見出し画像

怖い怖い地獄。

今日はいろんなところで雪が降って
また寒さがぶり返しているようですね。

意外と3月上旬というのは突然雪が降ったりして
そういえば国立大学の二次試験などの日に
突然雪でびっくり!ということになりがち。

体調も崩しやすいので気をつけて春を待ちたいですね。

今日6日はインターネットラジオの放送日。
今回はお大師さまについて。

本放送は6日の21時30分〜Bチャンネル、
再放送は7日の13時30分〜Aチャンネルです。

先日十三仏さまのことをを書いたときにサラッと
十王信仰から来てると書きましたけども。

十王信仰というのは、地獄で亡くなった人に対して
忌日ごとに生前の行為を十人の冥府の王が審判し、
それによってその後の行き先、地獄などの厳しい場所での刑期の
長さが決まるとされるので、
その十人の冥王に対してこちらからご供養などを行うことで
情状酌量をお願いしようというものです。

道教や中国仏教の影響を受けて発展し、日本にも持ち込まれました。
閻魔さまが中国の昔の官吏の装束を着ているのはその名残です。

裁判ですので結構厳しいのですね。
閻魔さまが持っておられるアイテムはそのためのもの。
浄玻璃の鏡は亡くなった人の生前の所業をつぶさに映し出し
人頭杖はそこについている男の頭が生前に行った悪事を
女の頭が善事を閻魔さまに告げると言われています。

なかなか怖い一方だったのですが、仏教と習合することで
それぞれの十王に仏さまが対応して配置され
救済の働きを強めることになりました。

その十王のうちの閻魔さまだけがクローズアップされて
今も単独の信仰として残っています。

地獄というとなんとなく地の底にあるイメージですね。
六道の最下層ということからも、別名を「奈落」というところ
からもそんな感じです。

ちなみに「奈落」はサンスクリット語の「ナラカ」の音写。
地下にある牢獄、あるいは地獄という意味。

世界の神話や宗教では、死んだ後の世界はおおむね地下に
あることが多いです。
特に悪いことをした人が行く懲罰的な世界は
ろうと状になった地下の深いところにあり、炎や氷などで
閉ざされているというイメージ。

仏教の地獄のイメージはインドの民間信仰の死後の世界が
中国に渡って道教と混淆し、仏教伝来と共に日本に伝わりましたが
世の中の人が思う地獄のイメージはほぼ
恵心僧都源信の書いた「往生要集」とそれによって
インスパイアされた六道絵や地獄絵などの仏教美術からきています。

恵心僧都源信は平安時代半ばごろの天台宗の僧侶。
この方が寛和元(985)年に称名念仏を勧めるために
書かれたのが往生要集。
日本における浄土教の基礎を作った重要な著作です。

この方とこの本のおかげで日本の人たちの心に地獄の恐ろしさが
刷り込まれ、大いに仏教の布教に貢献しました。

特に、「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽に行けるという
浄土系の教えは、地獄に行きたくない善男善女に大変
アピールしました。

本当に念仏は平安後期以降日本人の心をわしづかみしたのですね。

理趣経の後半部分「毘盧遮那仏」と何回もお唱えする部分が
付け加えられたのはこの時代ごろと言われています。
真言宗のお坊さんたちも、称名念仏の隆盛がかなり羨ましかった
のかもしれません。

しかし、現代は情報化の時代。
1000年以上昔のイメージをそのままで怖いと思ってる人が
そこまで多いかは疑問。

地獄ものってエンターテイメントの世界ではわりと
ポピュラーになってますしね。

このお話、なかなかいろいろありますので
ほんのり次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?