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“伝える”ことの楽しさ、難しさと向き合い奮闘する新店長

ワインのプロたちは、どんな想いでワインと向き合ってお客様と接しているのか?スタッフの想いやこだわりを伝える「わたしとワイン」

京王聖蹟桜ヶ丘店:清原海

新卒入社5年目。社会人として一人前となり、後輩育成や次世代のリーダーとして期待され始めます。

そんな中堅社員となった清原は今年、ワインショップの店長を任されるようになりました。

ステップアップの一つとして目指していたという店長になった今、何を思うのか?

新店長として奮闘する彼の仕事やワインに対する想いを訊きました。

ワインの難しさに惹かれ

―ワインの世界を目指したきっかけを教えてください。

学生の頃からお酒が好きで居酒屋でのアルバイトもやっていました。

人と人とをつなぐ、コミュニケーションツールとも言えるお酒に魅力を感じ、もっと世の中に広めたいと思い、酒類業界に絞って就職活動をしていました。

―最初はワインに限ったわけではなかったということですね?

そうです。正直初めはお酒の会社なら何でも良いと思っていました。

それが就職活動を進めていきビールや日本酒、ワインの会社を見ていく中で、エノテカと出会い、初めてワインの面白さや難しさを知りました。

―面白さ、難しさというと?

もちろんどのお酒にも奥深さはあると思うんですが、ワインの難しさに初めて気づいたのが就職活動の時でした。それが同時に面白さでもあると思って惹かれていったんです。

香りや味わいの細部を別のものに例えてお客様に伝える技術が必要で、その専門性がなければ提案もできないし、知識があれば自分がワインを楽しむうえでももっと楽しめるかなと。

そういった誰もが持っているわけではないスキルを身につけたい、ワインを取り扱えるようになりたいと思ったのが、エノテカに就職した理由です。

“伝える”ということ

―この仕事のやりがいは何ですか?

お客様にご提案したときにそのレスポンスが返ってくるとすごくうれしいです。

それは良いことだけではなくて「このワインのこういうところが苦手だった」といったネガティブな内容のこともあります。

それでもそういうところにまたアプローチをしていって……。例えば「この白ワインの苦味が気になった」というお客様がいたとします。

そうした時、何が苦手だったのかを考えて「これはヴィオニエという品種を使っているので苦手なのかもしれないですね、特徴が苦味なので。じゃあ、この白ワインだったらお好みに合うかもしれません」といった提案をして、またお客様が来店したときに「前回の白ワイン美味しかったです!」となったら良いなと思っています。

ワインは嗜好品で好みがあるので1回でお客様の正解に導いてあげることが難しいかもしれません。だからこそ、丁寧に真摯に向き合うことが大切だと思います。

自分の言葉でワインの香りや味わいを伝えて、お客様にとってのベストなワインに出会えた時、とてもうれしいです。

―では、店長になるために頑張ったことを教えてください。

“伝える”ということです。これは店長になった今でも頑張っています。

人によって捉え方が違うので、一緒に働くスタッフ一人一人に伝わる言葉、表現を考えるようにしています。

―そう意識するようになったきっかけなどありますか?

店長になる前の店舗に勤務している時です。当時、その店舗は兼任店長だったため、自分が店長の代わりに業務連絡をする立場でした。

引継ぎ帳などにスタッフみんなが見えるように連絡事項を残していたんですが、半分の人が理解できていないことを知りました。

自分は伝えた気になっていたけど、教えられていなかった……それをスタッフに指摘されてダメージを受けました。今だから笑って話せますが(笑)

伝える、落とし込む、ということは、当たり前のように店長がやっていることだけれども、とても難しいことなんだなと思いました。

年下の世代に教える方法、年上の後輩の方に教える方法、それぞれ違うと思うんです。

教えた気になるんではなく、きちんと相手の気持ちを考えて“伝える”ということを今もずっと意識しています。

チームプレーの面白さ

―店長になってからの大変なことは何ですか?

学生時代、運動部ではなかったので、チームを引っ張ったとかチームで一つの目標に向かって頑張ったという経験が少ないんです。

店長になってみんなを引っ張るというのが大変なことでもあり、やりがいにも感じています。

これが店長の役目だと思っているので、「自分が思い描いているのはこれです、そのためにはこんな課題があって、こういうアプローチが必要ですよね、だからみんなでこうしていきましょう!」といったように具体的な行動指標を明確にしています。

チームプレーの楽しさと難しさを実感する毎日です。
 
また、職場の雰囲気作りも店長の仕事だと思っています。それはスタッフの働きやすさもそうですが、お客様にとっても居心地の良い空間になっていくと思うんです。

幸せを感じる瞬間


―清原さんにとってワインとは?

人生を豊かにするのに欠かせないアイテムです。
 
もともと食べることが好きで料理もするので、ワインのマリアージュを勉強してきたことで料理の幅も広がったと思います。
 
より充実したことによって「幸せだな」と思う機会が増えました。

―お料理されるんですね。

はい、釣りも趣味で釣った魚を自分で捌いて刺身にしたり鍋にしたりしています。まだまだ捌くのは下手ですけど、楽しいですね。

この魚には何のワインが合うかなと考えるだけで楽しいですし、ピッタリなマリアージュを見つけた時はうれしいです。なんだか心に余裕ができるような気がします。

ワインを学んだことで食生活がより豊かになっていると実感しますね。

そういった幸せを多くの人に伝えるために、これからも頑張っていきたいです。