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オンリーワンの接客を目指して!お客様の喜ぶ顔を見るために

ワインのプロたちは、どんな想いでワインと向き合っているのか?スタッフの仕事に対する想いやこだわりを伝える「わたしとワイン」

広尾本店:山﨑 大地

ワインショップやレストランで、数あるワインの中から今日飲む1本を選ぶって難しいなと感じたことはありませんか。

そんなとき、自分の好みをわかっているプロが身近にいたら、ワイン選びがぐっと楽になりますよね。

「お客様専属ソムリエのような存在になりたい」と語るのが、広尾本店の店長を務める山﨑。そう思うようになったのは、お客様とのあるやりとりがきっかけだったと言います。

お客様の喜ぶ顔を見るため努力を続ける彼に、仕事に対する思いや大事にしていることを尋ねました。

ワインに興味を持ったきっかけは奥深さ

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-ワインを好きになったきっかけを教えてください。

私が大学生の頃、両親がフレンチにハマった時期があったんです。基本的には両親だけでフレンチレストランに行っていたのですが、私も何度か連れて行ってもらう機会がありました。

そこでワインを飲むうちに「ワインっていろんな種類があるんだな」と思ったのが興味を持ったきっかけです。産地や銘柄など詳しいことは全く分からなかったのですが、それぞれのワインで味わいが違って個性があるところに面白さを感じました。

ちょうどその頃、私は就職活動の時期を迎えていて、「将来は自分の血となり肉となるような専門分野で仕事をしたい」という気持ちがありました。

それで興味を持ち始めたワインについて、詳しく調べてみることにしたんです。すると、ワインには自分が思っている以上にたくさんの種類があって、いくら勉強しても足りないくらい奥が深い飲み物だということがわかりました。

それから調べれば調べるほど「ワインを極めてみたい」と思うようになり、ワインの世界へ飛び込むことを決めたんです。

お客様の専属ソムリエであるために

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-日々の接客で心掛けているのはどんなことですか。

入社して今年で12年目になるのですが、常に「オンリーワンの接客」を心掛けています。

お客様の好みや興味を把握した上でサービスを提供し、専属ソムリエのような存在になれるよう、ワインに関する知識のアップデートはもちろん、お客様と交わした会話の内容も覚えるようにしています。

初めてお会いするお客様の場合は、「どんな味わいのワインが欲しいか」ではなく、もっと掘り下げた「なぜワインを買いに来てくれたのか」というところからお伺いするようにしています。

また、「新しいワインの入荷があったら連絡してほしい」と言ってくださったお客様には積極的にご案内をしています。それは「買ってほしい」という気持ちが強いというよりは、縁あって自分が接客させていただいたお客様に「良いワインをお届けしたい」という気持ちが強いんですよね。

-お客様に喜んでほしいということですね。何かきっかけとなる出来事があったのでしょうか。

あれは、京都髙島屋店で働いていたときです。入社2年目でまだまだ未熟な私をご贔屓にしてくださったお客様がいました。私が大阪の店舗に異動になってからも、わざわざ足を運んでくださったんです。

その方から「いつも良いワインをご紹介してくれてありがとうございます」と言われてすごく嬉しくて、そういう体験が今の自分のルーツになっているかもしれないです。

お客様の喜ぶ顔が見られるというのはこの仕事ならではですし、一番の醍醐味だと思うので、これからもお客様の専属ソムリエとして良いワインを提案できるように努力し続けていきたいです。

10年前の自分に送りたいアドバイス

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-先輩から学んだことがあれば教えてください。

入社したばかりの頃、先輩に「良い接客をするためには、人当りだけでなくそれに伴う知識が必要だ」と教わりました。

知識があるからこそ、自分のキャラクターやホスピタリティを活かすことができるのであって、知識なくしてはお客様の望むものが提供できず物足りない接客になってしまうと言われたんです。

それを聞いてまずはワインエキスパートの資格を取得しようと、アドバイス直後に試験を受けたのですが、もちろん結果は散々でした(笑) その後必死に勉強してソムリエの資格をとりました。

―当時の自分へアドバイスをするならどんなことを伝えたいですか?

知識の部分に関しては、まずは頑張って勉強しなさいと言いたいです。飲むだけ、座学だけではなく並行して勉強するようにとアドバイスしたいですね。そして、拙くてもいいから、勉強したことをお客様に伝える努力をしなさいと言いたいです。

勉強したての頃は、ワインの情報量の多さに、お客様に何を伝えていいかわからなくなったり、自分の持つ情報が本当に合っているか自信がなくなったりしました。

それでも、お客様の前に立ったらプロとしてきちんと求められている情報を伝えなくてはならないので、完璧じゃなくてもいいから一生懸命伝える努力をするようにと言いたいですね。そうすることで、お客様と信頼関係を築いていけると思います。

ワインからは一生離れられない

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-山﨑さんにとってワインとはどんな存在でしょうか?

離れられないものです。いや、ワインの方が僕のことを離してくれないのかもしれません。

仕事で一日の大半をワインと共に過ごしていますが、帰宅した後や休日も「今日は何のワインを飲もうかな」とか「どんな料理と合わせようかな」と、ワインのことばかり考えています。

妻もワインが好きでよく一緒に飲んだりするので、公私ともにワインからは一生離れられないだろうなと思います。

―ワインに心奪われているんですね。最後にそんな山崎さんが愛してやまないワインがあれば教えてください。

昔からシャトーヌフ・デュ・パプが好きで、特にクロ・デュ・パプという生産者のものが好きです。京都髙島屋店に勤務していたときに10年熟成位のものを飲んですごく感動して、それから何ヴィンテージか購入して飲んでいます。

もともとローヌ地方のワインが好きなんですが、このワインの熟成した時の妖艶な感じにすっかり魅了されてしまいました。

ヴィンテージにもよりますが、熟成したものだったらワインだけでゆっくり時間をかけて飲みます。比較的若いヴィンテージだったら、大好物のラムを合わせたいですね。ラムチョップを買って、個性のある食材とワインでエキゾチックな組み合わせを楽しみたいです。