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施餓鬼供養。

最近立て続けに「施餓鬼供養について頼まれるんだけど…」
というお話を僧侶友達から聞くのですけど。
何でしょう?流行ってるの?

と言いつつ、祥鈴庵のメニューにもあるんですけどね。

施餓鬼は主に餓鬼道に落ちた衆生に食事などを施してご供養すること。
餓鬼道だけでなく、広く一切の諸々の精霊に供養します。
これは慈悲の思いから行うお布施であり、その功徳は大変大きなもの
とされています。

お盆の季節に盂蘭盆会と合わせて施餓鬼法要がよく行われます。
これは施餓鬼の大きな功徳をご先祖さまへ回向しようということですね。

でも別に夏に限った行事ではなくて、多くの宗派のお寺では
日常的に行なってます。
お塔婆を書いてご供養をお願いできるお寺もけっこうあります。

よく勘違いされるんですが、ご先祖の中に
もしかしたら餓鬼道に落ちてる人がいるかもしれないから行う
というわけではないです。

前にも書きましたけど。

白楽天さんにお坊さんが教えた教えは「七仏通誡偈」という偈文の前半部分。
「諸悪莫作 衆善奉行
 自浄其意 是諸仏教」
悪いことをしないで、いいことをして、自分の心を清らかにする。
これが諸仏の教えです。
ということですが。

いいことって何なん、というと、
これは最も簡単にいうと
慈悲の行いをすること。
これが三毒のうちの一つである貪欲をおさめる布施です。

布施は別にお金や食べ物をあげるだけでなく、
笑顔で人に対するとか、優しい言葉をかけるとか、席を譲るとか、
仏法について教えてあげるとかいうのも布施のうち。
普通に人に対して親切にするということがすでに布施ですね。

普通に穏やかに社会で生きている人は皆、特別に何かしなくても
お互いに布施しあってるわけです。

なので、ことさらに大量の功徳を布施しないといけない
と思う場合というのはどういう時かってことが気になるわけですよ。

もちろん、先祖供養のために施餓鬼供養を行うのは
ご先祖さまという人たちはすごーくたくさんいらっしゃるから
大量の功徳を回向して差し上げると思うと悪くない発想です。

ですがそれ以外には?

ここ考えどころだと思うんです。

慈悲の行いというのは、何か欠けてるものを埋めるために
行うのではありません。
この世界でお互いに平和に心安らかに生きていくための
基本的な行動の仕方です。

僧侶の行う作法は単なるサービスの提供ではありません。
お力を及ぼしてくださる仏さまを信じる心から行うという
共通認識があることが前提です。

インフラ整備のようなもの、というお話を前にしましたけど、
施餓鬼供養もこれに近いです。

我らも衆生も皆ともに。
どのような供養も、その心あってのこと。

功徳広大なことだからこそ、まあるい豊かな気持ちで
行なっていただけたらな、と思います。


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