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飽き性だっていいじゃない。

「あなたは熱しやすく、冷めやすい人ね」

そんなことを言われたことがあるだろうか。もしくは、

「飽きっぽい人ね」

でも良い。

僕は友達からも付き合った彼女からも「飽きっぽい」と言われる。
自分でも十分自覚している。何か一つのことに何年も熱中できる人がいると、とても羨ましいなと思う。

例えば、ここ半年くらいずっとアイドルの乃木坂46にはまって、Youtubeで永遠と乃木坂46のライブやバラエティ番組を見ていた。今、アイドルの興味は欅坂46に移っている。好きなバンドができると、気に入った曲だけを永遠とリピートし続ける。アルバムを全部聞こうとはあまり思わず、飽きたら当分そのバンドの曲は聞かなくなる。

音楽だけでは無く、服も映画も本もそれなりに好きだけど、それなりにしかしらない。パリコレでブランドの新作をチェックするほどでもないし、映画も毎週絶対映画館に行くわけでもない。本にしたって、好きな小説家はいるが、全作品を読んでる作家は1人もいない。どうも、自分の満足いくところまで情報を吸い取りきると、ふっとロウソクの火が燃え尽きるように、興味が失せてしまうようだ。

趣味以外の話でいうと、仕事においては器用貧乏な方だと思う。負けず嫌いなところもあるので、何か任されると70点くらいまでは頑張るし、なんとかこなせるんだけど、120点で突き抜けることはない。今の仕事も好きだけど天職だとは思えていない。普通に辛いなぁと思う時の方が多い気がする。

興味対象がコロコロと変わる中で、一時期TED Talkにはまっていた時期があった。マットカッツの「30日間チャレンジ」、アポロ・ロビンスの「注意をそらすテクニック」、ロバート・ウォルディンガーの「何が良い人生を作るのか」など。TEDをよく見ている人ならわかるかもしれないが、これらはTEDのホームページ内でよく見られているランキング上位に出てくるトークで、ある程度遡ってパタリと見るのを辞めてしまった。

そんな時に出会ったのが、エミリー・ワプニックの「天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?」というトークだった。

この登壇を見たとき、飽き性の自分を肯定してもらえたような気分になった。ちょうど、自分が本当にやりたいことってなんだろうと思って悩んでいた時期で、iPodにダウンロードまでしてしまった。

エミリーはいろんなことに興味を持つ人のことを「マルチポテンシャライト」と名付け、複雑で多次元的な問題が数多くある今の世の中でなくてはならない存在だと語る。

飽き性は逆に捉えれば好奇心旺盛な人で、つまみ食いしていった好奇心を組み合わせて新しいアイデアを生み出せる。一つのことに熱狂できるスペシャリストはスペシャリストなりの素晴らしさを持っていて、マルチポテンシャライトも同じように素晴らしさを持っている。ジグソーパズルのピースのようにお互いがお互いの欠けたところ埋める存在である。

マルチポテンシャライトは二酸化マンガンのような存在だと、僕は思う。二酸化マンガンといえば、小学校の理科の実験で同じみの酸素を発生させる時に必要な化学物質だ。酸素を作る時、二酸化マンガンは触媒として働く。触媒とは化学反応の際に、それ自身は変化せず、他の物質の反応速度に影響する働きをする物質のこと。

何かで一番になることはなくても、一番になりたい誰かの力を増幅される触媒足り得る。飽き性はそんなポテンシャルを持っていると思う。

だから、自分は飽き性で、はまれるものがないと思う人は、全然落ち込む必要なんか無くて、あなたの周りの好きな人のために何ができるかを考えてみるといいと思う。飽き性な人は、誰かのためにならめちゃくちゃ頑張れる人だと思うから。

TEDの最後でエミリーはこう締めくくる。

内に秘めた情熱を大切にし 好奇心を追って いくつもの穴に入り込み その好奇心の交差点を追求してください 内に秘める情熱を大切にすることが 幸せな本物の人生につながります もっと大切なのは マルチ・ポテンシャライトの皆さん 世界が私たちを必要としています。

飽き性の人に、幸あれ!

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