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エネコ東京 磯島シェフに聞く「ワインとの出会い」

エノテカのミッションに共感いただき、私たちの商品を扱ってくださる企業や店舗の方々へインタビューする「#ワインに関わる人たち」。

今回はスペイン・バスクの三つ星「アスルメンディ」のシェフ、エネコ・アチャ氏が手がける東京のレストラン「エネコ東京」で総支配人 兼 総料理長を務める磯島仁さんにお話を伺いました。

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エネコ・アチャ氏は2012年にスペイン史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得してから8年連続で三ツ星を獲得し続けており、スペインの若き天才と呼ばれています。

そんな彼から厚い信頼を得ている磯島さんはいつワインと出会ったのか?そして、なぜワインが好きになったのでしょうか?

素晴らしいご縁に深く感謝

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―まずは、エネコ東京の歴史を教えてください。

オープンしたのが2017年なのでまだ歴史は浅いんですが、エネコ東京は、エネコさんが日本へ進出するためのプロジェクトがあったわけではなく、ちょっとしたご縁があって生まれたお店なんです。

弊社は北関東でウェディング事業を専門としてスタートしていて、もともとは会長である松井がスペインへドレスの買い付けに行った時に、そのウェディングプランナーの親戚として紹介されたのがエネコさんでした。

ドレスを買い付ける際に企業の説明をしていく中で、プランナー、ドレス、ビューティー、料理も自社でやっていると言ったら、「自分の親戚も実はレストランとウェディングをやっていて東京に興味があるんだよ」とプランナーの方がおっしゃっていたので、お会いすることになったんです。

その親戚がエネコ・アチャでした。

2人でお話ししていく中で、お互いが持つ「理念」に相通じるものがあったようで、東京でお店を出すならタッグを組もうかと意気投合したことで生まれました。

エネコ・アチャが東京進出を考えて、プロジェクトとして進めていたわけではなく、本当にご縁で生まれたレストランなんです。

現地と変わらない空間と体験を大切にする

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―本当にご縁があって誕生したんですね。そんなエネコ東京の魅力を教えていただけますか?

エネコ東京ではバスク料理だけではなく、そこで過ごす時間や空間というエクスペリエンスを大事にしています。

アスルメンディに行かなくてもバスク体験ができますし、そこが唯一無二というか、やっぱり本場を楽しめるということが魅力のひとつです。

最初にゲストが体験するのがピクニックバスケットに入ったアミューズです。その後は二階に上がってドームの中でアペリティーボを食べた後にテーブルに着席して食事がスタートします。

東京にはたくさんのレストランがありますが、着席して食べるお店がほとんどです。

エネコ東京は、同じ飲食というカテゴリでも、他では味わうことができない時間を過ごせるように贅沢に空間を使って、他のレストランではできない表現方法、お料理を食べるまでの過程や空間そのものに重きをおいています。

リラックスしてもらうためのピクニックバスケット

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―体験の中でもメインはお料理だと思いますが、オススメのお料理を教えてください。

やっぱりピクニックバスケットです。

エネコ東京に来ていただくお客様全員が体験していただくことなので、一番の推しになります。

今だと写真を撮っていただける時間にもなっていますし、着席してメニューを見る前にバスクの白ワインを楽しんでいると「いきなりバスケットが出てくる」って、良い意味で裏切っているというかサプライズかなと思っています。

また、店内を歩いた後に"手で摘まんで食べる"、そして"お仲間の方とおしゃべりをする"という行動が、脳科学的にいうと平常心を取り戻す効果やリラックス効果があると言われています。

エネコさんは、お料理を100%楽しんでいただくためには、ゲストがリラックスした状態でなければいけないと考えていらっしゃるので、最初の体験として、バスケットを持ってピクニックに来たような感覚でリラックスしてもらうためにお出ししています。

お食事の時間が始まる冒頭に心のコンディションを整えていただくことで、100%楽しんでいただけると思っているので、そこが一番のお気に入りでもあるし最も大事なところでもあります。

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―ちなみにワインとのペアリングなどを意識してメニューを作られたりはしますか?

料理はエネコさんが軸なので、料理が決まってからスタッフがその料理に合わせてペアリングの試飲会を実施しています。

エネコ東京のディナーは品数が多いので、候補になるものを何種類か選ぶんですが、料理とバッチリ合うのはこのワインだけど、八品あるうちの二品目だからこのワインの方が良いのではないかといった感じで、夜な夜な試飲会を行っています。

エクスペリエンスを大事にしているからこそ、料理とワインの相性ではなくコース全体を考えた上でのペアリングを意識しています。

ワインとの出会いはサンセール

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―磯島さんがワインと出会ったのはいつ頃ですか?

僕がワインと出会ったのは社会人になってからです。専門学校を出てからレストランに就職をして、勉強のために食べ歩きをしていた時ですね。あれは忘れもしません。

サンセール ラ・ブルジョワーズを飲んで感動したんです。ワインってこんなに美味しかったのかと。それからはレストランで食事をするときはサンセールがあれば、必ずサンセールを飲んでいました。

サンセールでも生産者が違えば味は違うわけで、そこから少しずつサンセールについて勉強をするようになりました。ワインを学んだというよりも、サンセールのことを深く掘り下げていく感じです。

サンセールってどこで造られているのか?どんなブドウ品種を使っているのか?そのブドウはどういう気候で育っているのか?少しずつ学んで知識を広げていくことで、ワインの知識も広がっていきました。

ワインと料理、お互いを引き立て合う存在

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―ワインへの思いを伺っていると料理とのペアリングを大事にされてそうですが、磯島さんにとってワインとはどのような存在ですか?

僕は料理人だからかもしれませんが、料理があるところにワインはなくてはならない存在であり、かけがえないのものだと思っています。

料理だけで美味しいのもいいんですが、もともと美味しくて価値ある料理を更に高めてくれるのがワインだと思っています。

さらに、美味しいワインもこれに合う料理が添えてあることで、そのワインをもっと美味しく感じさせたりします。

ワインと料理はお互いが高め合える存在なので、お互いになくてはならない存在だなって思っています。

―磯島さん、ありがとうございました。

インタビューの途中で、エノテカを選んでいただいている理由をお伺いした時、「エノテカさんのおかげで良いおもてなしができた」というお話しがあったんですが、そのお話しから、お客様の体験や経験をどのように向上させていくかということを徹底して考えているんだなと強く感じました。

レストラン内で移動しながら食を楽しむことができる「エネコ東京」。今まで体験したことがない食空間で、五感を満たす贅沢なひとときが楽しめます。ぜひ、足を運んでみてください。

エネコ東京

エネコ東京外観 - コピー

住所:東京都港区西麻布3丁目16−28 Toki-On 西麻布
予約:050-5596-7295
公式サイト:https://eneko.tokyo/jp