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毎日が勉強!ワインを学び、嗜み、広める面白さ

ワインのプロたちは、どんな想いでワインと向き合ってお客様と接しているのか?スタッフの想いやこだわりを伝える「わたしとワイン」

池袋東武店:星野陸

「趣味は何ですか?」と聞くと「勉強です」と即答した青年がいました。

星野陸、27歳。

大学、さらには大学院でワインの醸造を学んだ彼が選んだ道はワインを「広げる」仕事でした。

誰よりもワインを学び、嗜み……そして今お客様へワインを広げる星野。そんな彼のワインに対する熱い想いを訊きました。

趣味は勉強

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―大学でワインを学んでいたとお聞きしました。

はい、山梨大学で主に農学や食品学について学んでいて、ワインにフォーカスしたのは4年生になってからです。

大学卒業後、大学院にも進んだので3年間ブドウの収穫からワイン造りを行っていました。

研究内容としては主にワインのタンニンについてです。

学生時代、ワインを学んでいたことは今の業務にも生かされていると実感します。

どんな理由からこういった味わいになる、ということが分かり、それが分かることでお客様への説明にも説得力が出てくると思うんです。

―素晴らしいですね!先ほど、趣味は勉強だと聞きましたが、今はどんな勉強をしているんですか?

ワインの勉強はもちろん、今は販売士の資格取得に向けて日々勉強しています。これといった趣味がないので休みの日も勉強ばかりしています。

4月で入社3年目なのですが、もう27歳で、他の同期より年上ですし正直焦りというか、やらなきゃダメだなという気持ちがあります。

すぐに現場で使えるかはわからないですが、なるべく多くの知識を付けて、少しでも業務に役立つことがあればいいなと思い、積極的に資格やワインの勉強をしています。

思い入れのあるワイン

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―そもそも、なぜワインを学べる大学に進学しようと思ったのでしょうか?

ワイン好きの父の影響で、小さい頃からワインは身近な存在でした。

大学進学を考え、全国のいろいろな大学を調べる中で、ワインを学べる大学があることを知りました。「そこでしか学べないことを学べるって面白そう!」と思い受験を決めました。

もちろん、当時は18歳でワインを飲んだことはなかったので父親の影響が大きいですね。

―お父様がワイン好きなんですね。

はい、祖母の家にはワインセラーがあって、兄の生まれ年のワイン、自分の生まれ年のワインが入っていました。小さい頃からワインには馴染みのある環境で育ったと思います。

―どんなワインだったんですか?

シャトー・シュヴァル・ブランです。20歳の誕生日の時に父からもらい一緒に飲みました。

その美味しさに感動して、自分にとってサン・テミリオンのワインへの思い入れが強くなりました。

就職して初めてのお給料で買ったのもサン・テミリオンのワインです。本当はシュヴァル・ブランを買えたら良いんですけど、金額的になかなか買えるものではないので……。

2万円から4万円の価格で、ある程度寝かせられるサン・テミリオンのワインをひたすら吟味して、シャトー・ベレール・モナンジュに決めました。

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今は第1特別級Bなんですけど、それがいつかAに上がる日まで買い続けたいなという思いがあります。

今後格付けがどうなるかは分からないですけど、素晴らしいワインなのでどんどん集めて、記念の日に開けたりヴィンテージごとの変化も知りたいです。

こういう楽しみ方もワインの魅力の一つですよね。

一期一会に関われる喜び

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―ワインを大学、大学院で学んでエノテカへの入社を決めた理由を教えてください。

正直に言うと、研究者も製造の仕事も自分には合わないかなと思ったからです。

大学4年生になり、進路のことを考えた時は「理系だし、この道が1番良いだろう」という思いがあって進学を決めましたが、いざ研究してみるとなんだかしっくりきませんでした。

―それで選択肢にインポーターが出てきたんですね。

まだ研究者になろうと思っていた大学4年生の頃、大学にワインのインポーターさんが説明会に来たことがあったんです。せっかくなら聞いてみようという軽い気持ちで参加したんですが、それが今に繋がっていると思います。

インポーターは世界中のワインを持ってきて、それを広める仕事。いろんなお客様にいろんなワインを届けることができるってすごく楽しそうだなと、ここを目指したいと思うきっかけになりましたね。

その後大学院を休学して、ニュージーランドに9ヶ月間留学に行き、英語とワインを学びました。

計7年間の学生生活を送ることで「ワインを広める仕事に就きたい」という思いが強くなり、エノテカへの入社を決めました。

―今、実際に働いてみていかがですか?

お客様とワインの一期一会に関われていることがとても面白いです。

これだけ取り扱いのワインが多いと本当にいろんな味わいのワインがあるので、それをどうお客様にご案内するのか、毎日考えています。

お客様の好みなどを聞き出して、ご希望に沿ったワインを提案できたとき、「最適化」じゃないですけどうれしいですよね。

そして私とお客様との出会いもそうです。いろんな人と出会えてご提案ができるのも魅力だと思います。

そしてまたお客様が来店してくれた時、これほどうれしいことはありません。

暮らしを豊かにするもの

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―最後に星野さんにとってワインとは?

暮らしを豊かにするものです。

ワインはお酒の中でも食中酒の要素が大きいものだと思うんです。ペアリングで食事の時間が楽しくなったり、レストランでの特別な時間を演出してくれますよね。

ワインと出会って私の人生も豊かになったと思っているので、このワインの魅力をたくさんの人に広げていけるようにこれからも学び続けたいです。