受けるということ。

お地蔵さまや観音さまは地獄にまでもやってきて
苦しみを代わりに受けてくださることがあります。

そのためにはもちろんお地蔵さまや観音さまと
ご縁があることが必要です。
生きている時にご真言をお唱えしたり、
お姿を見て手を合わせたりしていれば縁が結ばれます。
観音霊場巡りも結縁の非常に良い方法。

さらに日々観音さまやお地蔵さまを思って
お経をお唱えしたりお香やお花をお供えしたり
縁を深めておくことも大事です。

もしあなたが地獄に行ってしまっても
そういう功徳を積んでいれば、お地蔵さまや観音さまの
遊行の時にお会いできる可能性が高まります。

地獄の苦しみは間断なく続くのですが、
もしお会いできれば観音さまやお地蔵さまが束の間
その苦しみを代わってくださるそうです。

その僅かな時間に生前行なっていたことを思い出して
観音さまやお地蔵さまのご真言をお唱えできれば
その裾につかまって脱出することができるかもしれませんし
「南無阿弥陀仏」と念仏すれば阿弥陀さまの救いに
あずかることもできるかもしれません。

ここのところ念仏のおすすめみたいな内容が多いですけど(笑)

真言宗はどちらかというと、地獄に行かないように
あらかじめ手を打っておきましょうね、という方針です。

お不動さまが最後の最後で地獄に行っちゃいそうな人を
助けに行ってくれることがあると書いたことがありますが。

これは要は生前行いに気をつけつつお不動さまを信仰し
亡くなったら四十九日までの間残された方々に追善供養を行って
もらって、地獄行きをまぬがれようということ。

もちろん落ちない方がいいんですけど、
もし落ちちゃった時のことも考えて仏さまを信じてみてはどうしょう。

落ちない方法も、落ちてからの対応法も知っておいて損はないかな。

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