映画「麦の穂をゆらす風」レビュー
こんにちは、えのたかです。最近サークルの友人もnoteを初めて、その子が架空の映画のレビューをするというボケをしてくるのですが、そのせいで実際にある映画のレビューを真剣にするのが恥ずかしくなってしまいました。
ですが、そんな逆風にも負けずに今回も映画レビューをやっていきます。それも戦争がテーマというゴリゴリにヘビーな映画のレビューをすごく真面目にしていきます。それでもよろしければ、御覧ください。
基本情報
今回見た「麦の穂をゆらす風」は2006年にケン・ローチ監督によって作られた、アイルランド・イギリス合作映画です。そして、カンヌ国際映画祭の最高賞、パルム・ドールを受賞した映画です。パルム・ドール作品ばかりレビューしていますね笑
また、以前僕がレビューした「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画もケン・ローチ監督作品でパルム・ドール受賞作です。そちらも素晴らしい映画でした。NetflixやAmazon Primeで見られると思うので、是非見てみてください。感動の嵐です。
あらすじ
アイルランド独立戦争とその直後のアイルランド内戦の惨劇を描いた作品です。前半は主人公の属するアイルランド共和軍の仲間がイギリス軍に殺されたり、拷問されたりするシーンが描かれています。しかし、そうした圧力にも負けずに少数の戦力でイギリスに立ち向かった結果アイルランドは休戦条約締結に成功します。しかし、その休戦条約がアイルランド完全独立を認めるようなものではなく、その賛否で元アイルランド共和軍内で対立が起こります。その対立が内戦に発展し、アイルランド共和軍で元々仲間だった人同士が殺し合うことになるという惨劇が繰り広げられます。休戦条約締結が奇しくも仲間との対立の原因になってしまうという悲劇的ストーリー展開です。
見どころ
同監督の映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」でもそうだったのですが、終始痛ましいシーンが続きます。特にこの映画は戦争という題材を軸にしている分、「わたしは、ダニエル・ブレイク」で描かれていた社会格差よりもより凄惨で衝撃的な悲しみで溢れています。センシティブな人が見たら、数日は立ち直れなくなるかもしれません。それほどの悲しさがあります。戦争映画の多くは、愛する人が殺されるという観点においての戦争の悲劇性が訴えられることが多いと思うのですが、この映画では、アイルランドの内戦までを描くというストーリー展開の中で愛するものを殺さなければいけないというシーンも出てきます。このシーンでは殺される悲しみと同時に殺す悲しみまでもが表現されています。この二つの側面から戦争や対立の虚しさを強調したシーンの数々は涙なしでは見られません。平和の素晴らしさとそれを守っていくことの重要性を再確認できる社会派映画です。傑作。
終わりに
ケン・ローチ監督は素晴らしい社会派映画監督だと思いました。今後も彼の作品を見てレビューしていけたらと思います。
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