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絶望している暇はない
黙っていても差しのべられる気遣いに、
大きな感動を覚えました。
ク作家 (著), 生田 美保 (翻訳)
「絶望している暇はない」はこの本の帯に書いてある文言です。
著者は「物心ついたときから耳が聞こえず、近い将来目が見えなくなる病気にかかっている」方です。
私は完治が難しいと言われる自己免疫疾患(血管炎)患者であり、さらに適応障害患者なのですが、診断が下されたときは「なんで自分ばかりこんな目にあわなきゃいけないんだろう」と落胆したものです。
しかしこの著者は私をはるかに超える難しい状況におかれています。自分がそうなったときのことを考えるだけでこわくなってしまいます。
しかし著者は絶望するのではなく、目が見えて自分で歩けるうちにいろいろなところを歩こうと決心して世界各地に飛び出していく。各地で触れた人々の優しさや感動する出来事を綴ったのがこの本です。
バンコクの寺院、ワット・ポーに行くとき、船のチケット売り場の係員さんに聴覚障がい者であることを伝えます。チケットを買ったあとその係員さんは後ろに並ぶ他のお客さんがいる中で、著者を船着き場まで手をつないてエスコートしてくれたそうです。著者は聴覚障がい者とは伝えたものの、視覚障がい者とは言っていません。でも係員さんはおそらく著者が目が見づらい人であると分かったんだろうと著者は言います。
バンコクで出会ったこのやさしさに感動し、係員さんとハグをして別れたそうです。
とても心が休まるエピソードでした。
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