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道路ってどうやってつくってるんだろう?を教えてくれた。『どうろをつくる じどうしゃ』

 ちいさなため息。また工事か。車線規制でいっきに流れが悪くなる。それでいて、車線変更と譲り合いが華麗におこなわれ、なんとなく車同士のコミュニケーションがとれた時は、気分がいい。いつの間にかはじまり、黄黒シマシマ看板の位置がなんとなく移動していて、なんとなくすっきりしたなと思った時には、道路工事が終わっている。その場所で工事をしていたことはすぐに忘れる。何食わぬ顔で、また毎日走る。

深夜の工事現場は黄色のトラックを照らし出すライトのオレンジ、赤色の点滅を、時間が止まったみたいにぼんやり眺める。けっこう好きなのだ。現実に引き戻すかのような振動を感じた時、巨大ローラーが地面を平らにしていた。壁紙を貼ったときに伸ばすローラーのおおきいやつみたいな。そういえば、昨日は違う車だった。道路工事は工程によって自動車の車種がいろいろある。そりゃそうだろう。普通に考えればあるよな。知らぬ間にはじまり、知らぬ間に終わっている道路工事。作り方を調べてみよう。専門用語うっとおしい。そのとき手に取った幼児向け絵本。これ、幼児向け?車種も道の作り方もポイントがよくわかる。これだけで明日から自分で道をつくれそうな気分になった。この本の一番好きなところは、道路パトロールカーが道路を点検することろ。確かに!そこからはじまるっぽい!

『どうろをつくる じどうしゃ』鈴木まもる さく・え 金の星社 1996年


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