見出し画像

人が最も美しい瞬間は、「覚悟」を決める瞬間だと思う

覚悟を決める瞬間は美しい。

会社の営業でアポイントメントを取るために電話機の前に座る瞬間も、片思いしている好きな子を帰り際に袖を引っ張って引き止める刹那も、独立や起業をしようと思って上司に退職の意を伝えた日も。

覚悟なんて言い回しを使うと、何か壮大な決心をしなければならない雰囲気が出るけど、自分の中で何かを”決めた”ら、それは覚悟した時だ

どんな些細なことでもいい。人が「変わってやる!」と決断して、一歩前に進んだ瞬間というのは、ただの石っころがダイヤモンドに生まれ変わったときのような輝きがあると思う。覚悟を決めるってことは、新しい自分になるってことだ。弱い自分や嫌いな自分を受けれいて、それを乗り越えること。

最近、改めて覚悟の美しさを感じさせてくれた1人の女の子と友達になった。

彼女の名前は柿沼さん(@oisigyunyuchan )。この間、秋葉原にあるコワーキングスペースで「本当にあった、クスッとしちゃうラブホテルのつかい方展」という展示を開いた女子大生だ。

彼女はもともと人付き合いが苦手という理由でラブホテルでバイトを始めたのだが、その経験を活かしてお客さんとして来る限りは決して見ることのできないラブホテルの新しい一面を切り取って絵本を作ってしまったのだ。その名も「人のセックスでご飯を食べる」。この絵本はクラウドファンディングを成功させて、今は別の物語も書いている。(ちなみにクラファンはまだ受付中です)

しかし、このコワーキングスペースを運営している友人曰く、最初に出会ったときの彼女は肩を内側にすくめて、ぼそぼそと話す静かな女の子だったらしい。それが、周りの友人たちの協力も経て、無事展示会を成功させ、いまやメディアにインタビュー掲載までされている。

自分の経験をコンテンツとして世の中に伝えても良いんだと自己肯定し、伝えたいと覚悟して変わった瞬間の彼女の精神はどんなに美しかったことだろうか。僕はその瞬間に立ち会ったわけではないのであくまで推測にすぎないけど、彼女の中ではいろんな葛藤があって、今の自分と新しい自分が戦い、その結果、開かれた世界に面と向かうことを決めたのだ。自分の中の正しさを信じたのだ。

覚悟を決めた瞬間が美しいのは、その人が自分の中で「これだ!」と信じるものを見つけて、自分のことを信じる瞬間だからだと思う。周りの人にどう思われようと自分の道を進んでいる人は、カッコいい。

とはいえ、なにかを決めないで迷っていたり、自分で選択をしないで周りに言われたことや世間で決められたことを粛々とこなすほうが楽だなと思う。

あらかじめ「こっちのほうが良いよ」とわかっていたらどんなに良いことか。だけど、それでは「安心」は手に入る代わりに、自分の人生ゲームの駒を先に進めることはできない。覚悟とは常に「恐怖」と隣合わせなものだ。

覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだッ

これは、僕の敬愛する漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部で、ギャングスターを目指す主人公ジョルノ・ジョバーナが言い放つセリフの一つだ。暗闇の荒野という「恐怖」を自ら打ち砕いていく彼自身の哲学が強く反映されている。

ジョジョといえば、独特の台詞回しや効果音、ジョジョ立ちとして有名なポージングなど表面的な部分が目立ちがちだ。僕も初めてジョジョを読んだときはいわゆる飛び道具的な面に目を奪われてしまっていたが、その奥底には「人の生き様となにか」という壮大なテーマが脈打っている。

特に第5部は「覚悟すること」に焦点が当てられていて、頻繁に「覚悟とはなにか」をキャラクターを通じて読者に問うている。それは、第5部の主人公たちが、社会や家庭からつまはじきにされて育たざるを得ない環境に置かれて、予め決められてしまった「運命」や「宿命」の中で「自分の哲学」をいかに持ち続けるかを求められるからだ。主人公たちだけではなく、敵の中にも善悪は別として「覚悟」を持った魅力的なキャラクターがたくさん出てくる。彼らは「覚悟」を決める瞬間の美しさを僕に教えてくれた。

人は「覚悟」をしたほうが美しいんだよ、という考えがもっと広まっていけば、どんどんと自分のやりたいことをやる人が増えて、世の中がもっとよくなるんじゃないかと思う。それと同時に誰かの「覚悟」を応援できる人が増えてほしいし、自分もそうでありたいと思う。

これを読んだ誰かが、明日どんなことでもいいから「覚悟」を決めて一歩を踏み出してくれたら、心底嬉しいなと思う。

そして「覚悟はいいか? 俺は出来てる」とぜひ叫ばせて欲しい。

この記事が参加している募集

最後まで読んでいただきまして、有難うございます。 あなたが感じた気持ちを他の人にも感じてもらいたい、と思ってもらえたら、シェアやRTしていただけると、とっても嬉しいです。 サポートは、新しく本を読むのに使わせていただきます。